最高裁判所裁判官の暴走を許さない

最高裁判所裁判官の国民審査は、衆議院選挙の時の「ついでに」ならないようにしましょう。辞めさせるのは国民の権利です。

名張毒ぶどう酒事件は再審不可

2024-04-10 19:28:28 | 日記
令和4(し)206  再審請求棄却決定に対する異議申立て棄却決定に対する特別抗告事件
令和6年1月29日  最高裁判所第三小法廷  決定  棄却  名古屋高等裁判所

再審請求を棄却した原々決定を是認した原決定に対する特別抗告が棄却された事例

日本弁護士会の声明です「名張毒ぶどう酒事件」第10次再審請求特別抗告棄却決定に対する会長声明
日本弁護士会の声明といっても、弁護士のそういでもなければ同意もありません。会長が勝手に言っているだけです。

名張毒ぶどう酒事件

事件の概要はこんな感じです。
  申立人の兄である被告人は、妻と愛人との三角関係の処置に窮し、両名を殺害してその関係を清算しようと考え、昭和36年3月28日、事件本人及び両名らが所属する生活改善クラブの年次総会と懇親会が開催される三重県名張市内の公民館に女子会員用のぶどう酒を運び入れた上、公民館に誰もいなくなった隙に、女子会員らが死亡するかもしれないことを十分認識しながら、本件ぶどう酒を開栓して、竹筒に入れて忍ばせて持参していた有機燐テップ製剤である農薬ニッカリンTを4ないし5cc 注入し、替栓 を元どおりかぶせるなどし、同日午後8時頃、懇親会に出席した女子会員20名に提供させ、これを飲んだ17名につき、有機燐中毒により、妻と愛人を含む5名を死亡させて殺害し、12名に傷害を負わせ、3名については飲ませるに至らなかった(殺人、殺人未遂)。   

相変わらず無駄に長い文章です。理解させようという気はさらさらないようですね。

  本件は、事件本人(平成27年10月4日死亡)の妹を申立人とする第10次再審請求事件である。
遺族が名誉回復のために起こした裁判です。10回もやってるんですね。

 1 確定判決の有罪認定について
  ①本件ぶどう酒に有機燐テップ製剤の農薬が混入されたのは、懇親会の開会と比較的近接した時刻に、公民館の囲炉裏の間においてであり、上記囲炉裏の間において本件ぶどう酒に人目につかず農薬を混入することができたのは、約10分間公民館内にただ一人でいた事件本人以外にはないことを裏付ける犯行の場所と機会に関する情況証拠、
②公民館内から押収された本件ぶどう酒の内蓋である四つ足替栓の表面の傷痕に関して、事件本人の歯牙により生じたもの又は事件本人の歯牙によるものと類似すると判定した3つの鑑定
③事件本人の捜査段階の自白調書  

実行したのは間違いないと最高裁は再び認定しました。

  本件替栓上の 傷痕は、人の歯痕であるか、あるいは人の歯痕である可能性が高く、また、それが事件本人の歯牙によって印象されたとしても矛盾は生じないとした。その上で、同決定は、本件替栓の表面の傷痕に関する3鑑定は、同再審請求後に提出された証拠によって、その証明力が大幅に減殺されたとはいえ、新旧全証拠を総合して検討すると、犯行の機会に関する情況証拠から、事件本人が本件犯行を犯したと認めることができ、これに信用性の高いと認められる事件本人の自白を総合すれば、確定判決の有罪認定に合理的な疑いを生ずる余地はないとした。 
本当に苛立たせますねこの文章は。こんなに長い必要はありますか?歯の跡があるから間違いないと言ってるだけです。  

  2 本件再審請求における新証拠①犯行の機会と場所に関する証拠群(本件ぶどう酒の瓶口に巻かれていた封緘紙の破片の裏面に2種類の糊が付着していることが明らかになったことにより、犯行場所が公民館であり事件本人しか犯行の機会がないという確定判決の事実認定に合理的疑いが生じたと同時に、事件本人による自白に決定的な矛盾が生じたというもの。 ②毒物の特定に関する証拠群(模造ぶどう酒にニッカリンTを加えてペーパークロマトグラフ試験を実施したところ、当時の三重県衛生研究所が行ったペーパークロマトグラフ試験とは異なる結果が出たことから、犯行に使用された毒物がニッカリンTではないことが明らかになり、事件本人による自白の根幹部分について前提事実との間に食い違いが生じたとするもの。③本件ぶどう酒の瓶に装着された内蓋である本件替栓上の傷痕に関する証拠群④事件本人による自白の任意性及び信用性に関する証拠群・・・
3①について  ATR法による鑑定により本件封緘紙に付着した物質を特定し、本件封緘紙が本件ぶどう酒への毒物混入後再度糊付けされた可能性を示そうとすること自体、相当に困難であるといわざるを得ない。  ・・・

