Side Steps' Today

裏版Side Steps' Today

九州全線阿房列車(9)

2022年08月27日 | 畸観綺譚
九州全線阿房列車(9)
宿泊が決まると一安心にて1609発で吉松へ。学生中心に結構な乗車だが、途中の1633高崎新田でかなり降りる。左手には背から夕陽を浴びて後光がさす霧島連山がなんとも神々しい。1752吉松着。ここから1806発(隼人ゆき)一両編成に乗り換えるが、乗客は数名、かつ、いずれもこれまで吉都線に乗っていた面子。というのも人吉を経て八代に向かう肥薩線がここ吉松から分岐するのだが、2020年の熊本豪雨(令和2年7月豪雨)で人吉方面への橋梁等が多く流出して運転復旧の見通しが立っておらず、隼人に戻るしかない。北海道でもそうだが、このようなローカル路線は災害で一度でも不通になるとバス代行→廃線という帰結になることが多くて悲しい。数百億の復旧コスト、さらにもともとこの路線は年間9億円の赤字と聞けば、なおさらである。日没で沿線周囲は真っ暗、1833霧島温泉付近では携帯電波も相当怪しい。また、途中駅の駅名板もここに限らないが、退色しており判読困難なものもあって廃れ感たっぷり。特にJR九州は赤を多用するが退色しやすい色合いでもある。1903隼人着。ここで再び日豊本線に乗るが、皆は鹿児島中央方面へ向かい、宮崎方面に向かうのは当方のみで鹿児島中央へ向かう特急が出てしまうと残る人なし。隼人駅を降りてみるが、駅舎には隼人駅の看板に加えて島津家の家紋(丸に十字)。まだ19時台だが人数疎らで寂寥としたホーム。1927発(宮崎ゆき)に乗車したが、乗客はほとんどなく2132宮崎着。今日は17時間かけて538キロ走破。駅からは人通りのほとんどない駅前通り(高千穂通り)を15分ほど歩いて投宿するも、宮崎はやや暖かく心地よい。宿もとても1500円とは思えず必要十分。シャワーを浴びるが列車の振動の感覚が染み付き、まだ乗車しているかのような上下動。明朝も出立が早いため即就寝。
【写真】上述「背から夕陽を浴びて後光がさす霧島連山」。

九州全線阿房列車(8)

2022年08月20日 | 畸観綺譚
九州全線阿房列車(8)
川内は九州新幹線への乗換駅だが、そのまま1127発(鹿児島中央ゆき)で戻る。その帰路中1140に周囲の携帯電話が一斉に鳴り始める。周囲の女子高生は何事かとそれぞれ携帯を見遣るも、当方の携帯もバイブレーション!慌ててみるに「緊急速報」というポップアップとともに川内原発での事故発生を想定した原子力防災訓練との表示が…。懸案は氷解したが本当に心臓に悪い。1216鹿児島中央着。次は1310発(都城ゆき)に乗るまでの1時間弱でランチをと思い、駅ビル内で「ざぼんラーメン」。どうしても短時間でとなるとこうなってしまうが、とんこつラーメンは久々にてなかなか美味。塩味もキツくなく意外にあっさり。1310発(都城ゆき・日豊本線)2両編成に乗るが車内は満席。右側には桜島が非常に綺麗に見える。1334帖佐(ちょうさ)着。大学時代に本当に一緒によく演ったDrummerと同名の駅。名前として呼ぶ時には最初の「ち」にアクセントがきていたが、車内放送によれば「さ」にくる。その後、1346隼人、1350国分と下車する人が続き、1408霧島神宮でほとんどが下車してあれだけ満員だった乗客は数名に。このあとの都城から吉都線・肥薩線と反時計回りに霧島連山を周るので、3時間後にこれらの駅を再び通ることになるのだが。1444都城着。次はローカルな吉都(きっと)線に乗車するが、1609発(吉松ゆき)まで列車はない。1日9便のみの路線なため都城駅付近を散策。とはいっても何もない。都城は「彗星」とか「富士」の終着駅で宮崎県第2の都市というイメージだったが、駅前にはなにもなし。喫茶店らしきものも視界になく、さらになにもない駅逆側いくと素晴らしい喫茶店を発見してコーヒーと甘味。宮崎到着の時刻を鑑みれば夕食はどうせコンビニだろうから、これを夕食代替としてアイスがタップリと乗ったワッフルをオーダー。食しながら本日の宮崎の宿泊を確保するが、駅から徒歩15分(とはいっても宮崎の中心繁華街から1分)のホテルが1585円(泊)とあって予約完了。なお、翌日の熊本駅前の最安ホテル4780円もキャンセル可だったので予約。
【写真】小学生の頃から憧れだった都城駅。空が広い…。

