非国民通信

ノーモア・コイズミ

ダメな人でも偉くなれます

2018-04-29 22:15:48 | 政治・国際

 さて世間では財務省の偉い人のセクハラが結構な問題にもなっているわけです。元より日本の政界では政策面の誤りは許されても金銭問題と女性問題は命取りと相場が決まっています。どうしても与党筋の問題の方が世間の注目が高くなる一方、新潟では野党系の知事がひっそりと女性問題で辞職しました。政策的な誤りの方が国民の生活への影響は遙かに甚大ですが、「個人的にオイシイ思いをする」ことをこそ我々の社会は許さないのです。

 どこも対立勢力に攻撃材料など与えたがっているはずもなく、閣僚や高官への起用ともなれば当然「身辺調査」は行われているはず、無用なスキャンダルを抱えていないであろう人を選んでいると考えられます。しかし、週刊誌がその気になりさえすれば速やかに問題が見つかるのも事実です。果たして週刊誌記者の調査能力が秀でているのか、それとも「人事権を持った人」の目がことごとく節穴であるのか――皆様はどっちだと思いますか?

 まぁ政党や官僚の世界は知りませんけれど、民間企業だったら「明らかにヤバい奴」が普通に出世していたりするわけです。部下や同僚から見れば問題だらけの人物であっても、不思議と「人事権を持った人」の目には欠陥が見えない、そういうものなのでしょう。かくして機能しない組織が作られる、仕事の出来ない人やパワハラが習慣の人に権力が与えられるものです。これぞ「民間なら当たり前」のことと言えますが、霞ヶ関と民間企業の差はどれほどでしょうね。

 第三者を一目で呆れさせるセクハラおじさんを昇進させたのが財務省でありますが、「コイツの存在が知れたら赤っ恥」とは考えられなかったのかどうか――やはり「人事権を持った人」は普通の人とは目の付け所が違うようです。振り返れば男性ばかりの理系の世界でも、若くして理化学研究所のユニットリーダーに上り詰めた女性がいました。「リケジョの星」などと讃えられた彼女は――不正が発覚して失脚、利権の権威を貶めるのに大いに貢献しました。やはり理研でも「人事権を持った人」は目の付け所が違ったのだと思います。

 もっとも偉い人に限らず組織における人間間の「信頼」は大いに怪しいものだな、と感じないでもありません。例えば私の勤務先の場合、非公開の社内情報は速やかに井戸端会議を通じて拡散されるのが常です。発令前の人事情報は元より幹部限りのはずの通知事項も秘密裏に進められているはずのプロジェクトも、常に公開前に知れ渡っていたりします。誰かが情報をリークして、それを聞いた人は「ここだけの話」とオトモダチに披露する、そこからさらに先のオトモダチへと機密は伝達され、日数を要することなく全社に知れ渡る、至って普通の日常です。

 よく新聞には「ある与党議員によると」「ある○○省高官によると」云々と、出所不明な情報が踊っています。内部告発なら別として、安易に内部情報を漏らすような輩は人間的に信用できませんけれど、そういう人も多いのでしょう。どこもかしこも、口というより頭の緩い人でいっぱいです。だからこそ格好の取材源にもなる、女性記者と一緒に食事でもさせてやれば尚更のこと倫理意識も緩んでネタを吐き出してくれるだろうと、そう受け止められてきたフシもありそうですね。しかるに「ここだけの話」は必ずしも「ここだけ」では終わらないものです。

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今の人より良い人なら

2018-04-22 22:42:02 | 政治・国際

岸田派の政策、リベラル色前面に 安倍政権との違い強調(朝日新聞)

 自民党の岸田文雄政調会長が率いる岸田派(47人)は18日、東京都内のホテルで政治資金パーティーを開き、派閥としての政策骨子を発表した。「トップダウンからボトムアップへ」「多様性を尊重する社会へ」など、リベラル色を前面に掲げ、安倍政権との違いを強調した。

