異教の地「日本」 ~二つの愛する”J”のために!

言論宗教の自由が保障され、ひとりひとりの人権が尊ばれ、共に生きることを喜ぶ、愛すべき日本の地であることを願う。

【沖縄】「基地がなくなれば 天国に行ける」~カッコよかった“文子おばぁ” 〔レイバーネット2017.8.19〕

2017-08-19 15:31:17 | 沖縄

LNJ Logohttp://www.labornetjp.org/news/2017/0817kasa/newsitem_view

「基地がなくなれば 天国に行ける」~カッコよかった“文子おばぁ”

    笠原眞弓

 

*動画(59分 撮影=見雪恵美)

 

 文子おばぁ語録。「アメリカが勝ったから、私は生きている」「基地がなくなれば、天国に行ける」「沖縄に基地がなくなれば、日本中になくなる」。

 8月17日夕方、参議院会館講堂で「辺野古の“文子おばぁ”がやってくる! 島袋文子おばぁを迎え沖縄に連帯する市民の集い」が開かれ500人が集まった。映画『標的の島 風かたか』の監督三上智恵さんが聞き手だった。会場の講堂はあふれ、別会場も満杯になる中で、初めて上京した島袋文子おばぁ(88歳)のお話を聞いた。たった30分だったが、内容は濃かったし、全身で安倍政権に対する怒りをほとばしらせ、戦争はしてはならないというメッセージを私たちに送ってくれた。

 最初に三上さんが、島袋文子おばぁに初めての国会前に来た感想を聞くと、おばぁは「安倍総理に会いたかった。国民の命や財産を守ると綺麗なことを言っているが、その実、反対のことばかり。どういう風にして守るのが、そこを知りたい」と元気な声ですぐに本題に入っていった。

 そして意外なことに、命の恩人はアメリカと言う。「もし、日本が勝っていたら生きていなかった」と。「日本軍がいつか助けに来てくれると思っていた。それなのに、沖縄の人間を殺した」。それは、消えることのない記憶。「だけどアメリカ兵は、降伏するとすぐにけが人、病人は手当をしてくれた。食べ物も…」と。

 三上さんの映画にもあるように、おばぁは死んだ人間の浮いた泥水を飲んで生きてきた。最初は嫌がっていたのに、三上さんに何度も頼まれてその場に彼女を案内したら、その後体調を崩したと言う。それくらいおばぁにとって、辛い痛ましい経験なのだ。「目の見えない母と弟と逃げていたとき、夜、水を探してお母さんと、弟に飲ませた。明るくなってからふと見ると、死んだ人が浮いた。知らなかったんですよ」。

 「安倍の言うこと聞いていたら殺される。戦争は、明日来ます、今日来ますと予告しては来ない」と絞り出すように話す。何もかも犠牲にして、命の限り座っている(午前中座り込んでいるそうだ)。「2回も救急車で運ばれたけど、どんなことをしても基地を止めようと思っている。本土の人が来てくれて、本当にありがたい。でもまだまだ足りない」。

 「私たちは、死に物狂いです。歌ったり踊ったりしている。それは、惨めな思いして来たから、またああなってはいけないから元気にやっているの。基地がなくなったときは、天国にいける」と。

 「北朝鮮のミサイルの迎え撃つと言っているけど、あれは小学生の考え方だ」と笑う。もっともっと、戦争はどんなものか、辺野古に来ていっしょにわかってほしい。沖縄に基地がなくなれば、本土にもなくなると力強く話した。

 その後、自由の森学園の高校生の質問に応じた。

 生徒A:修学旅行で沖縄へ。ガマにも入った。命の恩人はアメリカと言っていたが、心から思っているのか?

