非国民通信

ノーモア・コイズミ

労組を黙らせたいなら民主党に清き一票を

2015-09-30 22:11:19 | 政治・国際

民・共の協議不調に=岡田氏「連立ハードル高い」(時事通信)

 民主党の岡田克也代表と共産党の志位和夫委員長が25日、国会内で会談した。志位氏は、国政選挙での野党間の協力と、安全保障関連法の廃止を目的とする暫定的な連立政権構想に関する協議入りを要請。これに対し、岡田氏は選挙協力に消極的な姿勢を示すとともに、連立構想の実現性にも疑問を呈した。ただ、今後も話し合いを継続することでは一致した。

 席上、岡田氏は共産党との選挙協力について「保守層・中間層の支持が減ってしまい、結果的に(政権交代の)目的が達成できなくなるという議論もある」と指摘。志位氏が「国民連合政府」と表現する連立構想に対しても、「果たして現実的か。共産党と政府を共にするのはハードルが高い」と伝えた。

 

 過去にも一度ならず共産党から民主党サイドに選挙協力を打診した実績はあるのですが、基本的に民主党から断られているわけです。今回も、同じパターンが繰り返されることになりそうですね。ネット上の熱心な民主党支持層は健忘症なのか歴史修正主義者なのか、共産党が非協力的なせいで自民党を利してしまった、共産党は民主党に道を譲れ云々と強弁することが多いものですけれど、それにはまず民主党に態度を改めてもらわないとダメでしょう。

 ここでの岡田代表の判断は概ね妥当と言いますか、私が過去に述べてきたこととも一致しています。つまり共産党と組むことで「保守層・中間層の支持が減」る可能性は高いわけです。ネット上には何があってもアレコレと理由を付けて結局は民主党を支持し続ける人も多いですが、本当の多数派は浮動票ですから。共産主義は廃れても反共主義は今なお盲目的な信奉者がいます。浮動票を取り込まねば選挙で勝てない民主党にとって、共産党は組むことにデメリットが多すぎる相手なのだと言えます。

 

維新・連合トップ、野党勢力結集で一致 松野・古賀氏が会談(産経新聞)

 維新の党の松野頼久代表と連合の古賀伸明会長は26日夜、東京都内で会談し、来年夏の参院選へ野党勢力の結集が必要との認識で一致した。関係者が27日明らかにした。

 連合は民主党最大の支援組織。会談は、民主、維新の合流構想をめぐり両党の「連携協議会」が発足したことや、古賀氏が近く退任することを受け開かれた。維新の党の江田憲司前代表と連合の会長に就任する神津里季生事務局長も同席した。

 雇用政策や行財政改革など維新と連合の主要政策に大きな隔たりがないことも確認した。

 

 一方、維新と民主党は来年夏の参院選に向けた連携協議会の設置で合意したことが伝えられています。そもそも維新の党ができた当時から民主党が秋波を送ってきた相手なのですから、むしろ遅すぎたようにすら感じるところです。だいたい大阪でこそ例外的に民主と維新は対決することがありますけれど、その他の地方選挙区では共に連立与党を支える同志なのが普通です。地方議会の選挙では自民や公明、社民とだけではなく維新もまた民主党の同盟者として共産党と戦ってきた戦友である以上、国政選挙でも組めないはずがありません。

 民主党の支援組織である連合もまた、維新の代表と会談し「雇用政策や行財政改革など維新と連合の主要政策に大きな隔たりがないことも確認した」ことが報じられています。まぁ実際、大きな隔たりはありませんよね。あったのは、感情的なしこりだけですから。維新側には民主党内の共産党嫌いと同程度には労組嫌いもいたわけですが、反労組色が強い人は橋下一派の方に流れていったことも影響しているでしょうか。感情的な対立さえ消えれば、政策的に近いところが手を組むのは自然な流れと言えます。

 実際のところ、反・労組の立場であっても民主党は良きパートナーであると思います。連合が労働組合として本来の役割を果たしてきたとは言いがたいのもさることながら、それ以上に民主党は「支持層への利益誘導をしない」党でもあります。民主党が政権の座に就いていた期間、最大の支持母体である労組(の組合員)に便宜を図るような政策は出てくることがありませんでした。そして連合もまた昨今でこそ安倍政権批判に熱心ですが、主君である民主党が与党であった時代は政権批判に繋がるような言動は控えてきたはずです。むしろ民主党時代の方こそ、労組の口は完璧に塞がれていたのではないでしょうか。労組が嫌いであるならば、民主党を支持するのは良い判断です。自民党が決めたことなら反対でも、民主党が決めたことなら容認する人ってのは意外にいますから。