 政策骨子では、「権力に対するチェック・アンド・バランスを確保する」とうたい、ボトムアップの政治の実現を掲げた。「大企業・中央偏重から、中小企業・地方が主役」の経済政策も主張し、安倍政権の政権運営のあり方や「アベノミクス」からの転換の必要性をにじませた。

(中略)

自民党岸田派の政策骨子

・権力に対するチェック・アンド・バランスを確保する
・中小企業、地方が主役のボトムアップ型経済を実現する
・自律した個人、個性、多様性を尊重する社会へ
・持続可能な経済、財政、社会保障を実現する
・平和憲法、日米同盟、自衛隊の3本柱で平和を創る

 

 日本代表監督を解任されたハリルホジッチ氏が来日しているそうです。W杯出場権獲得後の不甲斐ない戦績には批判の声も強まるばかりだった同氏ですが、さりとて今のタイミングでの解任を肯定的に捉える人、西野新監督への交代でチーム状況が上向くと考えている人は、そこまで多くないようにも見えます。

 一方で国内の諸問題で野党にアレコレ責め立てられている安倍内閣はいかがでしょうか。ダメなものはダメですが――では政権交代すれば良い、別の首相ならもっと良くなると、そう考えている人がどれくらいいるのかは興味深いところです。批判の声が、「代わりうる人」への支持の声とは限りませんから。

 さて自民党内で「ポスト安倍」の有力候補の一人と位置づけられている岸田氏のグループが「政策骨子」を発表したそうです。引用元では「リベラル色前面に」とのことですけれど、日本にはリベラルと呼ばれつつネオの付くリベラルな人たちが数多います。果たして岸田派の「リベラル」とは? そもそもレイシストに毛嫌いされていれば誰でもリベラルと呼ばれる時代です。この「他称」ほどアテにならないものはありません。

 岸田派の政策骨子の中には、聞こえの良さそうなものもあります。しかし経済政策面では民主党政権時代への回帰、旧態依然たる構造改革路線への回帰を思わせるものがないでもありません。ブルジョワ新聞の言うように「安倍政権との違い強調」すればするほど、ですね。

 第二次安倍内閣の登場で第一に評価できるのは、ゼンショーに代表されるブラック企業を苦境に陥らせたことでしょうか。例によってブルジョワ新聞などでは「アベノミクスのせいで人件費が上がって中小企業が苦しんでいる!」と批判的に伝えられてきたものですが、しかし真っ当な賃上げを出来ない収益性の低い企業は社会の寄生虫でしかありません。従業員を低賃金で酷使することでしか延命できない企業を放逐することは、労働者の幸福のためです。

 東京一極集中もいい加減に限界ですから「地方が主役」は、わからないでもありません。しかし「中小企業が主役」ともなるとどうでしょう。労働関係の規制を緩和し、人件費を圧縮することでしか利益を生み出せない企業を栄えさせた橋本龍太郎や小泉純一郎の「改革」を思い出させます。政治の介入によって競争力のない中小企業を延命させることがどこまで望ましいのか、その辺は疑問です。

 そして「持続可能な経済」云々。これを語る人の99%は「反成長派」だったりしますが岸田氏はどうなのでしょう。90年代後半から第二次安倍政権誕生前までの、日本の「成長しない」経済が世界に例を見ない異端児であったことは、議論の余地がありません。それが安倍内閣下で幾分か正常化してきたわけですが、そこに「違いを強調」されるようだと、やはり退行路線かと思えてきます。

 そもそも「経済」に続いて「財政」が出てくるのが怪しい。またもや民主党時代の財務省ベッタリに逆戻りかと懸念されるところです。続く「社会保障」もまた「持続可能な」が頭に付くとニュアンスも変わってくるのではないでしょうか。「持続可能な」ものにするためと称して(財務省の描いたままに)社会保障を縮小する、そうした悪夢のシナリオを想像させてくれます。「持続可能な」と社会保障に留保を付ける、そこにリベラル色はあるのやら。

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誤解じゃない可能性も考えられる

2018-04-15 23:46:26 | 雇用・経済

大人の喫煙率、中学生が実際より高く誤解…「男性6割、女性4割」と(読売新聞)

