切れ切れ爺さんの徒然撮影&日記

主に寺院や神社等を中心に、文化財の撮影と紹介。
時に世の中の不条理への思いを発言していく。

2024年 梅の花 伏見桃山城・・・残り僅かだが  京都市伏見区 2024.3.1 訪問

2024-03-08 22:50:55 | 撮影


『伏見桃山城運動公園
「伏見桃山城運動公園」は、「伏見桃山城 キャッスルランド」(平成十五年一月閉園)の 跡地を活用して、市民の皆様がスポーツに気軽に親しめ、また、憩いの場ともなる運動公園として、平成十九年四月に開設されました。
 公園内のお城は、伏見桃山城キャッスルランドの目玉施設として昭和三十九年に建設されたものです。遊園地の閉園後は伏見のシンボルとして運動公園に引き継がれ、現在では映画やドラマ の撮影等にも活用されています。

公益財団法人京都市体育協会
伏見桃山城運動公園管理事務所』
   (説明板より)

 

 伏見桃山城は以前、紅葉撮りか何かで訪れている。桜だったかもしれない。広大な敷地に巨大な城が建っている様子はなかなかの迫力で、これが建設当時のものであればもちろん、 確実に国宝となっていただろう。しかし今現在の伏見桃山城はあくまでも、大型遊園地の目玉として最初の東京オリンピックの頃に建てられたものだ。歴史上の伏見城については詳しい図面その他がなく、図絵などの資料からそれを参考に建設されたものだ。

 かつては遊園地に様々なアトラクションがあって、ファミリーで賑わっていたし、城の天守閣に上がることもできた。そこからは京都市南部及び京都府南部、また大阪方面も見渡すことができた。しかし時代の趨勢の中で、大型遊園地が衰退し閉鎖されることになった。こうして公園として再整備され、伏見桃山城は耐震基準を全く満たしていない建物として、入場禁止という形になった。従って今では外から見るのみだ。公園の方は無料開放されている。ただし最寄りの駅からはかなりあるので、車で訪れる人が多い。広大な駐車場があり結構高い。それでも桜や紅葉シーズンについては大勢の人々が訪れ、また近くの幼稚園や小学校などのちょっとした遠足の場にもなっており、遊園地跡はグラウンドなどのスポーツ施設が整備され、使用頻度はかなり高いようだ。訪れたこの日も利用者たちからの様々な歓声などが届いていた。

   

 今回は初めて梅撮影に訪れる。どれくらいの梅の木があるのかは全くわからないが、これだけ広い敷地があればきっとあるだろうと思い、期待を持って何年ぶりかで訪れた。観光客らしき人がポツポツと来ている。しばらくしてからは近くの特別支援学校の生徒たちと先生方が大勢で訪れていた。
 城の周りをゆっくりと回って梅の花を探す。すぐに白梅が見つかった。ある程度散ってはいたが、まだまだ白色の花を咲かせている。決して大きな木ではなくどちらかといえば低木 に当たるが、大きな城をバックに入れて撮影するとなかなかいい絵になる。

  

 さらに続いて小さな紅梅が見つかった。かなり散っていて残りわずかと言った状態。そんな小さな木であっても、何枚も何枚も撮影していく。その後も回るが特に見つからない。ようやく少し大きめの白梅の木があり、上方にかなり花を咲かせている。途中から一周できずに引き返し、反対側に梅の木があった。場所の関係で城を背景に撮影することはできなかった。しかしこうして少ないものの、梅の花を撮影することができそこそこの満足感を得ることができた。

   

 なお歴史上の伏見城については、地震で崩壊したりして再建されたりしている。豊臣秀吉が建設を命じて完成した伏見城は、後に秀吉が大阪城に移り、その後徳川家康の家臣たちが 入城した。しかし家康と秀吉の関係悪化の影響の中、石田三成が伏見城を攻撃。その際家康の家臣が400名以上、伏見城に立てこもった。周囲を完全に包囲された結果、家康の家臣たちは自刃を決意。こうして大量の一斉自刃が行われた。後にこの伏見城は解体される。そして残された城の門や天井板など、様々な部品が再利用されることになる。
 豊国神社の国宝の唐門はこの伏見城のものだと伝わる。同じく近くの御香宮神社の山門は 重要文化財に指定されているが、これも伏見城の門であったという。そして400名余りの徳川軍の家臣が自刃した後の板の間が、おびただしい血にまみれ、これをを不憫に思ったいくつかのお寺がその板を引き取り、お寺の本堂などの天井に再利用している。これがいわゆる「血天井」であり、養源院が有名だ。そこには血にまみれた手形や体の形が残されている。ただし これらのことは信憑性に問題があるのではないかとの説もある。いずれにしろ実際 血天井を拝見したことがある私としては、実際のものだろうと思えた。

    
コメント
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