 

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それでも新聞は必要だ

2015-09-27 11:20:01 | 社会

 さて先日は消費税と軽減税率絡みの話を書きましたが、新聞各社は軒並み新聞への軽減税率の適用を求めており、その辺は何かと評判が悪かったりするわけです。なにせ大手新聞紙はどれも逆進課税強化の必要性を吹聴してきた、流石にその辺はまだ国民の記憶から消えていないようで、何をムシの良いことばかり――と反発を買ってもいるようです。あるいは、新聞報道自体への批判というよりかは恨み辛みも相俟って、新聞不要論も漏れ聞こえてくるところですが……

 まぁ新聞報道の中には本当に酷いものも多い、明らかな嘘は多くないにせよ、事実を部分的にしか伝えないことで読者をミスリードする類も目立ちます。とりわけ朝日新聞なんかには「俺たちが世論を誘導してやるんだ」という薄ら寒い気概をしばしば感じるところ、新聞の伝えるノンフィクション風フィクション(プロメテウスの罠等々)が世間の憎悪を煽り立てている、何かを忌避の対象に仕立て上げているケースは珍しくないでしょう。

 それでも尚、新聞は必要であり、かつ住民に幅広く読まれるべきものであると私は考えます。質の面での批判はあれども、他に代わるものがあるかと言えば、それも微妙ですから。新聞なんか必要ないと偉そうに語る人の情報源も元を辿れば新聞報道であったり、非新聞系のニュースサイトも結局は新聞で広まった話題を追いかけているだけであったり、それは至って普通のことと言えます。結局のところネット上のメディア、アングラなメディアも大手マスコミの作った土俵ありきで活動しているものであることは否定できないはずです。(このブログだって、直に新聞記事を引用しないとしても、新聞報道が広めた話題が読者に共有されているという前提で書いていますから!)

 論説委員ならできます――もし新聞社の採用面接を受けることになって、何ができるかを聞かれたら、こう答えます。論説委員なら、自分にもできます。まぁ私に限らず、論説委員なら務まるという人は多いでしょう。ただ逆に、末端の記者の仕事、地道に各地に足を運んで取材を積み重ねる、そうした仕事は誰にでもできるとは限りません。そして実地での取材はネット上の話題集めなんかとは違って、費用も時間も嵩むものです。新聞という有料メディアが廃れてしまったら、いったい誰が取材の役割を担うのか、ネット上で高説を垂れている脳内ご意見番に、その代わりが務まるとは思えないわけです。

 

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反対は財務省案に対するものだけではないとも思いますが

2015-09-23 23:32:51 | 雇用・経済

財務省案「反対」75%…「軽減税率を」63%(読売新聞)

 読売新聞社の緊急全国世論調査で、消費税率10%時の負担緩和策について聞いたところ、税率はすべて10%とした上でマイナンバーカードを使って、食料品などの増税分を後から給付する財務省案への「反対」が75%に達し、「賛成」は15%にとどまった。

 財務省案で、増税分の給付額に上限を設ける内容となっていることにも、「反対」が55%で、「賛成」は30%だった。

 一方、消費税率を10%に引き上げるのと同時に、生活必需品などに軽減税率を「導入すべきだ」と答えた人は63%に上り、「そうは思わない」の29%を大きく上回った。軽減税率を導入すると、小売店などの事業者が消費税を納める手続きが煩雑になるとの声もあるが、「商工自営、自由業」の人でも、「導入すべきだ」は全体より高い67%に上った。

 

 さて、一般に官僚は悪玉視されるもので政治家もそれに迎合することが多いわけですが、官僚に対するヘイトを煽ることで支持を集めてきたはずの民主党政権ですらも唯々諾々と従おうとしてきたのが財務省です。公務員の中でも自衛隊員だけは例外的に罵倒の対象にはならないように、官僚組織の中でも財務省だけは特別扱いなのでしょうか。ともあれ、そんな財務省が主導して「日本型」軽減税率案が出てきたところですが、「軽減枠が小さすぎる」「導入コストが高い」「マイナンバーでの管理ありき」などなど問題は山積みで、自民党からすら否定的に見られている有様です。