 中学生は、大人の男性の6割、女性の4割が喫煙者だと誤解しているとの調査結果を、静岡市保健所の加治正行所長がまとめた。実際の成人喫煙率より2~4倍多い。コンビニや自動販売機でたばこを目にする機会が多いことなどが、勘違いを招いているのではないかという。福岡市で20日から始まる日本小児科学会で発表する。

 実際の喫煙率は、日本たばこ産業(JT)の昨年の調査によると男性28・2%、女性9・0%(全体で18・2%)。加治所長は昨年、市内の中学校7校でアンケートを実施。1、2年生の男女1160人から回答を得た。

 「大人の何%がたばこを吸っていると思うか」との質問に10~90%の間で10%刻みで回答を求めた。男子生徒は平均で男性60・2%、女性42・2%、女子生徒は男性61・3%、女性43・1%と答えた。

 男性の90%が吸っていると回答した生徒も男子で32人、女子で13人いた。また、「将来たばこを吸いたい」と考えている生徒ほど、大人の喫煙率を高く推測する傾向があった。

 加治所長は「8割以上の大人はたばこを吸わないことを教えるとともに、たばこが子どもの目に触れないようにすることが重要だ」と指摘している。

 

 この頃は歩きタバコをする人を目にしない日がないな、と感じています。一時は厳しく取り締まりが行われたせいか見かけることの減った時期もあったわけですが、どうにも撲滅に失敗してしまったようで風疹のように一部で広まっている印象です。その辺は私の実体験であって統計に基づくものではありませんけれど、実際の件数としてはどうなのでしょう。

 さて静岡市の保健所の調査によると、「中学生は、大人の男性の6割、女性の4割が喫煙者だと誤解している」そうです。「日本たばこ産業(JT)の昨年の調査によると男性28・2%、女性9・0%」とも引用元では伝えられていますが、確かに「全国の喫煙率」と比べると、調査対象になった中学生の回答は実態と大きくかけ離れていますね。

 もっとも、アンケートに回答したのは「市内の中学校7校」の「1、2年生の男女1160人」だそうです。「日本全国の中学生が」大人の男性の6割、女性の4割が喫煙者だと誤解しているのか、それとも「静岡市内の中学生1160人」が誤解しているのか、前者と後者では話が違ってきます。個人ブロガーの与太話ならいざ知らず、公的機関が予算を付けて調査し、それを大新聞社が報じるのなら、その辺も突っ込んで欲しいところです。

 「コンビニや自動販売機でたばこを目にする機会が多いことなどが、勘違いを招いているのではないか」という推測が報じられてもいますけれど、私であれば「周りに喫煙者が多いからではないか」とも考えます。自身の属するコミュニティー次第で周囲の喫煙率は大きく変わるもの、そして周りの大人が喫煙者ばかりなら「大人の男性の6割、女性の4割が喫煙者だと」判断するのも自然なことですから。

 実際のところ、私の勤務先であれば「男性の6割、女性の4割」程度は喫煙者です。以前の勤務先でも、そんなに変わらないはずです。もっとも中途で入社できる会社と、新卒でしか入れないような会社とでは事情が異なるのかも知れません。あるいは学校教師でも、校長が喫煙者の場合は教員全般の喫煙率が上がり、そうでない場合は下がるという報告を目にしたこともあります。「愛煙家」の校長の理解の下、教師が人目を憚らずタバコを吹かす、そんな学校の生徒が「大人の男性の6割、女性の4割が喫煙者」と考えるのは誤解でも何でもないでしょう。

 昔ほどではありませんが、野球選手には喫煙者が目立ちました。聞くところによると少年時代の野球の監督が喫煙者だったから、自然と自分もタバコを吸うようになった人が多いとか。とにもかくにも「周りの大人」の影響力は大きそうです。では「子を持つ親」の喫煙率はどうなのでしょう。喫煙者世帯と非喫煙者世帯、どちらが子だくさんなのか――この辺の統計は見つけることが出来ませんでしたが、誰か知っていたら教えてください。

