北海道全線阿房列車(7)
定刻1109に来た「おおぞら3号(釧路)」に乗車して釧路へ。途中の帯広では結構な降車客。定刻1320に釧路着も次は普通(根室行き)1326へ乗り換え。乗り換え時間6分というのは、それを逃すとそのあとは数時間全く来ないという状況がノーマルな北海道では、長いようで短く、大変気を揉む時間。列車は鈍行一両編成ながら結構な乗客があるも、釧路を出てしばらく行くと早くもシカ・ゾーンに突入。駅でもないのに列車が汽笛を鳴らして減速すると線路上にはシカが…。シカも「なんだよ…」とばかり、行き過ぎる列車に白きお尻を向けて不満げに見返るという具合でなかなか愛嬌あり。厚岸(あつけし)でかなりの降車客があり、その後列車は一路根室へ。途中にシカが濃い地域が数カ所あり、なかには恐ろしくウジャウジャいる場所も。これらはエゾシカのようだが、増え過ぎが問題というのも分かる。被害は農業被害、森林被害、さらに車や列車等との衝突事故、このシカ害は後に身を以って知ることとなる…。東根室という日本最東端の駅の次は終点の根室。東根室は何もない無人駅だが、根室はここから反時計回りに内陸に入り込んだ位置にあるため、東根室が最東端となる。しかし、終点・根室駅にも負けじと「日本最東端有人の駅」(有人というのはなんだか嫌味がある)との表示があり1557着。同じ列車が1612に折り返すので根室滞在時間は15分間。折り返しの帰路はすでに夕暮れ。霧多布方面に夕陽が落ちようとする中、列車は再び釧路へ戻るが、乗っている客10名程度全てが当方と同じUターン組でJR北海道の苦境が偲ばれる。
【写真】進行方向の線路に群がるシカ。お尻が白くて雪と保護色になっているので見分けにくいが、四角で囲った部分が全てシカ。到ってマイウェイ。一方、見分けて運転を続ける運転士の眼は猟師並み。