経済なんでも研究会

激動する経済を斬新な視点で斬るブログ。学生さんの就職準備に最適、若手の営業マンが読めば、周囲の人と差が付きます。

今週のポイント

2021-05-31 07:35:12 | 株価
◇ インフレ懸念が縮小して株高 = ダウ平均は先週322ドルの値上がり。終り値は2週間ぶりに3万4500ドル台に乗せた。雇用の改善が予想を下回り、FRBによる緩和政策の修正が遠のいたという観測。それにも増して株価を押し上げる材料となったのは、やはりコロナの鎮静化で景気の先行き見通しが好転していること。それに伴うインフレの心配は、それほど大きくないという見方さえ広まって、投資家を安心させた。

日経平均も先週は832円の値上がり。終り値はこちらも2週間ぶりに2万9000円台に乗せた。東京・大阪などに発令中の緊急事態宣言が再延長されるなど、コロナの状況はいぜん芳しくない。企業業績の先行き見通しも、慎重になっている。にもかかわらず続伸したのは、ニューヨークの活況に引きずられたため。形のうえでは、3万円の大台回復を目指すところまできた。

アメリカ経済の先行きは、明るさを増している。したがってダウ平均が史上最高値を更新する可能性は、決して小さくない。しかし高値警戒も強まっており、一気に上昇というわけにはいかないだろう。ダウが足踏みすれば、日経平均も足取りは重くなる。今週はニューヨーク市場でさらにバブル・モードが高まるか、それとも利益確定売りが強まるか。そこが焦点になるだろう。

今週は31日に、4月の鉱工業生産と商業動態統計、5月の消費動向調査と住宅着工戸数。1日に、1-3月期の法人企業統計と5月の新車販売。4日に、4月の家計調査。アメリカでは1日に、5月のISM製造業景況指数。3日に、5月の非製造業景況指数。4日に、5月の雇用統計。また中国が31日に、5月の製造業と非製造業のPMIを発表する。

       ≪31日の日経平均は? 予想 = 下げ≫
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死者が語る コロナ肺炎の危険度 (63)

2021-05-29 07:55:43 | なし
◇ 効果てきめんのワクチン接種 = ワクチン接種の効果が、はっきりと表れてきた。世界の感染者数は1億6842万人、前週比で350万人の増加。死亡者数は347万8557人、8万0575人の増加だった。感染者、死亡者ともに、4週間連続で縮小している。死亡者数でみると、アメリカはこの1週間で4000人の増加。ブラジルやインドは高水準のまま横ばいだが、ヨーロッパの主要国は明白に減少した。

優等生のイギリスは、この1週間の死亡者が54人に減少している。イタリアやフランス、スペインの死亡者も、1週間の増加数は1000人を割った。ドイツはまだ1000人強だが、目に見えて改善している。このため、これらの国では段階的に規制が解除されており、大半の地域で店舗外の営業が解禁され、博物館や美術館も正常化された。

NHKの集計によると、1回以上のワクチン接種者が人口に占める割合は、イギリスが56%、アメリカが49%。またドイツが42%、スペインが37%、フランスが35%などとなっている。アメリカやヨーロッパ諸国で接種が進み、その効果が確実に現われてきたと言えるだろう。ヨーロッパの状態が改善されていることから、為替の面でもユーロ相場が大幅に上昇している。

日本の状況は、まだ夜明け前。感染者数は累計73万5498人。前週より2万9563人増えた。死亡者は1万2759人で、前週比681人の増加。感染者、死亡者とも7週間ぶりに縮小はしたが、まだ減り方は鈍い。このため政府は東京・大阪などに発令されている緊急事態宣言を6月20日まで延長した。いま日本のワクチン接種率は6%程度。あと3週間で、接種率をどこまで高められるかが勝負となってくる。

       ≪28日の日経平均 = 上げ +600.40円≫

       【今週の日経平均予想 = 4勝1敗】     
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ケータイ値下がり ・・・ 喜ばない日銀

2021-05-28 07:36:38 | 物価
◇ 1年で6割も安くなった不思議 = 総務省は25日、世界6都市の携帯電話料金を比較する形で発表した。ことし3月時点の調査。データ容量が20ギガ・バイトの場合、東京は月2973円。デュッセルドルフ、ニューヨーク、ソウル、パリより安く、6都市のなかではロンドンに次いで下から2番目だった。昨年は8175円だったので、1年で6割以上も値下がりしたことになる。消費者にとっては、嬉しいニュースだったに違いない。

携帯電話料金の値下げは、菅首相が総務相時代から追求してきた目標。だから首相の功績だと言っていい。しかし、それにしても予想以上に値下がりした。最近にない快挙だと言えるだろう。もっと他にも値下げできるものはないのか。各閣僚は目を皿にして、次の目標を見付け出してもらいたいものだ。

