経済なんでも研究会

激動する経済を斬新な視点で斬るブログ。学生さんの就職準備に最適、若手の営業マンが読めば、周囲の人と差が付きます。

コロナが生んだ 明と暗 : 小売り業

2021-04-30 07:33:12 | 小売り
◇ デパート↓ 家電量販店↑ = 経済産業省は28日、20年度(昨年4月-本年3月)の商業動態統計を発表した。それによると、小売り業の総販売額は147兆8570億円。前年度比で2.8%の減少だった。この期間は日本経済がコロナに翻弄された時期。それにしては減少率が小さくて済んだ。コロナで痛めつけられた業種が多かった半面、その恩恵を受けた業種も少なくなかったからである。

業種別にみて、打撃を受けたのはデパートとコンビニ。デパートの販売額は4兆5612億円で、前年度に比べて24.5%も減少した。ほぼ4分の1の縮小である。緊急事態宣言の発令などで都心への人出が減り、休業も余儀なくされた結果だ。またコンビニは11兆5600億円の売り上げ、前年度比5.0%の減少だった。コンビニも都心部の店の売り上げが激減している。

一方、スーパー・ドラッグストア・ホームセンター・家電量販店は、逆に売り上げを伸ばしている。スーパーの販売額は15兆0700億円、前年度比2.9%の増加。ドラッグストアは7兆2342億円で3.2%の増加。ホームセンターは3兆5220億円で6.7%の増加。家電量販店は4兆9157億円で8.4%の増加だった。いずれも“巣ごもり”の影響が大きい。

この統計では、デパートとスーパーを合算した商品別の動向も表示している。それをみると、販売額が大幅に減ったのは紳士服28.1%減、婦人・子供服27.6%減、食堂・喫茶43.4%減など。増加したのは飲食料品の3.4%増だけだった。また、この統計でみると、デパートとスーパーの従業員1人当たりの売上高は3191万円で、前年度を6.0%下回った。

         ≪30日の日経平均は? 予想 = 上げ≫
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なぜ専門家の意見を 無視するのか

2021-04-28 07:42:56 | なし
◇ 自民が全敗した原因はコロナ対策の失敗 = 自民党は25日に実施された北海道2区・長野・広島の国政選挙で全敗した。政治とカネの問題などで情勢は厳しかったが、それにしても無残な結果。菅政権のコロナ対策に、有権者が「ノー」を突き付けたことが大きかったと専門家は分析している。たしかに東京・大阪など4都府県に発令された今回の非常事態宣言についても、国民の多くが批判的だ。なぜなのか。

まず政府の行動がダラダラしていて、迅速さと真剣味に欠けること。たとえば新聞やテレビなどで「緊急事態の発令は必至」と伝えられてから、実際に発令されるまでには1週間もかかってしまう。もちろん地方自治体との調整などに時間がかかるのだろうが、国民の目には「何をぐずぐず」としか映らない。ニュージーランドのように、感染者が発生するとその日のうちに都市封鎖を断行する例もあるではないか。

さらに専門家は口を揃えて「もっと早く、もっと厳しく」と言っている。それなのに、こうした専門家の意見は無視されているようだ。政府はいつも専門家会議を開いてから政策の発動を決めているが、会議の内容は公表されない。しかも、その会議で政府の提案が修正された試しはない。国民にとっては、大きな疑問となっている。

政府は「政治的に配慮すべきことが多い」と言うかもしれない。また「リーダーシップは握っていたい」のかもしれない。だが結果的にコロナを制圧できず、中途半端な規制を繰り返していたのでは、落第ということになるだろう。今後も菅内閣が「専門家の意見を重視せず」「迅速に物事を処理できない」とすれば、自民党の敗北はまだ続くに違いない。

        ≪28日の日経平均 = 上げ +62.08円≫
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「やっぱり 民主党なんだ!」 : NY市場

2021-04-27 07:37:48 | アメリカ
◇ 驚くべき財政支出ラッシュ = バイデン大統領はあす28日、議会で初めての施政方針演説を行う。経済政策については、「アメリカ雇用計画」と「アメリカ家庭計画」と題した2つの財政支出政策を打ち出す予定だ。このうち「雇用計画」は8年間で2兆ドルを支出。道路・橋・鉄道などの整備やEV電源設備、半導体の供給網再建などを実施、800万人の雇用創出を目指す。また「家族計画」は数年間で1兆ドルの支出、医療や育児の支援を目的とする。

バイデン政権は、すでに総額1兆9000億ドルのコロナ対策費を成立させた。加えて、この財政支出政策。いま議会で審議中の22会計年度予算案が1兆5000億ドルであるのに比べれば、こうした追加予算の規模がいかに大きいかが判るだろう。ニューヨーク株式市場は、これまでこの超積極予算を評価して株価を上げてきた。

