６分間にかけた青春 ～マーチングコンテスト全国大会に寄せて

演奏時間はわずか６分。
この６分間のために、何十時間も何百時間も費やしてきた。
当事者ではないし関係者でもない私にも、その様子はひしひしと伝わってきた。

きっと、苦しかったことも悲しかったこともあるだろう。
嬉しかったことも、楽しかったこともあるだろう。

ときに人と対立し、人と仲直りをし、
お互いを励ましたり、ともに泣いたりもしてきただろう。

そんなことを全て溶かし込んだ６分間の演奏だったと思う。

関係者でもなければ、家族でもないので、本当のことは分からない。
ただ塾生が参加する大会に見に行っただけの傍観者に過ぎない。
でも、そんな傍観者である私にも、その６分間にかけたみんなの思いは、
大阪城ホールにいてひしひしと感じ取ったつもりだ。

たった６分間のために、
全力で取り組むことができる。
自分の全てをもってのぞむことができる。
こういうのをきっと青春と呼ぶのだろう。

ただ楽しいだけではない、ただ嬉しいだけではない、
悲しみや苦しさも交えて、
わずかな本番の時間のために、自分の全てをそこにささげることができる
世間一般で言われている甘い青春像とは違うかもしれないが、
本当の青春とは、こういうことを言うのではないか。

私が見た大阪城ホールの舞台には、
まさにその青春があった。
一つの物事に自分のすべてをかけてのぞむ人の姿があった。