ネコのミモロのJAPAN TRAVEL (Mimoro the cat:JAPAN TRAVEL)

「京都観光おもてなし大使」のライターとネコのミモロが、京都の情報や暮らし、グルメなどをご紹介。心和む雑誌のようなブログ

東山五条にある「河井寛次郎記念館」へ。昭和12年から暮らす京都の自宅を記念館に。

2013-08-01 | 博物館・美術館


ミモロが、今日、訪れるのは東山五条にある「河井寛次郎記念館」です。ここは、大正9年からの京都の住まいであり、登り窯を持つ工房があった場所で、現在の記念館の建物は、昭和20年に、寛次郎自ら設計した自宅だったところです。

では、さっそくミモロと中に入りましょう。

河井寛次郎は、明治23年島根県安来に生まれ、東京暮らしなどを経て、大正3年、京都陶磁器試験所に入り、本格的に京都暮らしを始めます。

古民家を思わせる建物は、用の美を追求した民芸運動家を物語る佇まい。京都の町家とは、どこか趣が異なります。

それは、素朴さと力強さを感じさせるものがあるのです。

大きな木をくりぬいた椅子。どっしりとした家具など、木の温もりと生命力を感じさせます。


ここは、まさに河井寛次郎ワールド。建物から、そこに置かれた調度品に至るまで、すべて自ら設計。彼の美意識が、細部まで表現された空間です。
「この机でお勉強したの?」「落ち着くねー。ここならお勉強に集中できそう…」窓からは、中庭に面した建物が。

「この鏡も寛次郎が作ったんでしょ。きっと自分も映したよねー」と。ミモロも自分を映します。


記念館の中は、自由に見て歩くことができ、建物で表現された寛次郎の美の世界を存分に味わうことできます。


「今まで見た京町家より、建具や梁などの使い方に力強さを感じる…。京都の町中なのに、信州などの豪農のおうちにいるみたいな気になる…」とミモロは、勝手な感想を…。

でも、その感想あながち的外れではありません。というのは、ここは、飛騨高山など日本各地の民家を参考にしつつ、寛次郎独自の構想をもとに設計、建築されたものだからです。

「中庭も京都の町家でよく見る燈籠がなくて、シンプルな感じ…」。石が敷き詰められた中庭は、枯山水とは異なる趣。幾何学的な感じです。「あの丸い石なんだろ?」。庭に置かれた球体の石が気になるミモロ。
そばで見ることに…。
この石、記念館の資料によると、寛次郎の故郷、島根の安来の知人たちが、石灯籠を寄贈したとの申し出があったのを、それが彼の美意識に合わなかったのでしょう、丸石にしてもらったそう。贈られた丸石はあちこち動かした後、現在の場所に落ち着いたそう。

「りっぱな石灯籠をプレゼントしようとしたお友達も、シンプルな丸石になっちゃって、ちょっと複雑な気持ちだったかもねー。でも、寛次郎としたら、その好意はありがたいけど、自分の美意識に合わないものを置くのは耐えられないし…。石灯籠じゃ、簡単に壊れたりしないから、悩んだ末の形かな?でも、あちこち移動させたということは、それでも置き場に悩んだんだよねーきっと…」と、また勝手に想像を膨らますミモロです。
「球体って地球儀みたい…でも、この大きさって、どこかで見たことあるー」「そうだー」と飛びつくミモロ。それはバランスボールじゃないのよ。ミモロ、作品で遊んじゃだめ…。

さぁ、それでは、建物から外に出て、登り窯を見に行きましょう。


*「河井寛次郎記念館」京都市東山区五条坂鐘鋳町569 075-561-3585 入館時間10:00~16:30 月曜休み 8月11日~20日ごろ夏期休館 入館料900円

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コメント (2)
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