経済なんでも研究会

激動する経済を斬新な視点で斬るブログ。学生さんの就職準備に最適、若手の営業マンが読めば、周囲の人と差が付きます。

インフレは長く続く / アメリカ

2021-12-07 07:39:32 | アメリカ経済
◇ FRB議長が豹変した理由 = 「持続的インフレのリスクは高まっている」「物価上昇は一時的と言ったが、撤回する時期だ」「資産の購入を数か月早く終えることを検討する」--パウエルFRB議長の口から、こんな発言がポンポン飛び出した。驚いた市場では、株価や商品相場が急落。短期金利は急騰した。一般の国民も、いまの物価高は長く続くのかと、ため息を漏らしている。

パウエル議長は、これまで一貫して「物価高は一時的なものだ」と説明してきた。だから金融緩和政策の修正を急ぐ必要はない。国債などの購入は来年6月ごろに終了すればいい。そう言い続けてきたFRB議長が、豹変したのはなぜだろう。最大の理由は、物価の上昇が予想以上に大きくなっていること。たとえば10月の消費者物価は、なんと30年ぶりの上昇率となっている。

オミクロン変異株への警戒感が強まっているいま、金融を引き締めたら景気は悪化するのではという心配もある。だがコロナ禍でも消費需要は強く、むしろ供給面への悪影響の方が強い。パウエル議長は、そう考えたのではないか。だとすればインフレ対策を先行させた方がいい。対策が遅れると、インフレは手を着けられないほど加速してしまう危険がある。

FRBは、アメリカの物価安定と雇用の維持に責任を持っている。その雇用の状況をみると、11月の失業率は4.2%で前月より0.4ポイントも改善した。完全雇用に近づいており、人手不足は続く。これも強力なインフレ要因になりかねない。したがって従来の考え方を捨てて、インフレ対策を急ぐ。パウエル議長の心中を覗いてみれば、こういうことになるのではないか。

        ≪6日の日経平均 = 下げ -102.20円≫

        ≪7日の日経平均は? 予想 = 上げ≫
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今週のポイント

2021-12-06 07:47:06 | 株価
◇ オミクロン + FRB議長の豹変 = ダウ平均は先週319ドルの値下がり。4週連続の下落で、この間の下げ幅は1700ドルを超えた。終り値は3万4580ドル、10月半ばの水準に落ち込んでいる。先々週はオミクロン変異株の出現に驚き、先週はパウエルFRB議長の‟変心”が売り材料となった。市場はパウエル議長の発言を消化し切れず、戸惑っている。

パウエル議長は、これまで一貫して「物価上昇は一時的なもの」と主張。この見通しを土台として「来年6月ごろまでに緩和政策の縮小を完了する」と説明してきた。それが11月30日の議会証言で一転「物価上昇は少なくとも来年半ばまでは続く。したがって緩和政策の縮小は数か月早く終えることを検討する」と発言。関係者を驚かせた。

日経平均は先週722円の値下がり。2週連続の下落で、この間の下げ幅は1700円を超えた。終り値は2万8030円、10月上旬の水準に落ち込んでいる。オミクロンの出現とニューヨーク市場の低迷が、下落の原因。史上最大の補正予算が編成されたが、成長戦略に乏しく好材料とはならなかった。ただ日米の株価は、カネ余りに支えられて大暴落する気配は見えない。

今週は7日に、10月の毎月勤労統計、家計調査、景気動向指数。8日に、7-9月期のGDP確定値、11月の景気ウオッチャー調査。9日に、10-12月期の法人企業景気予測調査。10日に、11月の企業物価。アメリカでは7日に、10月の貿易統計。10日に、11月の消費者物価、12月のミシガン大学・消費者信頼感指数。また中国が7日に、11月の貿易統計。9日に、11月の消費者物価と生産者物価を発表する。

        ≪6日の日経平均は? 予想 = 下げ≫
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死者が語る コロナ肺炎の危険度 (90)

2021-12-04 07:49:17 | なし
◇ オミクロン株は‟張り子の虎”かも?? = 世界の感染者は累計2億6353万人、この1週間で404万人増加した。死亡者は522万4797人で、増加数は4万9644人。感染者も死亡者も、増加数は前週よりやや縮小した。アメリカ・ロシア・メキシコ・イギリスなどで、死亡者の増加数が減っている。そんなところへ、こんどはオミクロン変異株が発生、世界中が驚いた。

国別の死亡者数をみると、アメリカが累計78万人台で相変わらず断トツ。次いでブラジルが61万人台、インドが46万人台、メキシコが29万人台、ロシアが27万人台。あとはイギリスとインドネシアが14万人台、イタリアが13万人台、イランとフランスが12万人台となっている。このうちブラジル・インド・イタリア・フランスの各国で、死亡者はやや増加した。

