Side Steps' Today

裏版Side Steps' Today

フォアグラ日記

2023年08月26日 | フォアグラ日記
ジャンバルターコー(タコス/沖縄県名護市)
沖縄中部の西海岸、具体的には恩納村に宿をとると毎回困るのは食事。バカ高い値段で提供するホテルのレストランは完全敬遠し、ドライブがてら新しい店を開拓するのだが、恩納村の58号沿いにある飲食店はそのようなホテル宿泊客の受け皿としてのビジネスモデルが確立されていることから、敢えて地元民が行くような街中のレストランを調査。気分はタコスであり、訪問済みのキングタコスやチャーリータコスも検討したが、攻めの姿勢を貫いて新規軸で同店を訪問。名護市内にあり、事前情報での評価も高かったためだが、車内から外観を見た瞬間に車内は一同無言。大変失礼ながら営業しているのかさえ不明な様子で、特にイートインはコロナ禍のため閉鎖されていてテイクアウトのみの様子。きっと違う店なのだ、と言い聞かせて車をUターンさせて再度店前までくるも、間違いなく目指すジャンバルターコー。ただ、さっきと違うのは店の前でテイクアウトを待つ客が一名いること。それでもやはり車のブレーキは踏めずに店舗前をスルー。しばらく先に駐車して別の選択肢を探るも「実際にテイクアウト客がいる」という事実は大きく、再度Uターンして同店前に駐車。これで同店前に3回来たことになる。すると同じ路肩にもう一台駐車があり、これもテイクアウト客の様子。さらには先ほど通過した時に待っていた客ではない違う客も店前で待っているではないか。俄然、名店の香りが漂う展開となり、テイクアウトで購入することに。購入したのはタコス(チキン・ビーフの2種)、ローストチキン、そしてクリームスープ。受領まで10分程度要したが、ローストチキン臭漂う車で30分爆走してホテルへ帰着。さっそく食するに秀逸なのはローストチキン。この倍購入すればよかったと思うほど売れ行きがよくて瞬間蒸発。スパイシーな具合がよろしい。タコスも美味だが、ビーフよりチキンの方が良し。スープも価格対比で十分美味でこれで全部が1500円程度と格安。店は外観で判断できない教訓を得るも、あとで写真を見るまで気がつかなかったが、同店フロントには鳥居のデザインが…。沖縄米軍基地の入り口でもよく見られるものだが、なぜここに? 鳥居の”鳥”は鶏を示す(古事記)から、ローストチキン=鳥居?……まったく深淵である。次はこの付近で非常に異彩を放つ飲食店「名護曲」に挑戦。

玉肌日記

2023年08月19日 | 玉肌日記
天塩温泉(北海道天塩郡天塩町)
天塩の海沿いにある温泉。到着が日没後で辺りは真っ暗。全く人気のない町中を走ってこの温泉施設に到達するに、駐車場には結構な数の車。案の定、温泉は盛況だったのだが「真っ暗な場所に多くの人がいる」という感覚が東京とはどうしても違う。東京では「多くの人が集う場所=それだけ照明や広告等が明るい場所」という定式なのだが、こちらではそれが全く裏切られる(一方で極度に寂しくもなくてホッとする)。節電なのか、それとも周囲の暗さで眼が混乱しているのか、館内自体もなんだか薄暗いのだが、これは東京生活での明るさが逆に異常なのだと理解。浴室に入った瞬間、ここも恐ろしいほど暗い。なんだか懐かしいホッとする香りが立ち込めており、「かつて嗅いだことのあるこの匂いは何だったか…」と記憶を辿って考えながら入浴。それが何なのか、今もってまったく思い出せないのだが、考え込みながら入浴するにその匂いは次第に変化。トップノートは懐かしい木材系のマイルドな甘い匂い(甘い大鋸屑=おがくず系?)なのだが、入浴して鼻が温泉面に近づくにつれて科学的な匂いに…(これがミドルノート)。これもかつて嗅いだことのある匂いながら、これも具体的にはまったく思い出せずに沈思黙考しながら入浴。言葉での表現には困難が伴うが、石油化学製品系の匂いに近く、ビニールのような石化製品(テーブルシートでこんな匂いのものがあった気もする)もしくは接着剤か。トップノートはマイルドだったが、このミドルノートは結構キツく、次第に頭痛が…。なお、浴室が暗すぎて湯の色は不明ながらかなりの塩味(鹹味)がある。入浴中に肌に触れるとややヌルヌルする感覚で、泉質はナトリウム・塩化物強塩泉(旧泉質名:強食塩泉)でpH7.3。湧出温は38.9℃で湧出量は毎分97Lとある。比較的近く、といっても30km先には豊富温泉があってそちらはまさに油風呂だから、海岸付近でよく湧出する食塩泉+石油系温泉という混合か。