参考、消費税についてのまとめ

 消費税についての総論は上のリンク先にまとめた通りで、3年以上前に描いた当時から何一つとして問題は解決されないまま税率が引き上げられて今に至ります。結局のところ消費税増税が景気回復の腰をへし折ってしまったことに疑いの余地はなく、安倍内閣の最大の失敗であり国民を挙げて反対すべきであった事項はまさにこの消費税増税に他なるまいと思ったりしないでもありませんが、まぁ政治家も一般市民も、金よりも理念にこそ拘りを持つものなのでしょう。損か得かよりも、理想に適うかで行動するのが日本人です。

 財務省案における「日本型」軽減税率に限らず、実際は消費税制そのものが「日本型」であって、これは諸外国における「付加価値税」とは随分と異なった代物でもあります。むしろ諸外国の付加価値税は日本において消費税増税と引き替えに廃止された物品税に近いと言いますか、生活必需品であろうと何であろうと一律に課税する&インボイスなしの穴あき制度という点で我が国の消費税とは、なかなか例を見ないユニークな日本独自の税制であると理解されるべきではないでしょうかね。

 総じて消費税増税をめぐる新聞各紙の主張は似たようなもの、朝日と産経とですら見解が大筋で一致している有様です。掻い摘んで言えば「逆進課税には大賛成だが新聞には軽減税率が認められるべき」みたいな類ばかりで、ここで引用した読売の場合も大差ありません。軽減税率に関する世論調査をするのも結構ですが、消費税増税そのものに対する反対の世論を調査対象から外しているかのごとくなのはどうしてなのか――それは、どこの新聞社もあまり拾いたくない声なのでしょう。財務省案への反対まではフォーカスできても、その根幹までには迫れない、と。

 なお軽減税率は煩雑になるからダメだと強弁する人もいる中で、「『商工自営、自由業』の人でも、『導入すべきだ』は全体より高い67%に上った。」ことが伝えられています。そりゃ、そうですよね。消費税は、立場の弱い側が払う税です。立場の強い側は取引先に消費税分を負担させ、立場の弱い側は消費税分を自ら負担する、そういう仕組みですから。消費税が上がっても販売価格に増税分を転嫁することが難しい小規模事業者ともなれば消費税増税は死活問題、軽減税率を求めるのは当然のことです。

 

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この手の脅しはよくあるらしいですが……

2015-09-20 12:34:18 | 社会

交際発覚アイドルに賠償命令 「発覚でイメージ悪化」(朝日新聞)

 アイドルグループの一員だった少女(17)が男性との交際を禁じた規約に違反したため、グループを解散せざるをえなくなったとして、マネジメント会社などが少女と親に計約510万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が18日、東京地裁であった。児島章朋裁判官は「アイドルの交際発覚はイメージ悪化をもたらす」として規約違反を認め、少女に計約65万円の支払いを命じた。

 判決によると、少女は2013年3月にこの会社と契約。その際、「異性との交際禁止」「男友達と2人で遊んだり、写真を撮ったりすることは禁止」などとする規約を告げられた。同年7月に6人グループのアイドルとしてデビューしたが、10月に男性との交際が発覚。グループは同月、解散した。

 訴訟で少女側は「アイドルにとって、異性と交際しないことは不可欠の要素ではない」と主張したが、児島裁判官は「女性アイドルである以上、男性ファンの支持獲得に交際禁止は必要だった」と指摘。「解散によって会社は初期投資が回収できなくなった」として賠償を命じた。(千葉雄高)

 

 ……まぁ、上記の類の脅しで所属する女性タレントにAV出演を強要する事務所とかの話は聞くところですが、脅しではなく本物の法廷闘争にまで発展するケースもあるようですね。さて常識的に考えればヤクザみたいな事務所のやり口に対してしかるべく判決が下されそうなもの、ところが判決はと言えば「少女に計約65万円の支払いを命じた」とのこと。ファッ!?

 例えば違法な高金利で貸し付けを行っていた事業者の場合でも、その顧客との間で契約は結ばれているわけです。しかし、双方の合意の上で結ばれた契約であろうとも正当なものもあれば不当なものもあって、法律の定めるところを超えた金利に関しては契約は無効、利用者側に守る責任はありません。契約ならぬ規約であろうと然り、基本的人権に悖る規約であれば、それは当然のこととして無効との判決を下すのが司法の役目と言えます。

 むしろ不当な規約の履行を迫り金銭支払いを強要したという罪で東京地裁を被告として訴訟の一つも起こされても良いのではないかとすら思われますが、日本の司法はこういうレベルなのでしょう。なお児島章朋裁判官は「アイドルの交際発覚はイメージ悪化をもたらす」「女性アイドルである以上、男性ファンの支持獲得に交際禁止は必要だった」と断言したとのこと。この裁判官、たぶんアイドル好きですよね。

