経済なんでも研究会

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想像を絶する 不動産不況 / 中国 (上)

2023-08-17 08:32:15 | 中国
◇ 主要な経済指標がいっせいに悪化 = 中国統計局は15日、7月の主要経済指標を発表した。それによると、鉱工業生産は前年比3.7%の増加で、6月の4.4%増加から悪化。小売り売上高は2.5%の増加で、6月の3.1%増加から悪化。固定資産投資額も1-7月は3.4%増加で、1-6月の3.8%増加から悪化。また失業率も5.3%で、前月より0.1ポイント悪化した。こうした経済の不振は、想像を絶する不動産不況が主たる原因。たとえば不動産の投資額は17か月連続で、販売額は25か月連続で減少した。

とにかくマンションなど住宅が売れず、価格がどんどん下落している。統計局の発表によると、新築住宅の販売面積は22年中に26.8%減少したあと、ことし1-6月も2.8%減少した。この結果、7月の新築住宅の販売価格は主要70都市のうち49都市で下落した。特に地方の中小都市では売れず、なかにはマンションの1戸を買ったら、もう1戸がおまけという例まであるという。「住宅価格は上がり続ける」という神話は、完全に崩壊してしまった。

日本のテレビ・ニュースでも、高層マンションが林立しながら無人の街となった地方都市の風景がよく映し出された。そこで思い出されるのが、経営不振に陥った不動産最大手の恒大集団だ。その恒大が発表したところによると、22-23年の2年間で最終赤字は5800億元(約11兆2000億円)になる見通し。加えてやはり最大手の不動産会社である碧桂園が、ことし1-6月に500億元の赤字を出したと発表した。

不動産会社の従業員は、昨年だけで10万人が解雇された。そして住宅の売れ行きが悪くなると、自動車や家具、家電などの消費も減退する。それがいま生産や小売り売上高、雇用などの経済統計を、いっせいに悪化させる結果となって現われているわけだ。しかも不動産不況は地方政府の財政を圧迫、財政面からの対策を打ち出す余裕すらなくなってしまった。事態はきわめて深刻である。

                      (続きは明日)

        ≪16日の日経平均 = 下げ -472.07円≫

        ≪17日の日経平均は? 予想 = 下げ≫

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