今回是非見てみたかった場所。太宰治で有名な斜陽館のある金木近くにある地蔵尊なのだが、下北半島の恐山を陽とすれば、こちら津軽半島の地蔵尊は陰であってダークな雰囲気に圧倒。拝観時間が短いためか当方以外に誰一人居らず、非常に心細いが勇気を奮って地蔵尊の本堂へ。本堂奥の3面には大量の地蔵が雛壇にズラリ。いずれも着物で着飾られているが全て夭折した方の遺品の模様で2000体以上あるという。あの世で服が無ければ心苦しかろうという親心に圧倒されるのだが、全てが見えるように設置されたスタジアムの観客状態の地蔵すべてから逆に見られている事実にも圧倒。石像たる地蔵はよいが、なかにかリアルな人形もいて凝視されているようなその目線が異様にコワイ…。地蔵の着物はそうだろうが、なかにはスーツや制服、ランドセルがそのまま安置されておりそれら全てに故人の名前が記された布が付いている…。上方をよくみれば地蔵や人形だけでなく、遺影がこれまたズラリと並んでいて、こちとら写真なので思わず心臓がキュッとなった瞬間に「ガタ!」という何かの物音。誰もいない本堂なので思わずビクー!となるが、なんとか理性を保ちつつも小声で「ヒー」と発しながら合掌をして数分で退散。あまりの衝撃ために別棟にある人形堂は拝観を失念して退却。その人形堂には花婿・花嫁人形がズラリと並んでいるのだが、これは未婚で亡くなった息子(娘)のために花嫁人形(花婿)とセットで納めるという津軽独特の風習とのこと。男女2体の人形がある場合もあるが、花嫁(婿)のみ+遺影というパターンも。なかには夫婦人形にとどまらずキューピー人形(赤ちゃんの擬態か)も納められているものもあるというが、こちらもあの世で結婚させてあげたいという親心なのだろう。夫婦人形といえばその人形の年齢が幼年か老年のどちらかであることが多いが、こちらは20代のなかなかリアルな人形にて奉納以外では決して需要がなさそうなもの。思わず家内安全を祈って合掌。なお、訪問後に不思議な体験をしたという話も聞くが当方には幸か不幸か皆無。
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