日々思うこと

日常と、
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祖母

2004-09-01 | 今日の出来事。(私事編)
里帰りしたときに、入院中の祖母を見舞った。
そのあまりな変わりようには、正直言葉を失ってしまった。
電話口で母から聞いていた「小康状態」という言葉のイメージからはあまりにもほど遠かったので…

祖母は、本当にパワフルな人である。
夫に先立たれてから30年以上も一人暮らしだが、趣味も多彩で、人と話すことが好きで、私たち孫をとてもかわいがってくれた。

60歳を過ぎてから始めた絵は展覧会で入選するほどの腕だったし、ご近所にはカラオケ仲間も多く、カラオケ大会で賞をとったりもしていた。
いつもキッチリと濃い目にお化粧をし、女性としてのたしなみも忘れることがなかった。


病院のベッドに横たわったやせ細った老人は、私の知っていた祖母とはどうしても重ならない。
別人としか思えない。

私を認めると微笑んでいるような顔で、一生懸命何かしゃべろうと口を動かしている。
しかし出てくる声はほとんど聞き取れない。
私も「久しぶりだねー」などといろいろ話しかけてみたが、どうもうまくいかない。
やせ細った手足やほおを見るのが苦しかった。

どうしてこうなってしまったのだろう…
年を取るというのは、こういうことなのか…
「ショック」とか「悲しい」とかの言葉が妙に薄っぺらに思えた。

「また来るからね」と病室を後にしながら、心の中ではその「また会うとき」を恐れてもいた私だった。
いつになったら逃げずに「老い」や「死」と向き合えるようになるのだろうか…

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