経済なんでも研究会

激動する経済を斬新な視点で斬るブログ。学生さんの就職準備に最適、若手の営業マンが読めば、周囲の人と差が付きます。

死者が語る コロナ肺炎の危険度 (72)

2021-07-31 07:24:56 | なし
◇ ついに日本も“要注意国”に = 世界の感染者数は累計1億9597万人、この1週間で397万人増加した。この増加数は前週より34万人多い。死亡者数は418万7446人で、6万0337人の増加。この増加数は前週より8539人少なかった。死亡者はブラジルやインドでは減少したが、その他の諸国では軒並み増加している。なかでも日本の状況が急速に悪化した。感染者が1日で1万人以上も増えており、“要注意国”の仲間入りをしたと考えられる。

国別の死亡者数をみると、アメリカが累計61万1813人。この1週間で1936人増加した。前週より194人多い。次いでブラジルが55万人台、インドが42万人台、メキシコが23万人台。さらにロシアが15万人台、イギリスとイタリアが12万人台、フランスが11万人台、ドイツとイランが9万人台。そのあとインドネシアが9万人台に近づいている。

日本の感染者が29日、1万0693人増加した。これまでのピークは1月に記録した2520人だから、4倍以上に跳ね上がっている。東京都だけでも、この日は3865人増加した。東京都には緊急事態宣言が発令されており、オリンピックや4連休があったにせよ、この増加ぶりは異常だ。死亡者数は累計1万5175人。この1週間で67人増えた。

政府は神奈川・埼玉・千葉の首都圏3県と大阪府に、緊急事態宣言を拡大した。しかし、その効果については疑問視する人が多い。東京都の場合をみても感染者は20歳台-50歳台に多く、そのほとんどがワクチンの接種を受けていない。感染者の急増に悩まされた欧米諸国の場合も、増加数が1日1万人を超えると、増加のスピードは急激に上がる。緊急事態の先を考えておく必要があるのではないか。

        ≪30日の日経平均 = 下げ -498.83円≫

        【今週の日経平均予想 = 5勝0敗】     
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数字合わせに終わった 脱炭素計画

2021-07-30 08:54:32 | エネルギー
◇ 公約の実現はまず不可能 = 政府は26日、新しい「地球温暖化対策計画」を公表した。この計画は日本の温暖化対策と、その結果を総合的に描き出したもの。脱炭素に向けた行動の基本的な指針となる。計画のなかで、日本が世界に公約した長期目標の「50年までに温室効果ガスの排出を実質ゼロにする」こと。また中期目標の「30年度の排出量を13年度比で46%減少する」ことを、改めて明記した。

13年度の温室効果ガス排出量は14億0800万トン。これを30年度までに6億4800万トン減らす必要がある。このため計画では、工場などの産業部門は1億7300万トン、家庭部門は1億3800万トン、運輸部門は8400万トン削減することにした。また発電に占める原子力発電の比率を13年度の1%から30年度には20-22%へ、再生可能エネルギーは11%から36-38%に引き上げる。

たしかに、数字はこれで合う。しかし、たとえば産業部門でも家庭部門でも、どうやって1億トン以上のガス排出を削減するのか。それが書いてない。また原発は30年度に約30基の稼働が必要だが、現在の稼働はたった10基。再生エネルギーも現在の3倍以上にしなければならないが、その方策にも触れていない。どれ1つをとっても、実現は不可能だろう。

要するに、数字合わせは出来た。だが実現性はゼロに近い。考えられることは、太陽光や風力発電の買い取り価格を引き上げて、再生エネルギーによる発電量を急増させることだけだろう。すると電気料金が急騰し、企業や家計の負担が大幅に上がる。国民にとっては最も望ましくない方向だけが見えてくる。

        ≪29日の日経平均 = 上げ +200.76円≫

        ≪30日の日経平均は? 予想 = 下げ≫
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“武家の商法”の 脱炭素融資 : 日銀

2021-07-29 07:58:51 | 日銀
◇ 「よきに計らえ」では危ないぞ = 日銀は脱炭素に向けた、新しい投融資計画を策定する。金融機関が気候変動に対応する事業に投融資することを、資金面から後押しする内容だ。詳細を詰めて、年内には運用を開始する予定。貸出金利はゼロ、期間1年だが30年まで借り換えできるようにする。脱炭素は世界的な潮流であり、日銀としても政策的に支援することにした。

その基本的な考え方は正しい。イングランド銀行やECB(ヨーロッパ中央銀行)も、脱炭素を支援する計画を発表している。ところが、この日銀の計画には、大きな落とし穴があるのではないか。というのも実際に投融資する事業の選定は、すべて金融機関まかせ。投融資先の拡大を図りたい金融機関が、将来性の不確かな企業や事業を選んでも、日銀にはチェックする手段がない。

