Side Steps' Today

裏版Side Steps' Today

フォアグラ日記

2021年02月27日 | フォアグラ日記
ジャッキーステーキハウス(ステーキ/沖縄県那覇市)
沖縄本島那覇と言えば個人的にはステーキ。他にも琉球そば等もあるが立地条件や営業時間の制約から、圧倒的にアクセスしやすいのがステーキ店。都市伝説のような「沖縄県人の飲酒後の締めはラーメンではなくステーキ」というのも理解できなくはない深夜まで通し営業しているので極めて利便性が高いが、今回はその中でも有名店たるジャッキーステーキハウスへ。以前にも来たことはあるが、観光シーズンの夕食時ということで店前の駐車場を中心に発狂的混雑だったので見送ったことから実食は今回が初。有名店で客捌きも完璧でスムースに案内されるも、座って落ち着いて周囲を見るに「JACK’S」のロゴに間違って似たような店に入ったか?とビビる。Johnny’sがジャニーズとは読めないのと同様JACK’Sもジャッキーとは読めない。テンダーロイン(いわゆるフィレ)が有名と聞いてその最小S(2200円)をオーダー。その後の食い倒れを考えて極力セーブしたが、供されるのはコレ。肉質は恐ろしく柔らかく、良くも悪くも肉感がない。マグロの柵(さく)というか肉質が非常に均一で人工(培養)肉のような仕上がり。「薄く味付けされているが足りないと思います」とはホスピタリティの高い店員さんの弁だが、一切れ食するに全く塩味を感じず、コロナ罹患かとこれまたビビるも塩・胡椒をかけると美味。なお、焼き加減はミディアム・レアとしたが、中は完全にナマ。塩は専売公社のトラッドな塩のみで物足りないが、沖縄で有名たるNo1ステーキソースをかけるとその大雑把な味でソース味に圧倒されてしまい、塩・胡椒がベスト。またクラムチャウダーのようなスープも供されるがこれまた主張のない味で、コクや旨味をこれでもかと効かせる昨今の風潮とは真逆をいく「コクが皆無」な内容。全般的に非常に大雑把な印象を受けるも肉質は確かに良い。素材は良いが、ソースを中心とした加工技術があれば(これは他店も同様)最上だが、そうではない素朴な風味が飾り気のないレトロな店内と相まって受けているのかも。また「沖縄県人の飲酒後の締めはラーメンではなくステーキ」というのも、値段は高いがこの軽さであれば寧ろラーメンより健康的には好ましいかも、とも。斜向かいの席には沖縄でいうところの「おばあ」がこちらよりも大ぶりなステーキを食している…。恐るべし沖縄。

本自炊惹(ほんぢすいじゃく:本地垂迹) (2)

2021年02月20日 | 文芸批評
しかし、捨てられない最も大きな要素はおそらく③「捨てると本の内容も忘れてしまいそう」というものです。捨てなくとも、実際には内容なんか忘れてしまっていたり、果てには、読んだかどうかの記憶も曖昧で同じ本を購入してしまうケースもあったりします(記憶に新しいところではトランプが米大統領になる10年以上前に「トランプ自伝」を2回購入したことがある…よりによって…)ので、もともとの本の記憶自体が非常に脆いのではありますが、そうとは自覚していても「捨てると忘れてしまいそう」という感覚がどうしても残ります。逆に、忘れるということを自覚しているが為に「忘れた時にすぐに読めるように」という心理があるのかもしれません。ただ、大量にある本の中からそれがどこにあるのかを探すことから始めなければならないので、「すぐ読めるように」というのも実現困難なのですが。そしてこれらの課題を反芻した後に得た答えは②電子化でした。俗にいう「自炊」というものです。「自炊」はスキャナーが一般化しつつあった2000年からやっていましたが、当時のスキャナーは自動フィーダーのついたドキュメントスキャナではなく、一枚一枚コピーをとるようなスタイルでしたので、どちらかといえば重要なページのみをスキャンして保存し、その後は①古本屋に売却、もしくは③廃棄という感じでした。①古本屋に売却について、かつてはそうしたことはありましたが、2000冊売って数万円にしかならずに愕然とした記憶があり、売りに持ち込む手間も考慮すればそれ以降は売却せず、引っ越し時にどうしようもなくなって③廃棄しました。その後はまた本が増え続け、生活を徐々に脅かすようになってきたので、②電子化(自炊)を本格的に開始しました。まず購入したのはドキュメントスキャナー。もう購入してから10年ほど経過しますが引き続き現役。カウンタを見るとかれこれ26万ページ超をスキャンしています…。元々はMac用のスキャナでしたが、ドライバのアップデートが止まってしまって随分経っており最新のMacOSでは使えないため、Winにて使用しています(こういう点ではWinの方が圧倒的に優秀です)。