 おばぁ:日本軍は、助けるわけがないの。住民の作った防空壕から追い出す。赤ん坊が泣けば、殺される。軍隊に殺されるよりは、自分の手で殺したの。実際に体験した話をしたかったけど、時間がなくてできなかったとおばぁは残念がった。

 死んだ人をまたいで逃げなければならなかったことも、大きな傷になっているようだった。何回もその話をして、そうするより仕方なかったという。

 生徒B:これからどうしていけばいいのか? 自衛隊派遣のことを聞くこともある。

 おばぁ:どうしたらいいかではなく、命がなくなることはいつ来るか知らない。どうしたらいいとは言えない。自衛隊は軍隊といっしょ。戦争になったらどこから弾が飛んで来るかわからない。首がなくなっても、人は数歩歩くの。それを僕たちにどうしたらいいと聞かれても、答えられない。

 生徒B:自分の目で見ることが大事と思っている。今回の話を聞いて、沖縄を見て見たいと思った。同時に、戦争体験してないから、自分の価値観を大切にして調べて行きたい。

 生徒A:中学のとき初めて戦争のことを聞いた。今、感じることがあるけれど、本当に自分のこととして考えられているのか疑問。また、沖縄に行きたい。

 おばぁ:72年前の戦争を教えられないのが悲しい。

 講演後は、官邸前の抗議行動があった。参議院会館でのお話の後、少しの休憩の後に、車椅子で官邸前に現れた島袋文子おばぁは、さらに元気! マイクを受け取ると、渾身の力を込めてアベに呼びかけた。「安倍さん、安倍さんに手紙を託した島袋文子です」。続けて「あなたは美しい日本をつくると言っているけれど、戦争のできる国をつくろうとしているじゃあないですか」と。

 そして「それほどにあなたが戦争が好きなら、あなたの故郷に全基地を持って行ったらどうなんですか。あなたの心は喜びますかどうですか」。最後に「私は基地がなくなるまで、頑張ります」と安倍首相への5分ほどのメッセージを締めた。口では言えないくらいならカッコよく、思わず「私も頑張る」と叫んでしまった。

 

 


安倍政権さらに窮地 加計学園の獣医学部新設「設計関連文書」全文を入手 〔AERAdot.  2017.8.18〕

2017-08-19 01:08:49 | 加計疑惑

AERAdot. https://dot.asahi.com/wa/2017081800074.htmlより転載

安倍政権さらに窮地 加計学園の獣医学部新設「設計関連文書」全文を入手

愛媛県今治市の岡山理科大獣医学部の建設予定地 (C)朝日新聞社

愛媛県今治市の岡山理科大獣医学部の建設予定地 (C)朝日新聞社

本誌が入手した、岡山理科大学獣医学部の設計図。表紙には<岡山理科大学 獣医学部 今治キャンパス 新築工事及び周辺工事 獣医学部棟>とある (筆者提供)

設計図11ページの5階平面図には、建物中央に「エアーロックルーム」「PS2」と記されている部屋がある。これがバイオセーフティーレベル3の施設とみられる。(筆者提供)

 

 加計学園の岡山理科大学獣医学部の新設をめぐる問題で、本誌は計52ページに及ぶ設計関連文書を入手した。

<(仮称)岡山理科大学 獣医学部 今治キャンパス 新築工事及び周辺工事 獣医学部棟>というタイトルの図面の作成者は、加計学園関連グループ会社のSID創研と大建設計。平成29年3月という日付が記されている。

 開校予定地、愛媛県今治市議会は、加計学園に対し、最大96億円(愛媛県負担分も含む)の補助金拠出をたった1日の審議で可決(3月31日)。その巨額補助金の積算根拠の一つが、この文書だったわけだが、これまでその存在は一切、表に出てこなかった。今治市で加計学園問題を追及している「今治加計獣医学部問題を考える会」の黒川敦彦共同代表はこう話す。

「これまで補助金積算の根拠となるものを今治市は情報公開でも明かさず、拒んできた。それがはっきりすれば、市議会のデタラメな議決、水面下でくすぶっていた加計学園の不透明な補助金請求が白日の下にさらされます」 

 国家戦略特区を利用した加計学園の獣医学部新設は8月末にも認可される見込みだったが、文部科学省の大学設置・学校法人審議会は8月9日、結論を出せず、保留する方針を固めた。

「教員数、生徒の定員数が足りない上、教育カリキュラムなどが十分に整備されていないという判断で、保留という結論になった」(文科省関係者)

