Side Steps' Today

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玉肌日記

2019年02月23日 | 玉肌日記
【北投温泉(台湾)】
こちらの北投温泉には、台湾の物価を考慮しても圧倒的に高額と思われるオシャレな温泉旅館もあり、それらは高額にて日帰り温泉営業もしているのだが、こちとら泉質と価格重視。ついては、おそらく高額施設の1/10ほどの料金(一部屋1500円)と思われる「瀧乃湯」ヘ。大正12(1923)年に後の昭和天皇(訪問当時は皇太子)が行幸したという石碑が残るが、中は大浴場に加え、家族浴室が複数あるという構造。価格的に有利とみられる家族浴室を所望するも、営業時間外とのご指摘(=訪問が10時過ぎだったが営業は12時から)があったが、なかなかに気の利く番台さんで時間外であっても案内してもらって個室へ。浴槽は畳一畳分程度だが、源泉と冷水の蛇口があるという非常にシンプルな内容。源泉は高温なようで湯温も結構高い。当初47°C程度だったものを冷水で薄めて入浴するが、泉質は草津温泉に近くて高酸性。湯は酸っぱ苦い独特の風味で、この手の味は日本内の温泉で経験なし。pHは1~2程度との記述あり、番台さんが「温泉で顔を洗うな」というのも納得。泉質表示は酸性緑碧泉だが、なかなかに本格的な温泉でちょっとナメていた自分に反省。玉川温泉にあった北投石はこの付近産出であり、浴槽の一部にも使われているとのことだが、泉質も玉川に近いか。(了)

玉肌日記

2019年02月16日 | 玉肌日記
【北投温泉(台湾)】
ついに温泉も海外進出、その第一弾はお隣の国、台湾。かつての日本統治時代の下で温泉も開発・整備されており、台北からもっとも至近の北投(Beitou)温泉へ。路線カラーが赤であることから「(台湾の)丸ノ内線」と勝手に名付けた淡水信義線を使えば、ホテルのある中山站から北投站まで35分程で到着。感覚的には東京~荻窪であり、こんな至近に温泉があること自体が意外で、あまりに便が良すぎる。ここから新北投站までは1駅分の乗り換えが生じるが、距離500メートルほどのカーブをゆっくり進むのはまるで遊園地の子供用鉄道に似たり(かと言ってスピードを出して横倒しになっても困る)。そして、駅舎を出ればどこかで嗅いだあの香り、思い起こせば伊豆熱川にて香っていた、温泉が下水に流れる時に生ずるあのなんとも言えない香り。これは万国共通なのであった。新北投を降りると、日本資本のセブンイレブンや吉野家が目についてまったく幻滅するが、15分ほど温泉街を緩やかに登って行くと地熱谷なる温泉噴出地に到着。草津でいうところの湯畑のような存在だが、別府でいう地獄池の雰囲気であり、湯気と熱気が圧倒的。湯の色は緑に見えるが、あまりの熱気のため早々に退散。ちかくには温浴施設ながら既にデフォル卜した施設もあり、このサビレ感も伊豆のあの雰囲気と同様でこちらも万国共通なのであった。(続く)

”怪我”牀六尺(28)

2019年02月09日 | 畸観綺譚
(28)
手術から4日後が退院の日でした。昼前には退院と聞いていましたが、確かに病院は暇で退屈ではあるものの症状が悪化したり不都合があればすぐに診てもらえる一方、帰京すればそのような環境も得られようはずもなく、そのためか退院が非常に嬉しいという感じでもなくて、なんとも微妙です。退院前に大先生に術後の状況を見てもらいますが、レントゲン写真は問題ないものの、傷口の状況に問題ありとのこと。一昨日前からそうだったのですが、手術跡は問題ない一方でその周辺に花豆程度の大きさの血腫が複数できており、素人目で見ても異常です。その血腫が潰れた際に消毒しないと可能するリスクがあるため、事前に血腫をつぶして消毒し、様子を見るのが良いとの判断となりました。なお、気になる手術跡ですがパッと見で縫合痕はなく、表面をテープで何箇所も止め合わせているだけです。テープで止まっているのかと思いきや、内部を縫合してあるので表面に縫い目が出ないとのこと。なかなか気を遣っていただけます。

”怪我”牀六尺(27)

2019年02月02日 | 畸観綺譚
(27)
実父が言うには、入院期間中の後半に親戚一同での旅行を控えているとのこと。明日には自宅に一旦帰り、再び磐梯への旅行のためにこの付近を列車で通過するわけですが、時間の有り余る引退世代なので各駅停車の旅という計画。当方のいる病院がある駅でたまたま電車の乗継があるらしく、その際に親戚一同に対して「乗継時間が数分あるからその時間に病院を抜け出して駅まで見送りに来てくれないか」と至って真面目に提案をしてきます。きっと親戚一同の楽しいであろう旅行に、話の花咲くとっておきなネタとしてこのサプライズなイベントを突っ込みたかったのでしょう(当然までに行きませんでしたが)。翌日の列車が最寄り駅を通る時刻になりますと「ああ、今頃ネタになって皆に笑われているんだろうな」と。列車からはなんとか病院が見えることから、 得意げに「あそこに入院している」との案内が親戚一同に対してあったに違いありません(のちに聞くに往路の車内はこの話題で持ちきりだったとのこと)。