経済なんでも研究会

激動する経済を斬新な視点で斬るブログ。学生さんの就職準備に最適、若手の営業マンが読めば、周囲の人と差が付きます。

原油価格は 100ドルへ!? (下)

2022-01-27 07:59:19 | エネルギー
◇ 日本は‟無策の国”である = 原油価格の高騰が日本経済に及ぼす影響は、きわめて大きい。たとえば昨年12月の電気料金は、前年比で13.4%も上昇した。実に40年9か月ぶりの大幅な上昇率である。企業のコストは増大し、家計の負担は重くなった。またガソリンの店頭価格も、今週1リットル=170円を超えた。13年ぶりの高値である。政府は元売り業者に1リットル=3円50銭の補助金を出して、小売価格の上昇を抑えることになった。

財務省が発表した貿易統計によると、21年の原油やLNG(液化天然ガス)など鉱物性燃料の輸入額は17兆円にのぼった。価格の高止まりが続けば、年間の輸入代金は20兆円を上回るだろう。日本の企業や家計は電気やガソリンの支払いを通じて、これだけの負担をしていることになる。もちろん、これをゼロにすることは出来ない。しかし仮に4分の1を減らすことが出来れば、企業や家計の負担は年間5兆円も減ることになる。

日本は1973年、あの強烈な石油ショックに見舞われた。その後の歴代政府は原油などの輸入先分散に努力してきたが、価格の高騰に対しては効果がない。その一方で、原油などの輸入依存度を減らす努力は怠ってきたと言えるだろう。現在も脱炭素に迫られているが、政府はそのための具体的なエネルギー計画を作成できずにいる。

まず原発に対する明確な評価を下せない。もし原発がダメなら再生可能エネルギーを育成するしかないが、その方針も中途半端だ。太陽光や風力発電に、年間5兆円の補助金を出したらどうだろう。数年でモトが取れるのではないか。そのとき企業や家計の負担が大きくは減らなくとも、巨額の購買力が海外に流出する事態は防げるから、景気にはプラスの効果があるはずだ。チンケな3円50銭のガソリン補助金しか出せない日本は‟無策の国”である。

        ≪26日の日経平均 = 下げ -120.01円≫

        ≪27日の日経平均は? 予想 = 下げ≫

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原油価格は 100ドルへ!? (上)

2022-01-26 07:51:11 | エネルギー
◇ 値下がり要因は景気の悪化だけ = 原油の国際価格が高止まりしている。ニューヨーク商品取引所のWTI(テキサス産軽質油)先物相場は先週1バレル=86ドル、7年3か月ぶりの高値を付けた。専門家の予想は「まだ値上がりする」でほぼ一致、市場では「100ドルまで行っても不思議ではない」という声が強まっている。なかでもJPモルガン証券は「125ドルの可能性がある」と予測した。

WTI先物相場は20年4月、1バレル=16ドルまで低下していた。そこからはほぼ一本調子に上昇、最近の高値は世界的なインフレ傾向の源泉となっている。このためアメリカではFRBが金融政策を引き締めに転換、日本でも電気料金やガソリン価格の高騰を招いている。さらに原油価格が上昇すれば、各国の経済に与える悪影響は計り知れない。

原油価格を押し上げている原因は、供給の不足。OPEC(石油輸出国機構)とロシアなどの産油国が、価格を維持するために増産を規制していることが大きい。しかもナイジェリア・アンゴラ・カザフスタン・リビアなどでは、政情不安や設備の老朽化で生産量が落ちている。またアメリカでは脱炭素に向かって、シェール油田開発が規制された。結果として世界の原油在庫量が減少、価格が高騰した。

原油の供給が大幅に増える見込みは小さい。その一方、需要はコロナ禍にもかかわらず各国が経済再生を重視する政策に傾いているため、増加する傾向にある。専門家が「まだ値上がりする」と予想するのは、このためだ。仮にアメリアなどの金融引き締め政策によって世界の景気が後退すれば、原油の需要は落ちる。価格が下がるのは、こうした場合に限られると考える人が少なくない。

                          (続きは明日)

        ≪25日の日経平均 = 下げ -457.03円≫

        ≪26日の日経平均は? = 下げ≫

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「2月に0.5%利上げ」説も : NY市場

2022-01-25 08:15:47 | 株価
◇ 息を呑んで見守る26日のパウエル会見 = 「FRBは金融引き締めをさらに前倒しするようだ」--ニューヨーク市場では、こんな見方が一気に広がった。原油の国際価格が高止まりし、オミクロン株の拡散で人手が不足。物価は下がりそうにない。だからFRBは引き締めを急ぐ。なかには「量的緩和は2月で打ち切り。同時に政策金利の引き上げに踏み切る。上げ幅も0.5%」という観測さえ飛び始めた。