フォアグラ日記

2022年08月13日 | フォアグラ日記
コチンニヴァース(カレー/東京都新宿区)
”パッと見”で店名を「こんにちわーっす」(軽薄な兄ちゃん風)と思わず誤読してしまうが、「コチンの小さな家」の意(コチンもなんだか誤読しそうでコワイ…下品で失礼)。コチンとはケララ州にある町で、国際空港もある結構大きそうな南インドの都市。店は大江戸線の西新宿五丁目駅から比較的近いが、ちょっとわかりにくい奥まった場所にある。席数12の小さな店で、カウンターの向こうはクリアパネルを隔てて厨房という「意図しないオープンキッチン」様式。カウンターに着席してメニューを見遣るに強烈な視線を感じてふと視線を上げれば、JKシモンズ(映画「セッション」に登場)似の店主(と思しき方)からの強烈なガン見視線…。マスクなので余計に先方の表情が分からず一瞬ビビるが、インド方面の方々によくある「一般的なガン見(決して他意なし)」と思い、こちらも負けじ(?)とガン見する。気分は完全にビリヤニだったので、チキン・ビリヤニをオーダー。JKシモンズ店主のガン見を中和する穏やかな日本人マダムがオーダーを取っており、幾分か緊張から弛緩するも、程なく厨房は白煙で充満…。JKシモンズ店主も白煙に霞む(さすがにこの時点ではガン見は止んでいる)。他の客はソロ女性客(すでに食事中)だけであり、明らかに「あの煙、俺のビリヤニ?」と思わずにいられない状態だが、まったく無事に供される(写真)。食するもあまり辛くはなく、ほどよい酸味があって美味。チキンがゴロゴロ入るがこれもなかなか美味で食べ応えがあり、バスマティライスの食感が非常によろしい。次回訪問ではカレー(液状)を食することを期するが、会計を経て退店して外観を撮影しようとすると、なんと!大きく開いた厨房の窓からこれまたガン見してくるJKシモンズ店主!(特別に写真その2)「そんなに気になる客だったかしら」と自省しながら手早く撮影を完了。まだガン見のJKシモンズ店主に対して思わず手を振れば、表情こそ変わらねど手を振り返してくれ、思い切り心が和む。なお、帰りに自転車で走行中に至近に以前訪問の山珍居(台湾料理)があることを再発見。

            

九州全線阿房列車(7)

2022年08月06日 | 畸観綺譚
九州全線阿房列車(7)
上伊集院付近にて、ちょうど真後ろに座っていた中年男性の携帯電話から異音が発生。これまで聴いたことのない異音=アラームで車内は騒然、携帯から小音量で聞き取りにくいながらも「放射性物質が漏れ出していませんか? 屋内退避を…」とまったく尋常ならぬ自動音声(女性)。聴いた瞬間に完全に凍りつく。川内には京セラがある(鹿児島空港でのバス行き先に表示されていた)ようだが、当方によって川内といえば完全に「原発(原子力発電所)」。東日本大震災後に電力会社研究を相当やったが、震災後の新規制基準の審査で初の再稼働をした原発でありそのイメージが非常に強い。そこに向かう途上でこのアラーム。危機的にヤバいことを自動音声はサラリと言っているが、逆にその冷静さが一層の恐怖心を煽る。「お風呂の栓の閉め忘れはありませんか」程度の軽妙さで人類に危機的なヤバいことを言っていることに一層の終末感があるも、携帯所有者は「ちっ」という感じ。周囲も別に慌てるふうでもなく、内心極めて焦っているのは当方だけという状況の中、列車は何事もないように淡々と川内に向かって進む。こちとらこのアラームに悶々として景色堪能どころではない。後ろの男性が放射性物質を運搬して乗車しており、もっている放射線検知装置からアラームが出ている?等の妄想が膨らむが、そのリスクを熟知している運搬者たる男性が冷静なのも解せず、また列車内に放射性物質を持ち込むか?という管理上の疑問(国交省の定める運搬基準があってまず不可能)もあり悶々としたまま1119川内着。
【写真】突然携帯電話に入ってきた「緊急速報」、詳しくは次回を待て!