Side Steps' Today

裏版Side Steps' Today

北海道全線阿房列車(22)

2021年09月25日 | 畸観綺譚
北海道全線阿房列車(22)
なお、帰路でもシカは多く見受けられ、特に轢死体のあった付近は今回も徐行運転。このためか15分程度遅延して旭川1703着(本来は1648着予定)。往きは鈍行各停6時間、帰りは特急4時間という具合。昨晩と同じホテルに投宿し、夕食は寿司。流石に夕食が連続で旭川醤油ラーメンというのはキツい。ホテルから歩いて数分にある、あらかじめ目星をつけていた寿司屋を訪問するも、GPSを頼りに行くがなかなか見つからない。非常に暗く、とても中で営業している店舗などなさそうな貸しビルの位置をGPSは示すのだが、その薄暗い廊下の向こうに寿司屋を発見。あまりの状況にどうしようか一瞬怯んで悩むも、その寿司屋の看板と暖簾がキレイであったことから、意を決して暖簾をくぐる。店内は外の廊下とは対照的に明るく、清潔。まだ早い時間ということもあって客は誰一人いないが、食しているうちに電話で予約が入ってくるところを見ると正解だったか。価格もお好みで刺身をつけて5千円以内であって格安。寿司屋店主におすすめを聞くと、技巧派の寿司屋だったようで回答は「穴子」。たしかにタレの甘さを控え、崩壊寸前にまでほろほろに煮られていた。結果、三日目は519km、9時間52分乗車。明日は富良野経由で留萌線、そして岩見沢から室蘭本線で南下して苫小牧泊の予定。

【写真】積雪のため、ちょうどこちらの目線付近で列車を見送るシカ。

北海道全線阿房列車(21)

2021年09月18日 | 畸観綺譚
北海道全線阿房列車(21)
北限ではあるが、高台から見遣る海は青く、流氷の類は一切見られず。ちなみに稚内北端にあるのはノシャップ岬(野寒布岬)、根室東端にあるのは納沙布岬であり大変紛らわしいが、バスの行先表示にはノシャップとカタカナで記される。最北端は宗谷岬。稚内市街はホテルサハリン、北防会館等北限感のあるネーミングが多く見ていて飽きない。さらには稚内信金前にはロシア語キリル文字による両替を案内する看板も。天候よろしく市街を回っていると汗だくだが、駅に戻ってランチを物色するに時間を掛けないのには駅そばしかなく、利尻こんぶそばをオーダー。その後は観光案内所に行き、次回訪問のために利尻・礼文島へのアクセスを探る。パンフレットを使って非常に丁寧にご教授くださるが、強行すれば1日で2島回れるとのこと。朝7時頃に稚内発→利尻9時着(4時間滞在)→利尻13時発礼文14時着(3時間滞在)→礼文17時発で稚内19時着という具合。今回は行けるはずもないが、この旅程にしても行き帰りで稚内宿泊は必須(旭川までたどり着ける最終便は1803稚内発)。また天候不順によるフェリーの運休リスクも考えれば相応に余裕を持たねばならない。1301発のサロベツ4に慌てて乗車し、一気に旭川へ。ちなみにここでも鈍行各停乗車にこだわった場合、1803稚内発の名寄行きで2149着、2216発に乗り換えて旭川2340着になる。考えるだけでも恐ろしい。

【写真】稚内港北防波堤ドーム横からノシャップ岬方向を見遣る。後ろをノシャップ岬行きバスがゆき過ぎる。

北海道全線阿房列車(20)

