経済なんでも研究会

激動する経済を斬新な視点で斬るブログ。学生さんの就職準備に最適、若手の営業マンが読めば、周囲の人と差が付きます。

今週のポイント

2022-02-28 07:52:00 | 株価
◇ ウクライナに揺さぶられて乱高下 = ダウ平均は先週20ドルの値下がり。市場はウクライナ情勢の急速な進展に追い付けず、乱高下を繰り返した末に‟行ってこい”の結果となった。週の前半は大きく下げ、ロシア軍の侵攻が始まった24日には一時800ドル以上も下落したが、あとは大きく戻して92ドル高で引けている。さらに週末は停戦交渉のニュースが飛び込み800ドル以上も反発、終り値は3万4000ドル台を回復した。

日経平均は先週646円の値下がり。ほとんどニューヨークの値動きに引きずられた。24日には1年3か月ぶりに2万6000円を割り込み、昨年の安値2万6170円を下回っている。ただ週末の停戦交渉は、取引終了後に伝えられた。このためダウ平均のように‟行ってこい”とはならなかった。このため今週は、上昇で始まりそうだ。

しかし停戦交渉がすんなりと始まるかどうかは、いまのところ全く不明。今週の市場は、その成否に左右されることになりそうだ。また西側諸国の対ロシア経済制裁とロシア側の報復措置が世界経済に与える影響も、今週あたりから本格的な分析が始まる。その結果が出るたびに、市場はまたまた一喜一憂し乱高下するかもしれない。

今週は28日に、1月の鉱工業生産、商業動態統計、住宅着工戸数。1日に、2月の新車販売。2日に、10-12月期の法人企業統計。3日に、2月の消費動向調査。4日に、1月の労働力調査。アメリカでは1日に、2月のISM製造業景況指数。3日に、2月のISM非製造業景況指数。4日に、2月の雇用統計。また中国が1日に、2月の製造業と非製造業のPMIを発表する。なお1日には、バイデン大統領が一般教書演説。

        ≪28日の日経平均は? 予想 = 上げ≫
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死者が語る コロナ肺炎の危険度 (101)

2022-02-26 08:19:47 | なし
◇ イギリスと日本の違いは? = 世界の感染者は累計4億2972万人、この1週間で1197万人増加した。この増加数は前週よりやや多い。死亡者は591万7665人で、6万6962人の増加。前週より増加数は6500人縮小した。全体としてピークは越えつつあるとみてよさそうだ。特にアメリカの新規感染者は、ピーク時の約1割に減っている。またイギリスはイングランドに対して、コロナ対策としての各種規制を完全に撤廃すると発表した。

国別の死亡者数をみると、アメリカは累計94万1909人。この1週間で1万3390人増えた。増加数は5週連続で縮小している。続いてブラジルは64万人台、インドは51万人台、ロシアが34万人台、メキシコが31万人台。あとはイギリスが16万人台、イタリアが15万人台、インドネシアが14万人台、フランスとイランが13万人台となっている。これらのうち死亡者数が増えたのは、ロシアとイランだけだった。

イギリス政府は21日、人口が最も多いイングランドに対して、コロナ規制を完全に撤廃すると発表した。外出規制や店舗の営業時間はもちろん、水際対策やマスク着用についても自由になる。オミクロンを通常のインフルエンザ並みに扱うとするもので、先進国では初めての措置。ワクチン接種率が成人の8割に達し、病床の逼迫もないためだと、政府は説明している。

日本の感染者は累計476万0504人。この1週間で50万3808人増加した。前週の増加数より7万人少ない。死亡者は2万2794人で、1534人増加した。前週より216人増えている。規制を完全撤廃したイギリスの週間死亡者は950人。人口の差を考えれば、日本より死亡率は高い。にもかかわらず病床の逼迫がなく、日本では医療崩壊の危険が叫ばれている。この違いは、どこから生じるのだろう。厚労省の説明が聞きたくなる。

        ≪25日の日経平均 = 上げ +505.68円≫

        【今週の日経平均予想 = 4勝0敗】     
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快晴のち長雨? : 企業業績の見通し (下)

2022-02-25 08:10:15 | 利益
◇ 不安要因は長期化する公算 = 世界経済を覆う不安要因は、原油や資源価格の高騰、供給網の混乱、コロナによる人件費の上昇。これらを背景にしたFRBの金融引き締め、これらを加速させるウクライナ情勢。どれ一つをとっても状況は深刻であり、専門家は口を揃えて「不安要因は長く続く」と予想している。このため企業の業績も、今後は‟長雨の季節”に入る可能性が大きい。

たとえば原油の国際価格をみても、産油国の大幅な増産は全く期待薄。各国の景気回復で需要は増大。アメリカのシェールは投資不足で元気が出ない。そこへウクライナの緊迫で、ますます価格は上がりそうだ。するとFRBはインフレを阻止するために、金融引き締めを急ぐ。その結果、アメリカの景気は下降に転じるのではないか。市場では早くも、こんな心配まで出始めた。