携帯電話の大幅な値下がりは、消費者物価の引き下げにも貢献する。国民はみな喜んでいるが、なかで苦い顔をしているのは日銀の黒田総裁だろう。というのも、日銀が目標としている“物価の2%上昇”がますます遠のいてしまうからだ。ここで大いなる疑問は、国民が望まない物価の上昇を、なぜ日銀は目指すのかということ。

物価が2%ほど上昇するような景気の回復。これを待望するのは判る。しかし、それを金融政策の目標として掲げるのは、いかがなものか。ゼロ金利政策によって、国民が失った利子収入の大きさは計りしれない。その結果、消費が伸び悩み景気が回復しない。経済学者はいまこそ、ゼロ金利政策の功罪を厳しく論ずべきではないのか。ケータイ料金から、こんなことまで考えてしまった。

       ≪27日の日経平均 = 下げ -93.18円≫

       ≪28日の日経平均は? 予想 = 上げ≫
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電力供給が ピンチ : 7-8月

2021-05-27 07:24:46 | エネルギー
◇ 石炭火力発電所の休廃止で = 「ことしの夏は、電力需給がひっ迫する」--経済産業省が正式に見通しを発表した。それによると、電力の需給にどれだけ余裕があるかを示す予備率は、北海道と沖縄を除き7月は3.7%、8月は3.8%に落ち込む。安定的な電力の供給には最低3%の予備率が必要だから、ギリギリの水準にまで低下することになる。最大の原因は、多くの電力会社が非効率な火力発電設備を休廃止しつつあることだ。

経産省によると、沖縄を除く火力発電能力は20年度が1億2000万㌔㍗。それが21年度には、877万㌔㍗減少して1億1123万㌔㍗になる。原発8基分にも相当するから、かなりの削減だ。電力各社は旧式の火力発電は効率が悪くコスト高なこと、加えて二酸化炭素の排出量が多く国際的に批判されていることから、休廃止に踏み切っている。

経産省は今月中に対応策を作成するという。だが効果のある対策を考えられるのだろうか。原発の稼働は増えない。太陽光や風力などの再生可能エネルギーは伸び悩み。従来ならば手っ取り早い火力発電に頼ったろうが、今回はそうもいかない。というのも。つい最近のG7(主要7か国)環境相会議で、日本は「30年度までに非効率な火力発電の9割を廃棄する」と公約したばかりだからだ。

考えられる対策は、電力各社が情報を共有して融通できる体制を強化することぐらい。あとは消費者に節電をお願することになるのだろう。日本がこんなに追い詰められたのも、政府がこれまでエネルギー計画を作成できず、時間を無駄にしてきたからに他ならない。猛暑が続けば停電もありうる大ピンチ。「オリンピックのテレビ観戦も、ご遠慮ください」ということにならないか。大いに心配である。

       ≪26日の日経平均 = 上げ +88.21円≫

       ≪27日の日経平均は? 予想 = 下げ≫
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「日本へは行かないで」 ・・・ 米国務省が勧告

2021-05-26 07:36:44 | なし
◇ オリンピックは風前の灯? = 恐れていたニュースが飛び込んできた。アメリカ国務省は24日、国民に対して「日本への渡航は中止してほしい」と勧告した。これはCDC(疾病センター)が「日本のコロナ感染状態は最悪。ワクチン接種を受けた人でも、変異型ウイルスに感染する危険がある」と判定したことを受けた措置。この勧告に強制力はないが、影響力はきわめて大きい。オリンピックは、どうなるのだろう。

アメリカのオリンピック委員会は、ただちに「安全な大会に参加できると確信している」という声明を発表。日本でも丸川担当相が「必要な渡航を禁止したわけではない」と発言した。しかし国務省の勧告は「不要不急の旅行を止めろ」と言っているのではない。すべての国民に「渡航するな」と呼びかけている。要は関係者が「オリンピックは例外だ」と、考えるかどうかだろう。

もっと大きいのは、ヨーロッパ諸国や新興国がアメリカのこの勧告に追随する可能性だ。多くの国で「渡航中止」が勧告されれば、影響は格段に増大する。なかには明確に「参加を止める」と表明する国が出てくるかもしれない。そして、こうした多くの国が、日本のコロナ感染状態がどうなるかを注視している。

こうしたなか菅内閣は、9都道府県に発令中の緊急事態宣言を6月20日まで延長する方針。その時はオリンピックの1か月前。そこで宣言を解除できなければ、世の中は大混乱に陥るだろう。それでもまだ「オリンピックはやる」と言い続ければ、主催国の日本は世界の物笑いになる危険性さえ漂い始めた。

       ≪25日の日経平均 = 上げ +189.37円≫

       ≪26日の日経平均は? 予想 = 下げ≫
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