Side Steps' Today

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九州全線阿房列車(6)

2022年07月30日 | 畸観綺譚
九州全線阿房列車(6)
終点たる枕崎の一つ前の薩摩板敷0718に高校生が一斉に下車。駅前が鹿児島水産高校の校門になっていて錨(いかり)のオブジェが見える。0725枕崎着。折り返し0735発(指宿ゆき)なので滞在時間は10分しかない。枕崎駅は当然ながら無人駅で運転士に切符を見せて下車するが、恐怖なのは枕崎駅の時刻表。10分後の折り返し0735発を逃すと次は1320(これら含めて1日6便のみ)。乗り遅れると6時間待ちとなって全行程が破綻する。ビビるあまりに駅から離れるわけにも行かず、駅周辺のみを見渡して早速乗車。乗客は4名のみとおもいきや途中からアジア人女性5名の集団が乗車、えらく賑わって出発。0757頴娃大川(えいおおかわ)着。駅名板をみると釜の蓋を頭に乗せて踊る人の絵あり。異様な絵なので調べるに付近に釜蓋神社なるものがあり、釜の蓋を頭に載せて祈願する「蓋釜願掛け」が有名なる様子。往きには見えにくかった開門岳(924m)がハッキリと見えてくる。綺麗な富士山型だが近くで見るに結構な傾斜、調べると3時間程度で登れる様子。0836西大山(最南端の駅)。鉄ちゃんだけでなく子供の姿もあり、意外にも沿線駅でもっとも賑わいをみせる。0854指宿着、0901発(鹿児島中央ゆき)に乗り換える。指宿はいつか来たい温泉地だが今回は涙をのんでスルー。鹿児島中央が近づくと往きには暗くて見えなかった桜島が見え始める。不謹慎かもしれないが、いつかは桜島の爆発時に居合せみたい、とも。1017鹿児島中央着、ここまで枕崎線だけで5時間半所要…。つぎに1029発(川内ゆき)に乗車して川内(せんだい)を目指す。かなりの乗客があり枕崎線とは全く対照的だが、1039上伊集院付近で超異常事態が…。
【写真】終点の枕崎駅。かつてはここからまだ鉄道があったようだが、それを暗示するような終点看板。

九州全線阿房列車(5)

2022年07月23日 | 畸観綺譚
九州全線阿房列車(5)
途中からの乗車数名あって0556指宿着。この時点で外は真っ暗にて景色など全く見えず。指宿で数名降りたのちは0602に次の山川で乗り換え。南下したせいか、やや湿度が増して気温も若干は上がったか。真っ暗の中4名が降車、ホーム先端から線路を渡って反対側に停車中の枕崎行きに乗り換える。地元の先行客がいたからよかったものの、もし一人なら真っ暗の中でどうやって乗り換えてよいか分からない状況になるところだった。0611山川発、一両編成。やっと乗客相応の編成数、暖房が効いていて人心地を回復するが、0623西大山で鉄ちゃんと思しき1名が下車。ここは「JR日本最南端の駅(北緯31度11分)」で有名な駅だが、まだ夜明け前で真っ暗の中、車で来たのか数名の鉄ちゃんあり。恐るべし。夜明けの薄明かりの中、開門岳がようやく見えはじめる。開門岳はその秀麗さから薩摩富士と言われるが、高木俊朗『知覧』での印象が強く、知覧から出撃した特攻隊員が機上から最期に眼にした山。高木俊朗は中高(大学も)の先輩の模様、そのために中学時代に本を貰って読んだ記憶があるが、当方も以前に屋久島に向かうYS11機上から眺めて「彼らにはこのように見えたのか」と思った記憶あり。枕崎線は単線無電化だが線路脇の草木が線路内に侵食すること著しく、それが車体に触れたり擦れる音が結構凄まじい。途中で乗車してきた学生らが着席するなり、窓のシェードを全て降ろす(万一の窓割れ被害防止?)のはこのためか。ここに限らないが、彼ら学生の上着には背中に学校名、さらには名前までもが大きく書かれている。鹿実(鹿児島実業)とか鹿水産(鹿児島水産)などだが、ここまでデカデカ表示されているなら下校中にワルさもできない宣伝効果かつ抑止力。
【写真】開門岳。薩摩富士と言われるだけにそのシンメトリックによって見る日本人のシンパシー炸裂。

最近のミニマム・セット(2)

2022年07月16日 | 機材マニアック
最近のミニマム・セット(2)
マニアックな部分で言えば配線だが、線材はすべてベルデン(BELDEN)9395。エフェクト間のプラグはL字がスイッチクラフト(SWITCHCRAFT)226。またケーブルの曲げ半径と取り回しの都合で初めてスイッチクラフト(SWITCHCRAFT)228を使用。228はその華奢な構造からなんだか安っぽくてこれまで敬遠していたが、価格が226(520円)より高い(780円)という事実に驚愕。しかし出来合いのケーブルを買うより、自作した方が圧倒的に機動的かつ安い。最短距離で結線するとコンプとチューナー間は5cmしかなく、そもそも5cmの既製品パッチケーブルなぞ選択肢は少なくて高価。自作であればプラグは再利用可であって、ここ25年ほど既製品のケーブルを買ったことがない…。しかし228はコールド線の処理が悩ましい。アンテナ線のようにコールドは折り返してプラグに挟み込んでネジ止めことを想定しているようで、ハンダ付けする端子が存在しない。よって、プラグの内部にフラックスを塗ってそのままハンダ付け。まるで溶接工である。コンプはKeeleyのGC-2というLimiting Amplifierだが、意外に少ないdbxタイプのペダル。THAT4320という元dbxのエンジニアが設計したdbx 160AをシュミレートしたICを搭載している。160Aといえばちょっと前は誰もが160Aという時代もあった(が当方は160Xと163だった)。ちなみにベースからコンプまでのケーブルは4.5フィート(1.37m)。たまたま取り回しに必要最低限の長さだったが、この長さ、なんとスコヘン(スコット・ヘンダーソン)と同じ長さ!スコヘン的にはボリュームを絞った時にハイ落ちしない必要最低限の長さということだが、機材には変態・偏執狂的コダワリがあるスコヘンと同じとは…。ただ、スコヘンのギターはパッシブだが、こちとらアクティブなのでハイ落ちとかそういう問題は元来ナシ。(完)
【写真】背面。Petersonの「Strobo Stomp 2」のInに入っているのが、スイッチクラフト(SWITCHCRAFT)228。