 本誌は安倍官邸が国会で頑なに詳細を隠していた今治市職員の「謎の官邸訪問」の詳細をスクープ。

 国家戦略特区を使った獣医学部の新設を今治市が国に提案するより2カ月も前の2015年4月2日、官邸で加計学園、柳瀬唯夫首相補佐官(当時)、今治市、愛媛県の4者が“密会”していた事実を報じた(17年8月16日)。市町村の課長クラスが官邸を訪問することは異例中の異例だ。

「週刊朝日のスクープ直後から、獣医学部の設計文書が外部に流出するのではないのかと話題になっていた。文科省周辺からは、設計が出れば認可がさらに遅れると危惧する声が出ていた」(同前)

国家戦略特区で加計学園の獣医学部の新設がOKとなったのは、最先端のライフサイエンス研究ができる施設、設備を設置することが条件だった。

 加計学園は、これまでの獣医学部にはない、最先端のライフサイエンス研究のために「バイオセーフティーレベル3」の施設をつくるとしている。これは、細菌やウイルス、微生物などを厳重な管理下で研究するものだ。専門家によれば、

「鳥インフルエンザ、HIVウイルスなどが研究対象です。最高のレベル4だとエボラ出血熱のウイルスなどになります。レベル3や4は非常に高度でかつ厳重な管理が必要で、それに対応できる施設でなければいけません」

 本誌が入手した文書の11ページにバイオセーフティーレベル3の研究施設が記されている。だが、それを見た研究者はこう指摘する。

隔離性が低く、危害性の高い病原微生物等を取り扱う教育、研究、病性鑑定には不向き。これでは高病原性鳥インフルエンザの検査、診断、実験、研究は難しいと思う。施設全体でみても、動物実験を理解していない人が設計しているんじゃないか」

 前出の文科省関係者はこう指摘する。

「目玉であるはずの、バイオセーフティーレベル3の施設の内容がはっきりしないのです。それもあって認可が保留となっている」

 さらにバイオセーフティーレベル3の施設の内容いかんによっては、建築費用が大きく変動するという。加計学園は、建築坪数9857坪、その建築費192億円と見積もっている。逆算すると建築費の坪単価は150万円だ。

 建築費のうち半額の96億円の補助金を今治市と愛媛県から得ることになっている。だが、設計図を見た建築エコノミスト、森山高至さんはこう指摘する。

「獣医学部なので特殊な建物かと思っていたら、ごく普通の商業施設と同じレベル。なんらかの獣医学部の施設がプラスされるのでしょうが、坪単価で80万円から、高くとも100万円でしょうね。とても150万円するとは思えない」

 こうした専門家の指摘を鑑みると、加計学園が、見積もり価格を大幅にアップさせ、補助金を請求したのではないかという疑惑が浮上する。

 森友学園の籠池前理事長らが逮捕されたのも、国交省に小学校の建築費を過大に見積もって、補助金を多く受け取ったとされる詐欺容疑。それと同じ構図が浮かぶ。民進党幹部がいう。

「文書の全容を国会で審議すれば、疑惑がより鮮明になる。すぐにでも国会で安倍首相に問いただす機会をつくるべきだ」

 前出の黒川氏はこう話す。

「私もその文書を見たが、とても坪単価150万円はあり得ないとの専門家の話を聞いた。市民の税金を投入するなら、きちんとしたデータを公開することが必要だ。だが、今治市は住民説明会でもきちんと釈明できないのに、加計学園に96億円もの税金投入を即日で決めている。その真相が流出した設計図でわかってきた」

 今治市民の63%が加計学園の獣医学部新設に反対しているというデータもある。

 今治市に取材を申し込むと、「各社からの問い合わせに順番に対応している」と期限までに回答はなかった。

 加計学園は取材に対し、「担当者が夏季休業中なので対応できない」と話した。

 今後、黒川氏らは法的手段を視野に、この疑惑を追及していくという。

(ジャーナリスト・今西憲之)

週刊朝日オンライン限定記事

 

 【関連記事】

【加計疑惑】これが設計図だ 「水増し請求詐欺」裏付ける安普請

工事関係者から流出した加計学園・獣医学部棟の設計図は、A3版52ページから成る。建築材料すべてが一つ一つ指定されているため、建設コストがわかる。

工事関係者から流出した加計学園・獣医学部棟の設計図は、A3版52ページから成る。

建築材料すべてが一つ一つ指定されているため、建設コストがわかる。