ところが、ここへきて財源の問題も明確になってきた。法人税を21%から28%に引き上げる。所得税の最高税率を37%から39.6%に引き上げる。年収100万ドル以上の富裕層については、株式売買利益にかかるキャピタル・ゲイン課税の税率を20%から39.6%に引き上げる。先週はこんな内容が一斉に伝えられた。

アンチ大企業・アンチ富裕層。やっぱりバイデン大統領は民主党なんだ。--ウオール街は改めて、思い知らされた形である。しかも超大型の追加予算が成立すれば、インフレになる可能性が高い。するとFRBは金融引き締め政策に転じるかもしれない。もちろん共和党は、こうしたバイデン政策に猛反対。議会で修正される可能性もないではない。ニューヨーク市場は、その望みに賭けることになってきた。

       ≪26日の日経平均 = 上げ +105.60円≫

       ≪27日の日経平均は? 予想 = 下げ≫
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今週のポイント

2021-04-26 07:36:51 | 株価
◇ 市場のムードは明かに変化 = ダウ平均は先週157ドルの値下がり。終り値では、かろうじて3万4000ドル台をキープした。日経平均も先週は663円の値下がり。3週連続の下落となったが、こちらも終り値では2万9000円台をキープした。新型コロナのパンデミック(世界的大流行)が一向に収まらないことを嫌気して、世界中の株価が値下がりしている。ただ悪材料は、それだけではない。

ニューヨーク市場は、これまでバイデン大統領の積極的な財政政策を高く評価し、株価を上げてきた。ところが先週は多くのメディアが、その財源政策について具体的に報道した。法人税の引き上げ、さらに富裕税の大幅な引き上げ。株式売買益に対するキャピタル・ゲイン課税率を現行の2倍の39.6%へ。また所得100万ドル以上の富裕層に対する所得税の最高税率も37%から39.6%に引き上げるなどである。

市場はバイデン政策の暗い面にも、注目せざるをえなくなった。これでムードは変わる。加えて東京市場は、3度目の緊急事態宣言にも直面した。しかも日銀が国債の買い入れを減額、ETF(上場投資信託)の購入をほぼ停止したことも、警戒要因となっている。それでも過剰な投資資金に支えられて、株価が暴落する心配は薄い。しかし上値の追及は、きわめて困難な状況になってきた。

今週は26日に、3月の企業向けサービス価格。28日に、3月の商業動態統計と住宅着工戸数。30日に、3月の労働力調査と鉱工業生産。アメリカでは27日に、2月のFHFA住宅価格と4月のカンファレンス・ボード消費者信頼感指数。29日に、1-3月期のGDP速報と3月の中古住宅販売。またEUが30日に、1-3月期のGDP速報。中国が30日に、製造業と非製造業のPMIを発表する。

        ≪26日の日経平均は? 予想 = 下げ≫
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死者が語る コロナ肺炎の危険度 (58)

2021-04-24 08:06:45 | なし
◇ インドは壊滅状態に = 世界の感染者数は1億4386万人、前週より557万人増加した。勢いはまだ加速している。死亡者数は305万8140人、前週より8万5000人増えた。WHO(世界保健機構)の発表によると、17日は世界で感染者が76万6000人と過去最大の増加を記録した。ブラジルが最悪の状態を続けているが、加えてインドでは完全に医療体制が崩壊。病院では酸素が供給不足になり、葬儀も出来ない地域さえ出現している。

アメリカの感染者数は累計3186万人。死亡者数は56万9405人となった。死亡者の増加数は前週比5018人で、ピーク時の4分の1に減っている。ワクチンの接種が進んだためで、政府の発表によると21日の時点で、18歳以上の52%が少なくとも1回の接種を終えた。ただ、ここへきて新たな問題も生じている。というのは、若者の接種拒否が目立ってきたこと。日本でも同様の現象が起きる可能性があるから、いまから注意しておく必要があるだろう。

ブラジルの感染者数は1412万人、死亡者数は38万1475人に達した。相変わらず医療崩壊の状態に苦しんでいる。またインドの感染者数は1594万人。23日には感染者の増加数が1日で31万人を超え、世界でも過去最大を記録した。死亡者数は18万4057人、この1週間で1万1534人増えている。両国ともに、変異ウイルスの拡大が著しい。

日本の感染者数は累計55万3751人、1週間で3万1451人増加した。死亡者数は9829人、前週より270人増えている。来週は1万人の大台を突破するだろう。政府は東京・大阪・京都・兵庫の4都府県に緊急事態宣言を発令したが、どの程度の効果を挙げられるかは不明。なにしろワクチンの接種率は、まだ1%に過ぎない。

       ≪23日の日経平均 = 下げ -167.54円≫

       【今週の日経平均予想 = 5勝0敗】      
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