 なお児童ポルノとかは槍玉に挙げられやすいものですが、むしろ児童の芸能活動とかの方に厳しい目を向けるべきではないかと私は考えます。どっちも、子供を見世物にしていることに代わりはありませんから。性的な要素を明示しているか、伏せているか、それだけの違いです。未成年は守られるべきものとして、就労と同様に芸能活動にもまた規制が必要な分野のはず、そうしないと悪質な事務所に搾取される子供が増えるだけですよ、と。

 もう一つ、今回の訴訟における被告は元アイドルの少女だけではなく、その親でもありました。「親に連帯責任を求める」という日本の慣習もまた、放置されるべきではないと思います。つまり日本では就職時に身元保証書――従業員が何らかの損害を会社に与えた際、身元保証人が連帯して損害額を賠償するという契約書――を親族などに提出させることが多いわけです。交際禁止だけではなく、親に対する連帯責任の契約もまた、上記訴訟の場合には結ばれていたと推測されますが、これもまたいかがなものでしょう。

 ちなみに、この身内の就業時に連帯保証人を要求する日本の企業文化が、振り込め詐欺の被害拡大に一因になっているというのが私の説です。大半は、親が子の保証人として署名捺印していると思われますが、我が子の就業先に「会社に損害を与えた場合は親が償います」との誓約書を提出したことを覚えているのなら、振り込め詐欺の電話の中身にもリアリティを感じてしまうのではないでしょうか。子供の責任は親が取らなければならない、親が金を払わねばならない、そういう文化は日本に根付いているのですから。

 「アイドルにとって、異性と交際しないことは不可欠の要素ではない」、それは当たり前のことです。ただ今回の裁判長にとってアイドルとは、そういうものではなかったのでしょう。かくして17歳の子供が大人に不当な契約を結ばされて、その親に対して事務所が難癖を付けて金銭を強請り取ろうとしているわけです。ここで事務所が刑事告訴されたというのなら、話は理解できるのですが。

 

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ただで即戦力は手に入らないぞ

2015-09-16 23:44:23 | 雇用・経済

中小企業の半数が人手不足訴え 現場の即戦力求める(共同通信)

 人手不足の中小企業の割合が50・2%に達し、1年前より2・4ポイント増加したとの調査結果を日本商工会議所が12日までにまとめた。現場の即戦力となる人材を求める傾向が強いという。

 調査は6月、各地の商工会議所が中小企業を訪問し、2625社の回答を日商がまとめた。人手の過不足を問うと「不足している」が50・2%と最も多かった。「過不足はない」は45・5%で、1年前より2・0ポイント減少。「過剰だ」は3・5%で0・5ポイント減った。

 「不足している」と答えた企業の割合を業種別で見ると、介護・看護(72・2%)や運輸(60・9%)、建設(60・7%)が高かった。

 

 なんとも簡潔な報道ですが、どうしたものでしょうね。一方的に企業目線での人手不足を伝えるばかりで有効求人倍率の上昇には触れたがらない政治的なメディアもあるわけですけれど、雇用の「質」はさておき「量」は改善傾向が続いていると言えます。ともあれ人手が不足していると回答した中小企業が過半数に至ったとの報道です。ならばどうするのか、人手が不足しているからには人を新たに採用するのかどうか、そこに敢えて踏み込んでいない辺りに報道側の思惑が窺えないでもありません。

 結局のところ、人手不足を託ちつつも現有の社員に無理を強いるばかりで人員を増やそうとしていない会社も多いわけです。あるいは募集だけは出しているようでいて、その実は青い鳥を追いかけているばかりと言いますか、殺到する就職希望者を選り好みして「(若く薄給で無制限に働いてくれる即戦力の)人材がいない」と嘆息している雇用主も少なくないことでしょう。愚痴を漏らすばかりで現実に立ち向かおうとしない、そういうタイプは偉い人の中にこそ目立つものです。

 曰く「現場の即戦力となる人材を求める傾向が強い」とのことですが、競争社会なのですから即戦力ともなれば獲得のために企業側も努力しなければいけません。MLBなら弱いチームには優先的に獲得権が与えられるのかも知れませんけれど、ここは自由競争を信奉する日本です。良い人材が欲しければ、真っ当な条件を提示するのが当たり前のこと、それができないのに不足を訴えるのは、喩えるなら空から美少女が降ってくるのを待っているようなものです。

