経済なんでも研究会

激動する経済を斬新な視点で斬るブログ。学生さんの就職準備に最適、若手の営業マンが読めば、周囲の人と差が付きます。

東京・大阪は1倍割れ : 求人倍率

2021-09-02 07:25:06 | 就職
◇ コロナの影響がはっきり = 厚生労働省が発表した7月の有効求人倍率によると、全国平均は1.15倍だった。前月より0.02ポイント改善している。有効求人倍率というのは、ハローワーク(公共職業安定所)に寄せられた求人数を求職数で割った指数。したがって指数が高ければ就職しやすい状況、低ければしにくい状況ということになる。労働需給の状態だけでなく、景気の動向にも敏感な指標だと考えられている。

昨年7月の倍率は1.09倍だったから、前年比ではやや改善している。しかしコロナ前の一昨年7月は1.60倍だったから、まだまだ改善の程度はわずか。それでも7月中に申し込まれた新規求人数をみると、前年比で8.3%の増加だった。内訳をみても製造業は40.8%、サービス業も11.5%増えてきた。コロナで大きな被害を受けた宿泊・飲食サービス業も0.9%の減少にとどまっている。

都道府県別にみると、全国で最も倍率が高かったのは福井県で1.95倍。求人数が求職数の2倍に近い。続いて島根県の1.69倍、秋田県の1.70倍となっている。逆に最も倍率が低いのは、0.84倍の沖縄県。続いて東京都の0.91倍、大阪府の0.94倍、神奈川県の0.95倍となっている。1倍を下回ったのは、この4都府県だけ。

こんなに差が付いた原因はいろいろ考えられるが、大きかったのはやはりコロナの影響。感染者が多かった地域では、企業も求人に慎重だったと思われる。その一方で、求職者もコロナの感染を恐れて活動が鈍ったかもしれない。このため求人倍率の読み方は、少々むずかしくなっている。今後も全国の指数が改善し続けるかどうか、に注目したい。

        ≪1日の日経平均 = 上げ +361.48円≫

        ≪2日の日経平均は? 予想 = 上げ≫
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野放しになった 就職・採用活動

2018-10-20 07:17:33 | 就職
◇ 「青田買い」「種もみ買い」の復活? = 経団連が大学生の採用・面接などの解禁日を定めた指針を、21年春から廃止すると発表した。加盟会社から「この指針に従っていると、いい学生が採れない」という不満が強まったためである。政府は混乱を避けるため、企業・大学と協力して当面は「3年生の3月1日に会社説明会、4年生の6月1日に面接を解禁」という現行の経団連指針を踏襲する方針。だが実効性は全く期待できない。

経団連の加盟社は、大企業を中心に1376社。中堅・中小企業をはじめ外資系企業やベンチャー企業などは、ほとんど加盟していない。だから経団連が加盟社だけに指針を守らせることには、もともとムリがあった。政府が乗り出してきても、結果は同じ。むしろ経団連の撤退で、就職・採用活動は完全に野放しになったという認識が広まっている。

経団連は「21年春から廃止」と言っているが、実際には来年から野放し状態になるだろう。かつて1960年代にも、企業が競って早く内定を出す「青田買い」「種もみ買い」が大問題となった時代があった。今回も、その再燃が懸念される。具体的には、インターンシップがその温床になりそうだ。

欧米の先進国は、みな通年採用。新卒、既卒のほか他企業に就職している人材を、1年中いつでも採用する。日本経済もこれだけグローバル化しているから、その方向へ進まざるをえない。いまはその過渡期で、混乱も生じる。迷惑するのは学生たちと、中小・零細企業だろう。特に学生には、就職先をじっくり選ぶ観察力が重要になってくる。

       ≪19日の日経平均 = 下げ -126.08円≫

       【今週の日経平均予想 = 5勝0敗】  
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無法状態に陥った 就活戦線

2018-06-16 08:05:30 | 就職
◇ 3年生になったら活動開始 = 来春卒業予定の大学4年生は、もう3分の2が企業の内定を獲得した。就職情報大手ディスコ社の調査によると、6月1日時点の就職内定率はなんと65.7%に達している。経団連の指針では、6月1日が採用活動の解禁日。その日にはもう3分の2が内定しているというのだから、開いた口が塞がらない。しかも3年生になったばかりの大学生も就活を始めているというから、2度びっくり。いったい、どうなっているんだ。