日本の感染者は累計172万7217人。この1週間で736人増加した。死亡者は1万8361人で、増加数はわずか8人にとどまった。このため政府は緊急事態宣言などの規制をほぼ撤廃したが、とたんにオミクロン株が出現。国内でも陽性者が出たので、再び水際対策を厳しくしている。年末までに国内の感染者をどこまで抑えられるか、が勝負となってくる。

南アフリカで発見されたオミクロン株は、あっという間に世界30か国以上に拡散した。このため感染力は非常に強いと言われているが、実際はもっと前から拡散していたのではないか。それが次々と検査で判明しただけかもしれない。仮にそうなら、感染力はそんなに強くない? もちろん油断は禁物だが、案外‟張り子の虎”かもしれない。

        ≪3日の日経平均 = 上げ +276.20円≫

        【今週の日経平均予想 = 4勝1敗】     
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説明なしで 金融緩和縮小 : 日銀

2021-12-03 08:06:39 | 日銀
◇ 国債とETFの買い入れを大幅に減少 = 日銀が量的金融緩和の大幅な縮小を、秘かに強行している。日銀が保有する国債残高は、この11月末で529兆5000億円。1年前と比べると9兆7000億円の減少だった。これは日銀が国債を売却したわけではなく、この間の購入額より償還された国債の方が多かったことによる。ただ昨年11月末までの1年間には51兆4000億円の国債を買っているから、それに比較すると市中に対する資金の放出量は61兆円も少なくなった。緩和政策の大幅な縮小である。

ETF(上場投資信託)の買い入れも、大幅に減っている。日銀のETF保有残高は、この11月末で36兆3452億円。1年前に比べると1兆2063億円の増加だった。ところが昨年11月末までの1年間には、7兆1961億円も増えている。つまり最近の1年間は、購入額を前年より6兆円減らしたことになる。国債と合わせてみると、緩和政策は67兆円も縮小されたわけだ。

アメリカではいま、中央銀行であるFRBが緩和政策の縮小を始めたところ。これまで1年近くも状況を説明し、市場や一般国民を納得させた。これに対し日銀は、これまで「物価が2%上昇するまでは、緩和政策を続ける」と言い続けている。市場や国民にウソをついてきたと言われても仕方がないだろう。

日銀はウソをついてまで、なぜ緩和政策の大幅な縮小を強行しているのか。仮に景気が明白に回復しているのなら、理解できないこともない。しかし実際に景気は停滞したままである。日銀は何を考えているのか。はっきりと説明する義務があるのではないか。新聞やテレビも、この点を追及する責任があると思う。

        ≪2日の日経平均 = 下げ -182.25円≫

        ≪3日の日経平均は? 予想 = 上げ≫
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企業の儲けは コロナ前を超えたのに

2021-12-02 08:07:44 | 利益
◇ 株価も賃金も上がらない現実 = 日経新聞が上場企業1548社の3月期決算予想を集計したところによると、最終利益の合計は26兆6503億円で前年を48.3%上回る見通しとなった。過去最高の水準であり、当然コロナ前の実績を超える。製造業は最終利益が17兆3877億円で46.0%の増加。非製造業は9兆2525億円で52.9%の増加となる。企業の業績は絶好調である。

製造業で増益率が大きいのは、鉄鋼が27.4倍、精密機械3.3倍、繊維3倍など。減益になるのは医薬品だけ。また非製造業では小売りが80.9%の増加、サービスも24.4%伸びる。ただ鉄道・バス・空運はなお赤字の見込みだが、赤字幅は縮小する。このように業種によってバラつきはあるものの、全体としてみれば企業は大儲けしている。ところが、これが株価や賃金に跳ね返らない。

コロナ前の19年末、日経平均株価は2万3657円だった。それが、きのう1日の終り値はは2万7936円。わずか4300円しか上昇していない。企業利益の大幅な増加を全く反映していないと言えるだろう。もちろん株価にとっては、衰えをみせないコロナの勢いが大きな重しになっている。加えて日本経済の先行きが不透明なことも、株価が上がらない理由となっている。

いま非製造業も含めて多くの企業が、国内よりも海外で大きな利益をあげている。このため国内での設備投資や正規社員の増加には、あまり積極的ではない。人手不足は非正規社員で賄う傾向が強くなっている。だから全体としてみた平均賃金は上がらない。岸田首相が法人減税で賃上げを促進しようとしても、企業の多くは減税など必要ないほど儲けている。さて、どうなりますか。

        ≪1日の日経平均 = 上げ +113.86円≫

        ≪2日の日経平均は? 予想 = 下げ≫
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