 逆に即戦力を獲得できないのなら、若手を育てるか、ヨソで戦力外になった人を活用するかしかありません。日本で「ニート」と呼ばれている人は他のOECD諸国の無業者に比べて高学歴であり、読解力や数的思考力に秀でているとの調査結果もあります(参考)。日本企業が求めるコミュニケーション能力には乏しくとも、逆に日本の会社が疎かにしてきた能力に長けている人は探せばいくらでも出てくることでしょう。後は育成や、適材適所の人材起用ができるかどうか、ですね。初めから何でもできるスーパーマンを揃えることができれば監督が無能でも勝てますが、いくら夢を見たところで意味はありませんから。

 

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そもそも恥ずかしい人が付けてるバッジだぞ

2015-09-13 12:07:27 | 社会

印象操作か? 拉致解決のブルーリボン TBSドラマで悪徳代議士に着用(産経新聞)

 8月31日放送のTBSドラマ「SP八剱貴志(やつるぎたかし)」で、北朝鮮による拉致被害者救出を祈るシンボルであるブルーリボンバッジを贈収賄事件で逮捕される政治家役につけていたことが3日、分かった。TBS広報部は「他意はなかった」と説明するが、被害者家族らは救出運動に対して悪印象を持たれかねないことを懸念し、改善を求めている。

 番組は警視庁を舞台にしたドラマ。その中で、便宜を図る見返りに業者から賄賂を振り込ませたして、逮捕される政治家の胸にブルーリボンバッジがつけられていた。

 「悪役」ととられかねない政治家に拉致問題解決を祈るシンボルであるバッジをつけさせる演出が問題だとして、東京都荒川区議の小坂英二氏は1日、TBSに抗議し、事実関係を確認。TBSの担当者から説明を受けたという小坂氏によると、番組の企画、制作はTBSとは別の制作会社が担当した。

 

 少し前にはこんなこともあったようで、まぁドラマの悪役が付けていれば良い印象は受けないのかも知れません。しかしドラマの外、つまりは現実世界ではどうなのでしょうね。レイシストや排外主義者、歴史修正主義者がブルーリボンを付けていることを、このドラマに抗議している人々は不名誉と感じないのでしょうか? 私としては、レイシストが好んで付けているバッジを見たら、そこに良い印象は持ちません。日本の恥を世界にさらしているような人々にはブルーリボンバッジを付けないで欲しいと、日頃からそう抗議しているのであれば今回の一件も筋が通るというものではありますが……

 その辺はさておき、フィクションの中では悪役と決まっている職業もあれば、まず悪くは描かれない立場というものもありますよね。政治家は悪役が指定席みたいなところで、まぁ「悪い政治家と戦う稀有な(良い)政治家」みたいなのが主人公になったりもしますが、一般的にはフィクションの中の政治家=悪です。だから議員が胸に付けているようなバッジ=悪役が付けるバッジになってしまうのは、致し方ないことなのかも知れません。反対に悪く描かれることがないのは自衛隊とかでしょうか。現実には不祥事も多々ありますけれど、フィクションの中では常に「善」のポジションで、この辺は悪役になったりヒーロー役になったりと芸の幅が広い警察官とは対照的だと感じます。

 なお拉致問題に関しては北朝鮮側が再調査するとかなんだとかありましたが、その後の展開はハッキリしませんね。まぁ、再調査で何も出てこなければ――元から北朝鮮側には「今さら」隠し立てすることもなかったわけで――この救う会の類は「北朝鮮が嘘を吐いている」と強弁するでしょうし、逆に何か新しい事実が見つかれば――北朝鮮側の管理体制を鑑みれば過去の調査で抜け漏れがあっても不思議ではありません――今度は「それ見ろ、やはり北朝鮮は嘘を吐いていたじゃないか」と、日本側が反応するであろうことは必至です。どっちの結果が出てきたとしても、大して変わりません。私が北朝鮮側の担当者だったら、あまり真面目に対応する気にはならないところです。まぁ、北の将軍様も「子や孫、そしてその先の世代の子どもたちに、謝罪を続ける宿命を背負わせてはなりません」ぐらいには思っていることでしょうから、何か言い繕っては来るかも知れませんけれど。

 

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低賃金で働く女性が増えてもねぇ

2015-09-09 23:38:50 | 雇用・経済

働く時間減少の矛盾 介護職の賃金を上げたけれど…配偶者控除の壁(産経新聞)