イングランド銀行やECBは、その不安を除くために投資をグリーン債券やETF(上場投資信託)に限定するようだ。またFRBは脱炭素を目指した投融資そのものを考えていない。にもかかわらず日銀がこの計画を発表したのは、ヨーロッパの中央銀行に先を越されたくないという意向が働いたためと指摘する関係者もいる。

たとえば、ある企業が山奥の傾斜地に太陽光発電所を造ると計画する。その地方の金融機関は、日銀の新制度を使ってそこに融資する。ゼロ金利の元手だから、貸せば必ず儲かる。だが、この地域には送電線がなかった。事業は失敗するだろうが、金融機関に損は出ない。こんなとき、責任は誰が負うのだろうか。日銀にそれを防ぐ手段があるとは思えない。

        ≪28日の日経平均 = 下げ -388.56円≫

         ≪29日の日経平均は? 予想 = 上げ≫
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国もカネ余り ⇒ 大型景気対策?

2021-07-28 07:22:41 | 予算
◇ 税収も予想を上回る = 財務省は20年度の決算作業を進めているが、なんと30兆円を超える膨大な予算が使い残しとなる見込み。コロナ対策として3度の補正予算を編成。20年度予算は総計175兆7000億円に達したが、使い切れなかった。無担保融資を行う金融機関への支援、GO TO トラベルなど、多くの費目で予算が余ったことになる。経験したことがないコロナ不況への対応だったとはいえ、これだけの予算未達は異常と言っていい。

一方、20年度の税収も予想を大きく上回った。財務省の発表によると、一般会計の税収は総額60兆8216億円。前年より4.1%増加した。コロナ不況にもかかわらず、過去最大の税収額となっている。最大の原因は、消費税の引き上げが年度を通じて寄与したこと。消費税収は20兆9714億円で、初めて最大の税収項目となった。

法人税収も予想以上に伸びた。総額は11兆2346億円で、前年比4.1%の増加。巣ごもり需要や輸出の増大で、主として大企業の納税額が伸長した。所得税収は19兆1898億円だが、前年比は0.1%の増加にとどまっている。法人税収の伸びに比べて、所得税収は増加しなかった。ここからも、企業が人件費を抑制したことが判る。なお相続税収は2兆3145億円で0.6%の増加だった。

予算の使い残しが30兆円以上。税収が予定を5兆7000億円も上回った。財務省にとっては、万々歳である。ところが与党は黙っていない。秋には総選挙があるから、このカネを使って「大型の景気対策を打て」という声が、早くも湧き上がってきた。本来ならば来年度予算で国債の発行を減らすことに使うべきだと主張する財務省だが、「泣く子と選挙には勝てない」とも言われる。はたして、どうなるのだろうか。

        ≪27日の日経平均 = 上げ +136.93円≫

        ≪28日の日経平均は? 予想 = 下げ≫
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賛?否? ジョンソン首相の“人体実験”

2021-07-27 08:27:13 | イギリス
◇ 規制解除で沸き上がるイギリス = イギリス政府は先週19日、コロナの流行を防止するための規制を全面的に解除した。店舗の営業からイベントの開催、3密を避けるためのソーシャル・ディスタンス、さらにマスクの着用に関してまで。いっさいの規制を取り払った。サッカー場では6万の大観衆が大声で応援、ナイトクラブは立錐の余地もないほど若者で埋め尽くされた。それから1週間、賛成の声は圧倒的に強いが、批判的な見方も決して少なくはない。

イギリスのコロナ感染者は、目立って増えている。たとえば1日の感染者は5万人、最近1週間では33万人を超えた。イギリス政府も「近く1日10万人に達するだろう」と予想している。にもかかわらず規制を全面解除したのは、重症者や死亡者があまり増えていないからだ。最近1週間の死亡者数は385人にとどまっている。これはワクチン接種率が、成人の68%に達したためと考えられている。

死亡者が少なければ、普通のインフルエンザと変わらない。だから規制を全面解除して、社会・経済をコロナ前の状態に戻す。こう決断したのはジョンソン首相であり、ロンドンのマスコミは「ジョンソンの大きな賭け」と論評した。それから1週間、街は活況を取り戻したから、評判はそこそこいい。だが一部では「危険な賭け」という見方も広まっている。

概して高齢者には、評判が悪い。若者が街を占領しているので「恐ろしくて地下鉄にも乗れない」という嘆き。医療関係者の間でも「感染者が増えると、新たな変異ウイルスが発生する」という警告。さらに死亡者も増えざるをえないが、その人たちはジョンソン政策によって命を落とすことになる。だから今回の規制解除は、ある意味では大規模な“人体実験”ではないのか。厳しい批判も出ているが、賭けの結末は10月になれば判明するだろう。

        ≪26日の日経平均 = 上げ +285.29円≫

        ≪27日の日経平均は? 予想 = 上げ≫
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