就活の状況が異常になった背景には、人手不足という事実がある。しかし就活を巡る制度自体にも、問題があるようだ。内定の返上が増えているため、企業側は必要以上に内定を乱発。最近の傾向は、内定を獲得した学生1人平均で2.5社から内定を受けているという。すると、どうしても返上率が増えざるをえない。それがまた内定の乱発に繋がるという悪循環を生んでいる。一方、経団連の指針を守っている企業には、学生が集まらない。だから指針を守らない企業が増える。

この4月に3年生になったばかりの学生にも、企業側の囲い込みが始まった。その手段に使われるのがインターンシップ。本来は学生に就業体験をしてもらうのが目的だったが、これが面接代わり。経団連が昨年、インターンを1日だけでも実施できるように改めたため、ことしは実施する企業が大幅に増えている。

大学3年生と言えば、勉学に最も身を入れる期間。それが就活に明け暮れるようでは、学生の質は落ちてしまう。長い目で見れば、日本の将来も危うくなる。経団連には、この状態を改善する力はないだろう。文部科学省は有識者会議を招集して、早急に対策を講ずるべきだ。そうでないと、就活戦線は大学1-2年生にまで拡大する恐れがある。

       ≪15日の日経平均 = 上げ +113.14円≫

       【今週の日経平均予想 = 4勝1敗】  

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インターンシップの 暴走

2017-07-27 07:29:49 | 就職
◇ 採用活動が1年前倒しに = 就職情報会社の調査によると、ことしインターンシップを実施する企業は1万社に達する勢いだという。なかには参加した学生に内々定を出す企業もあって、インターンシップが面接代わりになる傾向も強まってきた。この傾向が定着すると、大学生の就職活動は4年生からではなく、3年生の夏から始まってしまうことになる。

経団連の指針によると、企業の新卒採用活動は大学4年生の6月から解禁される。その年の3月から説明会は開催されるが、面接などは出来ない。これは学生が就職活動に入る時期をなるべく遅らせ、みっちり学業に励んでもらうためだ。ところがインターンシップが面接代わりになると、解禁時が一挙に1年も繰り上がってしまう。

インターンシップはもともと学生に仕事を体験し、社会勉強をしてもらうことに目的があった。このため大学3年生に夏休みを利用して、5日以上の日程で実施。企業が採用活動に結び付けることは禁止されていた。しかし経団連は、ことしから「1日だけのインターンシップ」を突如として解禁。新卒の採用ルールは、全く様変わりしてしまった。

経団連は、なぜこんな“暴挙”に出たのだろう。たしかに外資系企業や中小企業には、経団連の意向は及ばない。だから経団連に加盟している大企業は、人材の確保に後れをとってしまうという苦情もあった。それにしても「学生によく勉強してもらう」という重要な目的を、あっさり放棄してしまった意図は何なのだろう。これについて経団連は、ひと言も説明していない。

      ≪26日の日経平均 = 上げ +94.96円≫

      ≪27日の日経平均は? 予想 = 下げ

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もう3分の1以上が 内定している!

2017-05-19 08:05:43 | 就職
◇ 大卒採用ルールは守れない? = いくら人手不足の時代だとはいえ、ちょっと驚く話には違いない。来年春に卒業する予定の大学生は、すでに3分の1以上が就職の内定を受け取っているというのだ。リクルートキャリア社の調査によると5月1日時点で、就職を希望する大学生の34.8%が内定もしくは内々定の通知を獲得している。

この比率は、昨年の同じ調査に比べて9.8ポイントも高くなった。経団連は学業の妨げになることを防ぐため、企業側が面接などの採用活動を6月1日まで実施しないよう申し合わせている。だが経団連に加盟していない外資系企業や中堅・中小企業などには、規制が行き届かない。また経団連に加盟している大企業のなかにも、水面下で採用活動を進めているところが少なくないという。

内定率の内訳をみると、文科系が31.5%、理科系が41.6%。やはり求人の多い理科系の内定率がかなり高い。また男女別では男性が36.2%なのに対して、女性は33.1%となっている。さらに大学院生も41.9%で、けっこう高い内定率だった。

かつての採用戦線は、景気が悪化すると下火になった。だが今回の人手不足は労働力人口の減少によるものだから、長く続くだろう。企業のなかには、年2回の採用や通年採用に踏み切るところも出てきた。一方、3年生から始まるインターンシップ制も普及する気配をみせている。経団連の申し合わせは、風前の灯火のようだ。

      ≪18日の日経平均 = 下げ -261.02円≫

      ≪19日の日経平均は? 予想 = 上げ

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