 深刻な介護職不足のなか、政府は介護職の処遇改善を目指し、賃金アップの旗を振る。しかし、非常勤の女性パートが多い訪問介護の現場では、時給を上げると、労働力が減るという不思議な現象が起きている。夫の「配偶者控除」に収まるよう、働き方を調整するためだ。制度の見直しを求める声も上がっている。(佐藤好美)

 

時給900円の求人に、なぜママが殺到したのか(東洋経済)

 この狙いは大当たりで、予想をはるかに超える反響があった。求人には、社会人経験のある子持ち主婦が殺到。アウトソーシング業界は人手不足で時給1400円でも人材が集まらないそうだが、今回時給900円で募集をかけたところ、なんと300人以上もの応募があったという。

 

 さて政財界は「女性と高齢者の活用」をしきりに語っているわけですが、実際のところどんな風に「活用」することを理想としているのか、その辺が明確に打ち出されていないと思います。中核的人材として将来的には経営の一端を担って欲しいのか、それとも「安価な労働力」として旧態依然たる人件費圧縮頼みの日本的経営を支えて欲しいのか、これはハッキリさせるべきでしょう。

 先月は「女性社長が男性従業員を蹴り殺す」なんてニュースもありました。やはり「男も女も大した違いはない」ものだと思います。会社で偉いのが男性ばかりであるからこそ、専らパワハラ、セクハラの加害者は男性が主でした。しかし会社で高い地位に就く女性が増えれば、女性がパワハラやセクハラの加害者になるケースは急速に増えていくことでしょう。世間が男性と女性に期待するものが異なろうと、結局は男も女も大した違いはありません。

 政治の世界にしても然り、サッチャーもメルケルも男性政治家よりもマシかと言えば、むしろ逆です。今まで男性が占有していた地位に女性が入っていけば何かが良くなるかと言えば、それは夢物語でしかないと思います。ただ単に、人手が不足すれば男性だけから募っている余裕はなくなる、女性だからとの理由で選考の対象から外してもいられなくなる、ぐらいですね。景気が本当に良くなれば、男性だけでは頭数が足りない、性別によって選り好みしてもいられない、その結果として女性にも活躍の機会が巡ってくる、それを結果論で「女性の活躍で経済成長」みたいに呼ぶのかも知れません。

 

「夢は専業主婦」と語るのはダメなことですか(東洋経済)

【ご相談】

この春、大学を卒業して専門商社に入社しました。先日、配属先の上司と面談があって、将来のキャリア目標について質問されたのですが、正直に「数年後には、専業主婦になって育児に専念したい」と言ったところ、すごくがっかりした顔をされた揚げ句、「育てる気がしなくなった」としかられてしまいました。

 

 さてこちらですが、ある意味で夢のある話です。今時、夫一人の稼ぎで妻子を養えるような甲斐性のある男性は希少ですし、男性側の結婚願望も薄まっている中でめでたく専業主婦の座に収まるというのは、今なお男性社会の会社の中で昇進を重ねていくことよりも難しい、よりレア度の高い挑戦と言えます。専業主婦になるのが難しい時代だからこそ、それを目指すのは「夢がある」と肯定的に評価してやっても……と思わないでもありません。

 なお私の勤務先の偉い人は「(女性社員に言及して)定年までウチで働くつもりでいられても困る」と語っていました。そりゃ、一般的な会社の本音はそうですよね。「(今時の)若者がすぐに辞めてしまって困る」と託ちつつ「もっと簡単に社員を解雇できるようにすべきだ」と訴えるのが日本の経営者というものです。要するに「会社の望む間は辞めて欲しくないが、不要になったら辞めさせたい、人を切るタイミングは会社が決めたい」わけです。

 上記引用の女性の場合も然り、会社の意図しないタイミングで寿退社されるようであっては困る、だから会社目線でしか物事の考えられない上司は彼女を叱ったのでしょう。しかし「本当に」定年まで働かれたら嫌だと、内心では思っていたはずです。若い間だけ、会社が必要な間だけは働いて欲しいが、トウが立ったら退社して欲しい、そしてまた若い子に入れ替えたいと、そう願っているものです。しかし、辞めるタイミングを社員の側で決められるのは許せない、だから「育てる気がしなくなった」と。