キ したがって、新証拠1は、本件ぶどう酒が公民館の囲炉裏の間に持ち込まれる前に、何者かが本件封緘紙を破って本件ぶどう酒に毒物を混入し、その後再度本件封緘紙を糊付けしたという可能性を示すような証拠価値を有するものではなく、犯行現場は公民館の囲炉裏の間であり、同所において本件ぶどう酒に人目につかず農薬を混入することができたのは、約10分間公民館内にただ一人でいた事件本人以外にはないとした確定判決の認定に合理的な疑いを差し挟む証拠とはいえない。


これだけでも十分の証拠能力がありますね。

新証拠2について
当時の三重県衛生研究所の試験において、エーテル抽出の際、検体に塩化ナトリウムを飽和するまで加える方法である塩析が行われたことをうかがわせる証
跡が何もないとした原々決定に誤りはないとした原決定も相当である。

新証拠3について
第5次再審請求に関する特別抗告審決定(前記最高裁平成5年(し)第40号同9年1月28日第三小法廷決定)において既に前提とされ、その上で、同決定は、これを踏まえてもなお確定判決の有罪認定に合理的な疑いを生ずる余地はないとしたのであるから、新証拠3が刑訴法435条6号にいう「無罪を言い渡すべき明らかな証拠」に当たらないことは明らかである。


同じ証拠を持ち出したのですか。そりゃ却下されますね。

新証拠4について
しかしながら、事件本人は、身柄が拘束される前に、捜査機関が既に入手していた資料から創作できるとは考えられないような具体的な自白をしており、その内容も、客観的状況と矛盾なく符合していると認められ(前記最高裁平成5年(し)第40号同9年1月28日第三小法廷決定参照)、新証拠4を踏まえても、自白の信用性に疑いは生じない。


物証と証言が一致したならばもうどうしようもありません。

結論
新証拠はいずれも確定判決の認定に合理的な疑いを生じさせるものではないという原々決定を是認した原決定は、正当である。

裁判官全員一致の意見でした。

裁判官宇賀克也の反対意見
・・・・この事実も上記可能性を裏付けるものであるといえる。)から、上記の事実だけからは必ずしも犯行場所が公民館の囲炉裏の間であるとは断定できなくなる。そして、このような観点から旧証拠を検討するならば、事件本人にのみ犯行の機会があったとは断定できなくなり、事件本人の犯人性に合理的な疑いが生じると考えられるのである。

最高裁は事実認定をするところではないはずでは?

記憶は時間が経過するにつれて曖昧になるという経験則に照らしても、事件後間もない時期における関係者の一致した供述が、相当期間経過後に一斉に変遷するのは疑問であり、本件ぶどう酒のB方への到着時刻が午後5時過ぎ頃であったとする確定判決の認定は、元々脆弱な証拠に支えられていたものにすぎないとみるべきである。そうすると、上記のとおり、本件封緘紙等の発見状況から犯行場所は公民館の囲炉裏の間であったとする推論自体が揺らいだことも併せ考えれば、本件ぶどう酒のB方への到着時刻が午後4時前であり、同所において犯人が本件ぶどう酒に農薬を混入した可能性も否定できなくなったというべきであり、

それを言い出したら、どうしようもないでしょう。全ての刑事事件の裁判が成り立たなくなります。

再審を開始すべきである。

甘いなぁ。宇賀裁判官はどうも大甘な見方のようにしか思えません。

裁判長裁判官 長嶺安政
裁判官 宇賀克也 トンデモ
裁判官 林 道晴
裁判官 渡 惠理子
裁判官 今崎幸彦

内容以前に、この判決文の日本語の下手糞具合に腹が立ちます。分かるように書けよ!と。判決文は裁判官の満足のために書くのではなく、次の参考にするために役立たなければなりません。これは裁判長が悪いのかな。