 まぁ純然たる感覚論になりますが、若い頃からタバコを欠かせないヤンキー層は早婚多産な一方で、そうでない人と二極化しているところはあるのではないでしょうか。あるいは「(喫煙など)子供に悪いこと」を徹底して避けようとする神経質な人ほど子供を持つことのハードルを高くしがちなフシもあると思います。日本全国の喫煙率は18・2%でも、今回のアンケート対象になった子供達の周りの大人の喫煙率は、もう少し高いんじゃないかという気がしますね。

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神風は北から吹くか

2018-04-08 21:42:27 | 政治・国際

河野外相、米研究グループに反論 北朝鮮の核実験兆候(朝日新聞)

 河野太郎外相は3日の閣議後会見で、北朝鮮の新たな核実験に向けた兆候について「公開されている情報を見る限り、実験場を含む核関連施設での活動が続いている」と改めて訴えた。米ジョンズ・ホプキンス大の北朝鮮研究グループ「38ノース」の指摘に対し、反論したものだ。

 河野氏は先月31日の講演で、「北朝鮮の核関連施設の周辺での動きがいまだに続いているのは、かなりはっきりしている」と指摘。さらに「核実験の実験場でトンネルから土を運び出し、次の核実験の用意を一生懸命やっているのも見える」と語った。

 これに対し、38ノースは今月2日、ホームページで「北朝鮮が次の核実験を準備しているとの日本外相の発言は衛星画像とは異なる」と指摘。「3月23日の画像は過去数カ月と比較して実験場での活動が著しく減少している」として、差し迫った新たな核実験の兆候は見当たらないとの考えを示していた。

 

 先般は韓国が北朝鮮と交渉して金正恩を対話のテーブルに引っ張ってきたわけですが、この成果に対して最もネガティブな反応を見せているのは、どうも我らが日本政府のようです。あのトランプですら、プロレスの対戦相手と話し合いをする用意を見せつつある一方、日本だけが蚊帳の外と言いますか、「それもこれも圧力が奏功したのだ」と強弁するのが関の山、挙げ句の果てに出てきたのが一連の河野外相発言です……

 偉大な父親の陰を払拭することに躍起になっているのか反動的な発言の目立つ河野"太郎"外相ですけれど、国内の特定層からの支持こそあれ、その言動は国際的なコンセンサスからは著しく乖離したものであることが多いように思います。昨今の北朝鮮を巡る発言もまた然りで、河野氏自身の個人的な願望を投影するような主張はアメリカの研究グループからもキッパリと根拠を否定されているわけです。

 まぁ、人は事実ではなく信念に沿ってこそ動くものです。政治家ともなれば尚更のこと、利益よりも理想を追う傾向は強いでしょう。だからこそ、研究者の冷めた目には映らないものが、河野氏の目にはハッキリと見えているのだと思います。「北朝鮮が次の核実験を準備しているとの日本外相の発言は衛星画像とは異なる」と指摘されたところで、人の信仰は揺るぎません。画像に見えていなくとも、そこに(己の望むものが)隠されていると確信を深めるだけです。

 何はともあれ対話に舵を切ろうとする国際社会に、日本は背を向けようとしている節がありますけれど、いかがなものでしょうか。確かに「日本国」はともかく、「日本政府」ならば、北朝鮮とは対話ではなくプロレスを継続していた方が好都合なのかも知れません。何しろ対外的には平和な分だけ、野党の追求も国民の関心も国内問題に集中するばかり、格好の攻撃材料をプレゼントしている政府与党にとっては、望ましくない状況に違いないですから。

 今は副総理の座に納まっている昔の外相は、かつての北朝鮮ミサイル実験を受けて「金正日に感謝しないといけないな」と述べました。北のミサイルは今も昔も、(日本)国内の問題を吹き飛ばす威力があります。日本近海に北の国から粗大ゴミが打ち込まれれば、メディアや国会を賑わす一連の国内不祥事や疑惑は、瞬く間に脇へ追いやられてしまうことでしょう。窮地に陥った日本「政府」を救えるのは、金正恩です。河野外相の意固地な態度には、北朝鮮への公言できない願望が透けて見えないでもありませんね。