 生き方なんて本人の自由ですが、いずれは会社から切り捨てられるのに大層なキャリア目標を掲げることが求められるのもまた嫌な話です。会社の若い人が全員、会社に掲げさせられた目標の通りに昇進を重ねていったら瞬く間に「管理職の数>ヒラ社員の数」となってしまいそうなもの、ならば初めから「ほどほどに働いたら退職します」ぐらいの人の存在も調整弁として尊重されても良さそうに思います。しかるにキャリアを描かせておきながら梯子を外すのもまた日本的経営です。とりわけ冒頭に引用した事例を見るに、日本の会社は女性に何を求めているのか――それを理解しているなら会社に勤め続ける以外の選択肢を公言した人の方が、まだしも現状を理解しているのかも知れません。

 

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まねできることと、まねできないこと

2015-09-06 12:54:40 | 社会

 佐野研二郎氏の事務所は「クリエイトする空気」ではなく「コピペする空気」が漂っている――と、マンガ家の江川達也氏は宣いました。これが諸々のパクリ疑惑が浮上する前であれば慧眼なのでしょうけれど、大勢が決まった後の段階になっての発言なものですから、むしろ逆に江川氏が冷ややかな視線を向けられていたりもするようです。今になってからそういうことを言っても、世間に追従しているだけにしか見えませんからねぇ。

 それはさておき、"元"2020年東京五輪公式エンブレムのデザイナーである佐野研二郎氏、使用中止が正式に決まったエンブレム以外にも、探してみれば剽窃と疑われる代物が次から次へと見つかったものですから、大いに叩かれてもいるわけです。こうした中の一つが上述の江川氏ですが、まぁ個人で名声を得ている類のデザイナーなんて、そういうものなのかも知れません。(オリンピック絡みで言えば「おもてなし制服」とかも、昭和のお笑い芸人みたいな印象で恥ずかしいなぁと思ったりしますが、近年はWindowsのメトロUIのようにレトロ調が流行だから仕方がないのでしょうか。)

 ともあれ佐野研二郎氏(事務所含む)のデザインには倒錯の疑いを向けられても仕方が無いような代物が目立つわけです。だから、「コピペする空気」云々とも言われるのでしょう。とはいえ、コピペは誰にでもできることですけれど、佐野氏のように社会的に成功したデザイナーの座に収まるのは、決して誰にでもできることではないはずです。真似できることもあれば、真似できないこともあるのです。

 この佐野氏と似たような形で時の人となった小保方晴子氏の場合はどうでしょう。確かに実験結果を捏造して画期的な発見をしたと喧伝することは、誰にだって可能かも知れません。しかし、小保方氏のように理研に就職して、若くしてユニットリーダーという地位を手にすることができるかと言えば、それは極めて難しいことです。論文不正は誰にでもできますが、理研のユニットリーダーは誰でもなれるわけではありません。論文の作法を理解していないのに理研のユニットリーダーに就けるってのは、ある種の領域において小保方氏が有能だったからでしょう。

 会社の経営を傾かせることは簡単ですが、誰でも社長や役員にはなれません。しかし世の中には会社の業績を深刻に悪化させ顧客を流出させてもなお、他社から新社長として招聘される「プロ経営者」と呼ばれるような人だっています。その手の人の何が凄いのか――経営手腕の面で劣っていることは実績から明らかであるにも関わらず、それでもなお経営を任せたいと考える会社が絶えないとしたら、それは「経営能力とは別の何か」において秀でているからとしか言い様がありません。

 そこでまぁ私が前々から提唱しているのが「出世力」あるいは「昇進力」などの「世に出る力」ですね。本当にオリジナリティのある優れたデザインを創り出す能力を持っているかどうかよりも、まずは何より「出世力」です。有名デザイナーとして自らを飾り立て、審査員と仲良くなってお互いの権威を守り合うサークルに入るには、純粋にデザインの能力だけでは足りないのだと思います。まず先に問われるものがあって、それに秀でているのが佐野氏である、と。佐野氏よりも良いデザインができる人は多いかも知れませんが、佐野氏のような地位を得られる人は、そう滅多にいるものではないでしょう。

 デザイナーとしての資質はさておき、ある意味で佐野氏は有能なのです。私の勤務先の部門長だって、あれだけ会社の業績がガタガタに落ちているのに自身の責任問題には微塵も発展させないどころか社長からの揺るぎない信頼を勝ち得ている辺り、それはそれで凄いと思いますね。私が部門長と同じ立場だったら、業績悪化の責任を問われて左遷させられているに違いありません。己の地位や権威を保つ能力において私と部門長はまさに雲泥の差があるな、と。ともあれ、佐野氏にせよ小保方氏にせよプロ経営者諸氏にせよ「我々の社会で評価の基準となっている何か」において高度なものを有しているからこそ地位や名声を得ているわけです。この評価基準が適切であるかは、読者諸氏の判断に任せますが。