原油や資源の価格がさらに大きく上昇すれば、企業のコストは押し上げられ、利益は縮小する。仮に大きく上昇しなくても高止まりの状態が続けば、利益は圧迫される。しかも、その場合は石油業や商社の在庫評価益はなくなってしまう。こうした面からも、23年3月期の決算は雨模様になりそうだ。

アメリカでも状況は同じ。投資銀行のゴールドマン・サックス社は、SP500株価指数について「最悪の場合、22年末の指数は3600-3900まで下がるだろう」と予測した。この指数はことし年初の4800から最近は4300に下落したが、さらに下落するだろうという予想である。投資家の多くも、そう感じ始めている。だから株価は上がらない。

        ≪24日の日経平均 = 下げ -478.79円≫

        ≪25日の日経平均は? 予想 = 上げ≫
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快晴のち長雨? : 企業業績の見通し (上)

2022-02-24 07:45:39 | 利益
◇ 最大の利益でも株安の一因に = 日経新聞は決算発表を終えた上場企業1686社について、その内容を集計した。それによると、昨年4-12月期の売上高は総計473兆8225億円、前年同期を12.7%上回った。この売上高はコロナ前19年4-12月期に、ほぼ匹敵する。また純利益の合計は32兆0921億円で、前年同期を58.3%上回った。過去最大の利益額で、コロナ前に比べても約3割の増加。海運をはじめ石油、商社が大幅な増益となっている。

SMBC日興証券も、上場企業1325社について集計した。それによると、この3月期の純利益は32兆9900億円に達する見込み。前年同期を66.7%上回り、過去最大となる。これまでの記録は18年3月期の29兆5700億円だったから、これを大幅に上回ることは確実だ。資源高で商社を含む卸売業が前年比2.6倍、輸送費の高騰で海運が5.9倍など、異常な増益となる。

海運の増益は、コロナで物流が混乱し運賃が大暴騰したことによる。また石油や商社の増益は、原油高で在庫の評価額が上がったことから発生した。いずれも特殊要因によるものだ。一方、空運や電力、建設や接客サービスなどは減益組。原油高やコロナによる人件費増が響いており、こちらも特殊要因が強く影響した。

ただ全体としてみる限り、企業業績は絶好調であることに間違いはない。それなのに、株価は大きく下落している。日経平均は年初来2000円以上も値を下げた。その理由はアメリカの金融引き締め、ウクライナ情勢など多岐にわたるが、その一つに企業業績の先行き悪化見通しがある。だから、いまは絶好調でも株価は上がらない。

                        (続きは明日)

        ≪24日の日経平均は? 予想 = 下げ≫
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とどの詰まりは 金融引き締めの強度

2022-02-22 08:21:15 | 株価
◇ 政策決定会合の前倒し説も出現 = ウクライナ情勢は、まさに一触即発。市場が神経質になるのも無理はない。株価はロシア軍の撤退情報で大きく上げ、アメリカがこの情報を否定すると大きく下げた。最新の状況は、ウクライナ東部の親ロシア系住民が大挙して避難を始め、バイデン大統領は「ロシアの侵攻はあると確信している」とさえ言い切った。市場にとっては厳しい環境で、株価の先は見えにくくなっている。

だが突き詰めて行くと、ニューヨーク市場が警戒するのは、やはり「FRBによる金融引き締め。特にその強さ」ということになる。ウクライナで騒乱が起きると、ロシア産LNG(液化天然ガス)のヨーロッパ向け供給が止まる。すると原油価格などがさらに上昇して、アメリカの物価騰貴が促進される。その結果、FRBによる金融引き締めが強化される・・・という論理だ。

すでに市場では「政策金利の上げ幅は0.5%」「ことし中に7回の引き上げ」「量的引き締めも3月から実施」など、強い政策を予想する声も飛び交っている。なかには「FRBは3月の定例会議を待たず、2月中にも臨時の政策決定会合を開いて利上げを決める」といった予測も。さすがに行き過ぎと思ったのか、政策決定会合の副議長を務めるニューヨーク連銀のウイリアムズ総裁は「利上げは3月が適当。0.5%の引き上げには慎重だ」と、火消しに回った。

FRBの政策決定会合は、正式にはFOMC(公開市場委員会)と呼ばれる。その次回の定例会合は3月15-16日に予定されており、パウエル議長が16日の記者会見で決定内容を発表する。したがって臨時会合が開かれない限り、その内容は16日まで判らない。それまではウクライナ情勢を注視しつつ、市場は一喜一憂を繰り返すことになるだろう。

        ≪22日の日経平均 = 下げ -461.26円≫

        
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