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「是正した」なら使ってもいい

2018-04-01 22:21:17 | 雇用・経済

東京労働局長が撤回 報道各社に「是正勧告してもいい」(朝日新聞)

 裁量労働制を違法適用していた野村不動産の宮嶋誠一社長を昨年末に呼んで特別指導をした厚生労働省東京労働局の勝田(かつだ)智明局長が30日の定例記者会見で、出席した新聞・テレビ各社の記者団に対し、「なんなら、皆さんのところ(に)行って是正勧告してあげてもいいんだけど」と述べた。企業を取り締まる労働行政の責任者が監督指導の権限をちらつかせて報道機関を牽制(けんせい)したととられかねない発言だ。

(中略)

 発言の真意をただした記者に対し、勝田氏は「多くのマスコミでも、違反がないわけではないんでね」「みなさんの会社も労働条件に関して、決して真っ白ではないでしょう」などと言及。テレビ局を例に挙げ、「長時間労働という問題で様々な指導をやってきています。逐一公表していませんけど」とも述べた。

(中略)

 東京労働局管内では近年、朝日新聞社や日本経済新聞社、TBSが違法な長時間労働で是正勧告を受けた。記者が過労死したNHKも指導を受けている。

 

 さて一方の当事者であるブルジョワ新聞社によれば、「労働行政の責任者が監督指導の権限をちらつかせて報道機関を牽制した」とのことですが、どうしたものでしょう。実際問題、新聞社もまた違法な長時間労働が常態化している業界であり、「その気になれば」厚労省が勧告できる条件は整っている、過去にも勧告を受けた実績があるわけです。本当に清廉潔白なら脅しなんかは通用しないのでしょうけれど、脅しが成り立つ実態があるからこそ、この労働局の発言が重みを持ってくるとも言えます。

 まぁ、日本の労働環境は必ずしも行政の不作為だけで作られたものではありません。改革の名の下に自由を保障された経営者達だけではなく、意識の高いブラック世論によっても現在の形は作られてきたように思います。新聞社の労働環境は労働局による勧告が成り立つ水準が当たり前なのかも知れませんが、では是正勧告を受ける必要がない「ホワイトな」労務環境だったなら――不当に利益をむさぼる害虫として世間の憎悪を集めるのは、公務員以上にマスコミ関係者であったことでしょう。

 ともあれ今回の労働局局長の発言を非難するのも理解できないではありませんが、一方では「勧告を受ける謂われはない」と断言できるように自社の労働環境を法に適ったものにするよう努めることも、求められてしかるべきと思います。もちろんブルジョワ新聞の意識高い記者ともなれば何事も経営者目線でしか考えられないのかも知れませんけれど、いたずらに天下国家を語るよりもまず自分の周りの労働環境を考えることも大事ですよね?

 むしろ労働局側が責められるとしたら、権限をちらつかせたことではなく、過去に是正勧告をしたはずの事業者が今なお「違反がないわけではない」「労働条件に関して、決して真っ白ではない」ことではないでしょうか。朝日新聞社や日本経済新聞社、TBSが違法な長時間労働で過去に是正勧告を受けたと伝えられていますが、それにもかかわらず現在でも「違反がないわけではない」「労働条件に関して、決して真っ白ではない」のなら、労働局の是正勧告が実効性を伴っていないことを示すものだと言うほかありません。

 そもそも労働局たるもの、そこら辺の事務所や居酒屋で「勧告する」「指導する」と大口を叩いて仲間と心をなぐさめあっているような負け犬どもとはわけが違う存在でなければなりません。「是正する」と心の中で思ったなら、そのとき既に行動は終わっているべきでしょう。「是正勧告してもいい」そんな言葉を使う必要などないのです。「是正した」なら使ってもいいですが。

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