 

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サイコパスでも立派な地位には就けます

2015-09-02 22:24:08 | 雇用・経済

パワハラで部下追い込み休養与えず 1等陸佐を懲戒処分(朝日新聞)

 陸上幕僚監部(東京都新宿区)は26日、精神的に追い込まれて長期の休養が必要だと診断された部下に休暇を与えず勤務させ続けたなどとして、1等陸佐(44)を停職5日の懲戒処分にしたと発表した。

 陸幕などによると、この1佐は約10人の部下がいたが、昨春の着任後、連日のように「バカ、ボケ」「目障りだ」などとののしったり机をけったりしていた。今年3月と5月、計2人が精神的に治療が必要だと申し出て、うち1人は「1カ月の休養が必要」とする診断書を出したが、1佐はいずれも上司にあたる別の1佐(46)に報告せず、2人に勤務を続けさせていた。

 また、定期的なアンケートで問題を知りながら指導を怠っていたとして、この上司も戒告処分とした。

 

 1等陸佐と言ったら陸士、陸曹、陸尉、2等3等の陸佐を従える相当に偉い人なわけです。これより上の階級となると将軍様ですから、停職5日の懲戒処分を食らった人も相当なエリートであると思われますが、自衛隊的には地位に相応しい人物という評価だったのでしょうかね。まぁ、部下2人を精神的に治療が必要な状態に追い込んでもなお停職5日で許されている辺り、やはり自衛隊内部では必要とされている人間なのだと推測されます。尚この報道ですと「精神的に追い込んだこと」ではなく「勤務させ続けたこと」の方が問題視されているように見えるのですけれど、自衛隊的には前者はあまり問題ではない!?

 「強さとは我儘を押し通す力」だと、あるマンガのキャラクターが言っていました。実際のところ自衛隊に限らず日本の組織における類もまた然りで、「リーダーシップとは我儘を押し通す力」と言えるでしょうか。部下や同僚を恫喝して自分の言うことに従わせる能力が高い人、マウンティングに熱心な人は、大体の組織において「コイツに部下を率いさせてみたい」と選ぶ側の人間に思わせるもののようです(この辺は選挙でも似たようなところがありますかね)。

 まぁ、自衛隊の偉い人や職場の上司に限らず、首長や大臣クラスでも暴言を吐くことで喝采を浴びて支持を集めているような類はいくらでもいます。そういう人を肯定的に評価するのが、我々の社会なのです。人前で他人を罵倒して責任を押しつけるぐらいのことができないと、なかなか出世を重ねることなどできないのでしょう。非がない相手でも負かしてしまうような、無理を通す力が改革者として求められているのだと思います。

 過去には女性よりも男性から寄せられたDVに関する相談件数が多かったなんてことがありまして、早とちりしたミソジニスト連中がアレコレ騒ぎ立てたなんてこともあったわけです。しかるに、その相談内容はと言えば「妻を殴ってしまうのを止めたい」という類が専らであったとか。自制心の欠如という病に自覚がある人も多いのでしょう。ちょっと打たれ出すとすぐに冷静さを失ってしまうことに悩んで精神科のカウンセリングを受けていたという野球選手もいました。この種の「治療されるべきもの」もまた、あると言うことです。

 ……で、日本的な組織で必要とされている云々はさておき「どっちが病気か」と聞かれれば、「長期の休養が必要だと診断された部下」よりも、日常的に人を罵ったり机を蹴り飛ばすような上司の方だと答えます。それは確かに社会で認められるため、偉くなるために必要な資質ではあったかも知れませんが、人間として正常ではありませんよ、と。

 とはいえ、誰かを罵倒せずにはいられないですとか、机や椅子を蹴り飛ばす程度のことでサイコパスと診断していたら、要職や有望株が軒並み空席になってしまう組織も少なくないでしょう(それはそれで仕事の効率が上がりそうではありますけれど)。現代は、鈍くさいとか人付き合いが悪いとか気が利かないとか、そういう類も一種の障害のカテゴリに組み込まれつつあるようですが、障害として扱われるか否かは社会的要請に大きく左右されるのだなと思います。社会の求める資質が違えば、この1等陸佐(44)が障害者として時給200円で働かされていたなんて可能性もあり得たはず、そうならないどころか高い地位に就いていたのは、部下を追い込むような能力が必要とされている組織あるいは社会であったから、ですね。

 

 ←ノーモア・コイズミ!

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