2021年09月11日 | 畸観綺譚
北海道全線阿房列車(20)
豊富1113着。上りとのすれ違いで1117発のためホームに降りる。ここ豊富は温泉が有名で、石油成分が混じっている黒いヌメっとした湯が湧出している。日本最北の温泉郷でもある。いつか必ず訪問したいが温泉街までは4kmほどあり、当然今回は断念。そして抜海(ばっかい)1148発着を抜ければついに日本海へ。日本海に抜ける地名・駅名が抜海(ばっかい)とは非常にセンス良し。抜海を越えると小高い丘の上に「利尻富士」との票木の見える見晴らしのよい地点に到達。JR北海道もなかなか気が利いており、このビューポイントで列車は徐行。車内はシャッター音で溢れる。あと20分弱で終着の稚内だが、次第に宅地化地域となるため急速に景色への興味を失う。1207、日本最北端の駅・稚内着。終着の象徴たる車止めは雪に埋もれていて見えず。意外に近代的で場末感がみじんもない駅舎に驚きながら外へ。帰りは1301発の特急サロベツ4(旭川行き)に乗って一気に戻る予定のため、1時間弱の滞在。近代的駅舎を出ると駅前広場にモニュメント的色彩の車止めを発見。その先には前回車で一周した時に宿泊したホテルが見えるも、以前は航空会社系列だったが運営主体が変わっている。様式美のある稚内港北防波堤ドームを見学。昭和6年着工11年完成というモダンさだが、戦前に稚内~樺太の定期船航路の発着所として建設されたもの。昭和55年に改良施工したものが完成している。かつてはこの先にも日本があった。

【写真】稚内の終着点。積雪で車止めは見えないが、終着点らしく近代的な駅舎ながらもホームはこの1面1線の単式。

ちょっぴり浮気してしまいました(第3弾)

2021年09月04日 | 機材マニアック
楽器屋のWEBを見ては気になるベースを探してもう20年以上、なかなか目ぼしい個体には巡り会えない。4弦や5弦はかなりバラエティがある一方で、6弦になると非常に個体自体が少なくなり、結果選択肢も思い切り絞られるのが実情で、今時面倒な6弦のベースなど弾こうなどという若人も出てこないのだろうとの諦観が確立しつつあるが、そんな中で一際に目を奪われたのがコレ。中古のPAUL LAIRAT(仏)のStega 6 Strings(NAMM2017モデル)だが、その超独創的なルックスにノックアウトされてさっそく所蔵の楽器屋に試奏へ。 早速実機を手に取るに、意外にデカイ!写真ではかなりコンパクトなイメージだったが6弦のせいかボディが意外にデカく、フレームのみのヤマハのサイレントギターを連想させる。さらには意外に重い!データ上では4.6kg程度であって相応に重いのだが、この「中抜きボディー」の外見から軽いと勝手に想像していたので、よりギャップが大きい(おそらくバックは比重の重いブビンガ材)。お見合い写真と実物の差異は、実際に見て、持って、試奏してみないと分からないものだ…と強く痛感。ヘッドレスだが使用弦はダブルボールエンドでないのが素晴らしい。弦の選択肢が増えることでコストが大きく下がるのが非常に好ましいが、試奏するにアース漏れと思われる小さいチリチリとしたノイズが混じる。残念ながら欠点が見えてくるとより悪い想定をしてしまうのが常。ピックアップ形状が独特だが故障時にリプレイスできるのか、といった想定から果ては、楽器を万一落とした時にツノ(特に写真では本体右上と左下が特に脆そうなのは一見してわかる)がポッキリと折れてしまうのではないかと想像。これをソフトケースに入れ、スタジオに向かおうと自転車に乗ったはイイが途中で転倒してベースが骨折した…という具体的な映像が妄想として膨らみ、敢えなく購入を断念。試奏はしたものの、サイズ・重さ・ノイズ・(見た目の)脆さ?が気になってサウンドチェックどころではなくて音自体の印象は非常に薄いが、弦高やネックの調整余地等を考慮しても決して弾きにくい楽器ではなかった。ちなみにこの個体、ネックのジョインド部にもストラップピンがついていたような記憶がある。たしかにツノについたストラップピンにストラップを掛けると、なにかの拍子に華奢なツノがポッキリ!…となる恐怖を感じて前所有者がネック裏にも付けたと勝手に想像したが、そこまでビクビクしながら取り扱わねばならな楽器で一体どうなのよ(でもその奇抜なデザインに惹かれたんだろ、オマエは!と自己ツッコミ)、と悶々。