最近のミニマム・セット(1)

2022年07月09日 | 機材マニアック
最近のミニマム・セット(1)
現時点での愛用ミニマム・セットがコレ。右がコンプで左がチューナー。今のマイ・トレンド・コンプはKeeleyのGC-2という「Limiting Amplifier」、そしてチューナーはPetersonの「Strobo Stomp 2」。シグナルは右(コンプ)から左(チューナー)へと流れるが、キモはチューナー。ステージで音出しでチューニングしてしまうような高校生ではない、大人の嗜みをもったワタクシとしてはミュートでチューニングできるのがよい。そんなチューナーは世の中様々で回っているが、【利点1】コレはトゥルー・バイパス(True Bypass)。つまり、チューナーをバイパスする際にチューナー回路を通らずにスイッチのみ通るというもので、音質変化を極少化する(というプラセボ効果かも)。さらに【利点2】Bypass時にはチューナーが止まるので、演奏中にピコピコとチューナーが動かないのも良い。液晶やバックライトの寿命も伸びるだろう。そして【利点3】パワーサプライ機能があること。このチューナーは9V電池でも動くが、ACアダプターを使えば他の機材に電源供給ができるため、このセットでもコンプに電源供給している。さらに【利点4】チューナー自体の素晴らしさ。このストロボ・タイプのチューナーはチューニングの正確性がウリだが、これまでオクターブ調整を含めて如何に甘いチューニングで弾いていたかと悔やまれる精度で、もう他のチューナーは使えない。正しいピッチがなんとなく体感として会得できてきているような気も。とにかく音楽的なチューナーである。チューナー自体のデザインはアメリカ的で何だか非常にデップリ、モサ~とした感じなのだが、それも慣れれば愛らしい。そして【利点5】アフターケアの良さ。このチューナーの不具合を解消した内容を書いたことがあったが、素晴らしいケア内容。もう15年以上使っているが、おそらく今後もPeterson以外のチューナーには目移りしないと確信。(続)
【写真】愛用ミニマム・セット。全体的に青色だが視認性はバッチリ。青色LEDは目に刺さるほど明るい。KeeleyのGC-2のランプはスレッショルド(Threshold)にあたると緑→赤く変化。

シリーズ「弦を煮てみる」(4)

2022年07月02日 | 機材マニアック
シリーズ「弦を煮てみる」(4)
そして数日後、おそるおそろ再び弾いてみるが、それほど変化なく、まだ生きてる! しかも、20%程度しか回復しなかったように思われたE弦もなかなかご機嫌なサウンドで60%くらいは回復したか、という好感触。正直ちょっとビックリですが、茹で方がよかったのか?(と自問自答を繰り返す)前回の失敗ケースとの差異がわかりません。さらにいえば、茹でて復活するそのメカニズムも不明。作用したのは加熱だけのように思いますが、加熱で回復するロジックが全く不明です。もしかしたら、弦を張り直すことで従来の弦の振動方向が変化して一時的に回復しているように感じるのかも…とも思います。意外にポジティブな効果は嬉しいものの、まったくの想定外でなんだがビミョーな気分。引き続き疑心暗鬼な感覚は拭えず、もう少し様子をみます。新品弦でも、まあいつかは死ぬのですが。そして時間は流れ、弾くこと数日。さすがにもう…と思って弾いてみれば、まだ生きている…。いや、もう充分に生きたでしょ…と労う気持ちでいっぱい。せっかく復活したのだから喜ぶべき一方で、なんでスグに死なないのかと全く理解不能な自分が客観的に存在する感覚。おそらく理解不能なのではなく、理解したくない。茹でている段階から「いや~、さすがに復活することはなくてやはり都市伝説でした、あはは」という結論を100%想定していただけに動揺が収まりません。それが「コロナ禍でのおウチ時間」を利用して、気紛れで煮てみたその結果がコレとは。その気分が晴れない原因を考えるに、恐らくそのうちの一つはこれまでの経済収支。これまで弦が死ぬたび、もしくはライブ前には必ず張り替えていた、これまで数百本も使い捨てていたあの弦は一体なんだったのか。つぎ込んだお金は新品の楽器が買えてしまうほどの「帰ってくるはずもないサンクコスト」、これを認めたくないのか。しかし、あれだけ楽器屋で弦が売っており、弦メーカーが近年倒産したという話も聞かず(ニッチ過ぎてニュースにならないだけ?)、それは「弦は煮ると復活する」という驚愕の事実に人類の叡智はまだ到達していないから、なのだろうか? もう、ここまでくると何度でも煮て、なんどでもゾンビのように復活するのかを死ぬまで確認するしかない(怒。そのため弦の寿命を早めようと、従来以上に練習に熱が入ります。一体何をやっているのか分からなくなってきますが、練習時間が増えるという素晴らしい副産物も。続報を待て!(一旦完とし、しばし分析時間をいただきます)
【写真】フレット痕。ここだけフラットワウンドになっているが、さすがに煮ても回復せず=至極当然なる物理現象。