経済なんでも研究会

激動する経済を斬新な視点で斬るブログ。学生さんの就職準備に最適、若手の営業マンが読めば、周囲の人と差が付きます。

呑み込みにくい 日銀の理屈

2024-03-19 07:35:24 | 日銀
◇ 「インフレなら利上げ」ではダメなのか? = 日銀はきょう19日に開く政策決定会合で、マイナス金利の解除を決定する。同時にイールドカーブ・コントロール(長短金利操作)を停止、またETF(上場投資信託)やREIT(不動産投資信託)の買い入れも終了する。これまで17年も続けてきた金融の超緩和政策を、引き締めの方向へ転換するわけだ。だが、これで日銀が何を目指しているのか。説明がどうもすっきりとは呑み込めない。

マイナス金利の解除を決定した理由として、日銀は今春闘での大幅な賃上げを挙げている。植田総裁も記者会見で、この点を強調する見込みだ。企業は賃上げの原資を確保するため、製品やサービス料金の値上げに踏み切る。すると物価が上がって、日銀が目標として掲げる2%の物価上昇が達成される。だから金融引き締めは、もう不要になったという理屈である。

だが物価は、いろいろな原因の組み合わせで変動する。たとえば戦争によるエネルギーや資源の高騰、あるいは異常気象による食料不足などなど。こうした要因が加われば、物価は2%を大きく超えて上昇するだろう。ところが日銀は「2%程度の物価上昇が長期にわたって続く」と考えているようだ。そんな可能性はゼロに近いだろう。

ウクライナ戦争の勃発によって、エネルギーや資源・食料の国際価格が急騰。日本も物価の高騰に見舞われた。だが日銀は実体経済の需要が不足している状態を重視し、緩和政策を継続した。つまり不況の場合は、インフレになっても対応しない前例を作ったわけである。通貨価値の維持、物価の安定を最大の使命とする中央銀行が、これでいいのか。もっと解りやすく「インフレだから利上げする」と言えないのだろうか。

        ≪19日の日経平均 = 上げ +263.16円≫

        
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