映画「音響ハウス Melody-Go-Round」(完)

2021年02月13日 | CD批評
(5)
(まだご覧になっていない方にはネタバレの危険性あり、ご注意)
最後に、質問「良い音とは?」を各人に質問して答えるシーンがある。インタビュアーが定義を明確にしないことから各人が思い思いに回答しており、これもやや脈絡を得ない流れに拍車をかけている。敢えて定義を明確にしないことで各人の考えや多様性を引き出そうという魂胆なのかもしれないが、各人の捉え方は①客観的な良い音(=聴衆が聞いて良いと思う音)と②主観的な良い音(=自分が聞いて良いと思う音)とのほぼ二択の回答に。①客観的な良い音と捉えた回答では「自分で聴いていて良いと思う音」とストレートに回答する者が複数あり、②と循環回答の内容(=①の回答が②の質問内容)になっているのが気になる。ただ、ミュージシャンの回答では質問を①と捉える割合が多い一方で、エンジニアやプロデューサーでは②と捉えて回答している傾向値にあるのがなんだか興味深い。これは、特にエンジニアやプロデューサーは②主観的な良い音が(ある程度)頭の中にベースとして存在し、それをクライアントの要請に応じて調整していくという作業を日夜している為か。もしくは各エンジニアごとの「音」があり、それを求めてミュージシャン(もしくはプロデュース)がエンジニアを指定してくるという事情もあり、自身の求める「音」に対して一定の自信があるということか。加えて、エンジニアの方が②主観的な良い音とはどういう音かというのを言語的にうまく表現できている。これもミュージシャン等のフワッとしたリクエスト、ある意味で芸術的なリクエストに応じて言語で説明さえる抽象的な内容を音に落とし込む作業をしているためか。ボキャブラリー的には、ミュージシャンよりエンジニアの理解や表現の方がより芸術的なのであった。(完)

ハンズフリーで寝たままスマホ…人間失格(2)

2021年02月06日 | 機材マニアック
第二の手記
恥の多い生涯を送って来ました。自分には、思いついたら即実行、という欲望がどうしても抑えきれなかったのです。ショートブームマイクスタンドが使える、と思ったら、あとはその所謂情熱の噴出するがままに、向かうはサウンドハウスのホオムぺエヂ。スタンドだけでは足らず、変換ネジも必要です。スタンドのネジの標準規格は3/8インチ。方やスマホクリップはカメラ用の規格ネジをもつものが多く、カメラ雲台ネジの標準規格は1/4インチ。オス:3/8インチ、メス:1/4インチの変換ネジも併せて購います(寫眞参照)。そして、それは、ほとんど入神のプライシングでした。スタンド1500円、AKG-Camera変換ネジ350円、税込み合計2035円。2000円以上お買い上げで送料無料!パアトス!その勘定に就いては自分に、一つも不安、恐怖を覚えさせた事がありませんでした。自分には、貧しさへの恐怖感はあっても、軽蔑感は、無いつもりでいます。驚くべきことに、夜に注文し、翌日には手元に参りました。パアトス!さっそく組み上げます。そして枕元にセット。脳で組み上げた想定とおりの出来で完璧です。寝転んで画面を見、にやにやと笑いました。パアトス!!マイクスタンドですので、マイクケエヴルを整えるケエヴル・クランプ付き。電源ケエヴルに換えることで電池切れという不安も焦燥もなし。パアトス!!そしてマイクスタンドならではの恐ろしいほどの安定感とセッティングの微調整具合(なにしろマイキングのための精緻さですから)。そして念願のテレビ視聴…。パアトス!!!そして寝たまま永遠にスマホ…人間、失格。まさに癈人。もはや、自分は、完全に、人間で無くなりました。ただ、一さいは過ぎて行きます。幸福な(こんな大それた言葉を、なんの躊躇も無く、肯定して使用する事は、自分のこの全手記に於いて、再びないつもりです)解放せられた夜でした。