夜な夜なシネマ

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『ベッカムに恋して』

2003年10月28日 | 映画(は行)
『ベッカムに恋して』(原題:Bend It Like Beckham)
監督:グリンダ・チャーダ
出演:パーミンダ・ナーグラ,キーラ・ナイトレイ,ジョナサン・リース・マイヤーズ他

インド系イギリス人でケニア生まれの女性監督の作品。

ロンドン郊外に住むインド系の高校生ジェス。
両親と姉の4人暮らし。
サッカーをこよなく愛し、公園で男友だちとボールを蹴る日々。

しかし、両親はそんなジェスを叱ってばかり。
姉の婚約を控え、ジェスにも女らしくしろと言う。
女がサッカーなんかできても仕方ない、
それよりチャパティをうまく焼けと。

誰も理解してくれない気持ちを、
ジェスは毎日ベッカムの特大ポスターに向かって
ぼやきつづけている。

ある日、いつものように公園でサッカーをしていると、
地元の女子チームのメンバー、ジュールズが通りかかる。
ジェスに可能性を見い出したジュールズは同じチームに勧誘する。

練習にやってきたジェスはベッカムのシャツ姿。
コーチは唖然とするが、
ファイトあふれるジェスのプレーを見てすぐさま気に入る。

両親に言い出せないまま練習に参加するジェス。
地元のリーグ戦を勝ち進んでゆくが、
決勝戦の日が姉の結婚式と重なってしまい……。

なぜか日本でだけヒットしなかったというこの映画。
『少林サッカー』(2001)や『ミーン・マシーン』(2001)と比べて
サッカーのシーンはおそらくいちばんフツー。
サッカー以外においても素直に楽しめます。

英国におけるインド系の家庭の様子も興味深く。
インド人はインド人以外との恋愛は御法度で、
身内が白人といちゃついていただけで破談になることも。
試合中に「パキスタン人」と言われたことに腹を立て、相手に殴りかかって退場に。
その民族にとってのタブーって、映画ではじめて知り得ることが多いです。

女子サッカーに理解がないのは何もインド系家庭だけでなく、
ジュールズの母親も批判的。
女らしい格好をさせるのに必死で、「寄せて上げるブラ」を持ってきたり、
女同士でいるとレズになると思い込んだり、
ジュールズの母親は天然ボケ入ってて○。

結婚式のシーンとサッカーのシーンが
同時進行で映し出されますが、どちらも躍動感いっぱい。
これはどちらかといえば、結婚式のほうに軍配。

最後のシーンでベッカム夫妻(の後ろ姿)が。
エンドクレジットで謝辞が述べられていたので、あれはホンモノなんかな。

原題は“Bend It Like Beckham”。
「ベッカムのようなクロスを」です。

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