アメリカの消費者物価は、昨年初めには1.4%しか上昇していない。それが11月には6.8%、12月は7.0%と31年ぶりの高い上昇率を記録した。エネルギー価格の高騰と人手不足による人件費の上昇が物価を押し上げており、いまのところ物価が下がる兆候はない。バイデン大統領も中間選挙を控えて、インフレには強い警戒感を抱いている。FRBも「なぜ、あのとき手をこまぬいていたのか」と批判されたくはないだろう。

FRBは当初「量的緩和の縮小は6月に終了」と考えていた。ゆっくりと縮小するため、これを‟テーパリング(しだいに消える)”と呼んでいた。しかし、ことしになると「終了は3月」に前倒し。いまは、それを「2月で止める」方向に傾いてきたわけだ。テーパリングどころではなく、国債などの買い入れを一気に止めて、同時に利上げ。さらに国債などの売り戻しも始めるかもしれない。

すでに長期金利は1.9%まで上昇。利回りが極めて低いハイテク銘柄を中心に、株は売られている。仮に「さらなる引き締めの前倒しが実行されれば、株価はいっそうの調整を余儀なくされる。はたしてFRBの決断は? その結果は、26日午後に予定されるパウエルFRB議長の記者会見で明らかになる。ウオール街はいま、息を殺してその会見を待っている。

        ≪24日の日経平均 = 上げ +66.11円≫

        ≪25日の日経平均は? 予想 = 下げ≫
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今週のポイント

2022-01-24 08:05:27 | 株価
◇ 株価はただいま調整中 = ダウ平均は先週1646ドルの値下がり。1週間の下げ幅としては、20年10月下旬以来の大きさだった。インフレの進行でFRBが金融引き締めを前倒しするのではないか、という警戒感が一挙に燃え広がった。またオミクロン株の拡散で、医療・交通・消防などの人手が不足する心配も、市場の空気を暗くしている。そして基本的には、超金融緩和相場の見直し、株価の調整が始まったとみていい。

日経平均は先週602円の値下がり。ニューヨークの暗雲が、東京にも波及した。加えて日本ではオミクロン株が、異常なスピードで拡散。東京・大阪をはじめ多くの地域に「まん延防止等重点措置」が発令された。これによって経済活動がまたまた阻害され、景気や企業業績の見通しも悪化が避けられない。株式市場を取り巻く環境は、あまり芳しくない。

ダウ平均は年初の史上最高値から2500ドルほど下落した。ハイテク企業の多いナスダックは金利の上昇に敏感で、すでに最高値から10%以上も下げている。こうしたことから判断しても、ダウの調整はまだ続くのではないか。そして注目点は、今週25-26日に開くFRBの政策決定会合。パウエル議長が26日の記者会見で、どんな説明をするか。

今週は26日に、12月の企業サービス物価。アメリカでは25日に、11月のFHFA住宅価格、1月のカンファレンス・ボード消費者信頼感指数。26日に、12月の新築住宅販売。27日に、10-12月期のGDP速報、12月の中古住宅販売。また中国が30日に、1月の製造業と非製造業のPMIを発表する。

        ≪24日の日経平均は? 予想 = 下げ≫
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死者が語る コロナ肺炎の危険度 (96)

2022-01-22 07:43:08 | なし
◇ イギリスはピークを過ぎた? = 世界の感染者は累計3億3793万人、この1週間で2254万人増加した。この増加数は前週より500万人も多い。異常な増勢である。死亡者は556万5540人で、週間5万5213人の増加だった。この増加数は昨年9月下旬以来の大きさ。感染者の増加ぶりに比べれば増勢は鈍いが、それでも確実に増えてきた。アメリカ・インド・メキシコのほか、イギリス・フランス・イタリアでも死亡者の数は拡大している。

死亡者の数を国別にみると、アメリカは累計85万7778人。この1週間で1万3216人も増えている。あとブラジルが62万人台、インドが48万人台、ロシアが31万人台、メキシコが30万人台。さらにイギリスが15万人台、インドネシアとイタリアが14万人台、イランが13万人台、フランスが12万人台と続く。

こうしたなかで注目されるのは、イギリスのジョンソン首相が「オミクロンの感染はピークを過ぎた」と公式に宣言したこと。マスクの着用義務など、ほとんどの規制を撤廃した。たしかにイギリスでは新規感染者数が、今月4日の22万人から18日には9万4000人へと急減した。重症化率の低いオミクロン株をインフルエンザ並みの疾病とみなし、経済再生を優先させた政策とみられている。

日本の感染者は累計202万5855人、この1週間で21万4239人増加した。増加数は前週の3倍以上にのぼり、もちろん新記録。死亡者は1万8469人で、週間55人の増加だった。政府は東京都などに「まん延防止等重点措置」を発令したが、その一方で感染者の拡大で医療や交通などが機能マヒに陥ることを心配し、イギリス的な政策への移行を考え始めているようだ。日本のオミクロンは、いつピークを迎えるのだろうか。

        ≪21日の日経平均 = 下げ -250.67円≫

        【今週の日経平均予想 = 4勝1敗】     
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