玉肌日記インデクス(地域別温泉リスト)

①北海道 ②東北 ③関東 ④中部 ⑤近畿 ⑥中国・四国 ⑦九州・その他



弘南鉄道 大鰐線・中央弘前駅(青森県弘前市)

2023年08月12日 | 畸観綺譚
さかのぼること十数年前に弘前に車で訪れ、市内をなんとなく走っていた時に思わず目にした際のインパクトは凄まじく、思わず昭和の幻影をみたかのごとく二度見したほど。今でも残っているのだろうかと下調べもせずに念願叶って再訪したのだが、まだそこにあった!弘前といえば城でも桜でもなく、圧倒的な印象はこの中央弘前駅の駅舎にある。地方のローカル線が廃線となるなか、これが残っていることは奇跡的であるように思われる。弘南鉄道は弘南線と大鰐線の2路線のみで弘南線の弘前駅はJR弘前駅に隣接しているが、大鰐線は街中のココ中央弘前が始発。大鰐線は1時間に1本程度の運転だが、訪問時にたまたま電車が出発するところに遭遇! すると、なんだかみたことにある銀色地に赤のラインの入った電車が…。思い出すだにこれまで東急で走っていた電車である。駅は開業当時の1952年から70年間変わらないように見えるが、これが残っているというのが素晴らしい。駅舎からホームまでの間は「ビニールハウスの骨組みのみ」といった風のアーケード状のもので繋がっているのだが、屋根たるビニール部分は吹っ飛んでしまったのだろうか。駅の中は「弘前れんが倉庫美術館」に抜けるための自由通路になっており、その通路からホームも見学できるがホーム屋根は木製。そこにつけられた「行き先掲示板」がなんともレトロで良い味出まくりなのだが、あまりにレトロすぎて行き先がよく見えず。よく見れば「かいそく、大鰐ゆき、中央弘前ゆき、まもなくきます」という4択であって、ここ中央弘前駅では不要の表示も…。かいそく(快速)もあるのか?という風(2006年まで平日朝のみあった模様)だが、駅舎に戻れば広告に混じって「ねぶた絵」もあり、観光誘致にも積極的な企画を行っている様子ながらもこの渋さだけで十分に魅力的。不思議に「東北にきたな~」と改めて実感。

フォアグラ日記

2023年08月05日 | フォアグラ日記
金剛石(カレー/大阪・瓦屋町)
カレーを食しに難波から徒歩で向かうも、歩いてふと周囲を見回せば韓国・中国語の看板多く、どこかアジアの異国に紛れ込んでしまった感覚に陥る。実際に看板だけでなくて韓国・中国語も会話の中にちらほら聞こえてきており、その話し手は明らかに観光客でないことから、難波の繁華街もちょっと外れればこのようなエリアが存在することを初めて知る(後で聞くにここら辺はかつて「南地」と言われた色街跡だった)。また、東京では最近ほとんど絶滅にてお目にかかることもない暴走族も、大阪では引き続き生息している様子。イルミネーションが輝く華やかな御堂筋に吸い寄せられる蛾のごとき暴走族を久々に見る(御堂筋沿いに宿泊したが、真夜中を通じて10数回の爆音の襲撃を受ける)。さすがこの手の筋は「やんちゃ」と形容され、そして許容される大阪ならでは(警察のフォロー等は一切見られないのもある意味で潔い)。タウンウォッチをかねて難波から徒歩で訪問するも、所要は20分程度だが客は当方のみ。メニューは定食堂と謳うだけあって、カレーか普通の定食の二択。当然こちとらカレーの選択だが、今日のカレーは鯖(サバ)かチキンの南インド風カレー。ライスの量、あいがけの組み合わせでプラシングが精緻に決まる仕組みだが、あいがけ(鯖とチキンの半々)のバスマティライスを選択して供されたのがコチラ(写真)。右が鯖で左がチキン。ライスの上に乗っているのは「ホタルイカ?」とも思ったが食しても結局なにか分からず。見れば柘榴(ザクロ)の実もあったりでまるで闇鍋感覚なのだが、双方の味を試したのちに思い切って混ぜてみるとなんとも奥深い複雑な味。インドのカオス(混沌)を体感。スパイス感は十分ながら決して粉っぽさはない。中には葉っぱの原型を留めたスパイスがあるが、「この葉はこんな味なんだ~」と成分分析しながら食する。鯖は鯖の脂感が十分な一方、チキンは意外にドライ。店内はL字のカウンタのみだが、新参者の礼儀として最も隅っこに着席するも後頭部上にはスピーカーがあり、カレー食事中に流れるのはオザキ(尾崎豊)、しかも銘曲「15の夜」。「盗んだバイクで走り出す…」というサビが、昨晩何度も急襲された暴走族の爆音とカレー効果も相俟ってシナプス的結合を果たす。