非国民通信

ノーモア・コイズミ

裸の王様

2024-02-23 21:45:35 | 文芸欄

昔々、ある王国に賢明な王様がいました。この王様は美しい服に目がなく、新しいファッションを楽しむことが大好きでした。

ある日、王様のもとに一人の詐欺師が現れ、「バカには見えない服」を作ることができると言いました。この服は賢い人々には見え、愚かな人々には見えないというのです。

王様は興味津々で、詐欺師に服を作ってもらうことを決めました。詐欺師は糸を紡ぎ、不思議な布を織りました。そして完成した服を王様に見せました。

「これがバカには見えない服です、陛下。」詐欺師は自信を持って言いました。

王様は服を手に取り、鏡の前に立ちました。しかし、何も見えませんでした。詐欺師は微笑みながら言いました。「陛下、あなたは賢い方ですから、この服が見えるはずです。」

王様は少し戸惑いましたが、詐欺師の言葉を信じて服を身に着けることにしました。

 

時は流れて21世紀、ある国に立派な美術館がありました。

ある日、館長の元にもとに一人の詐欺師が現れ、最高の現代アートを披露すると言いました。この現代アートは賢い人々には理解でき、愚かな人々には理解できないというのです。

館長は興味津々で、詐欺師に現代アートを披露してもらうことを決めました。詐欺師は絵筆を取り、汚れたキャンバスを作りました。そして完成したアートを館長に見せました。

「これがバカには理解できない芸術です、館長。」美術評論家は自信を持って言いました。

館長はゴミを手に取り、しばらくキャンバスの汚れを眺めました。しかし、何も理解できませんでした。詐欺師は微笑みながら言いました。「あなたは賢い方ですから、この価値が理解できるはずです。」

館長は少し戸惑いましたが、評論家の言葉を信じてゴミを高額で購入することにしました。

その後、美術館の展示品はゴミだと言う少年も現れましたが、何かが変わることはありませんでした。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« どう考えても逮捕理由の説明... | トップ | 民主主義の条件 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

文芸欄」カテゴリの最新記事