対話とモノローグ

        弁証法のゆくえ

自己表出はアブダクションである

2024-03-18 | ノート
新聞の広告に『言語の本質』(中公新書、今井むつみ/秋田喜美著)が載っていて興味を持った。アブダクションという言葉が目に留まったからだろうか。
一読して、これまでの歩みを振り返るきっかけにしようと思った。

オノマトペは、これまでは言語学では周辺に位置づけられていたが、これを中心に据えて考察していく姿勢に感心した。また、言語がオノマトペから離れて、その世界を拡大して過程に「アブダクション」推論が位置づけられていて(ブートストラッピングサイクル)、こちらにも感心した。

「言語」に対する関心は1970年代に遡る。偏った問題意識だったと思う。吉本隆明『言語にとって美とはなにか』に強くひかれていた。そこで展開されていた表出論はその後に構想した「認識論」の基礎になった。

カテゴリー「自己表出と指示表出」や「アブダクション」の記事に表出論を展開してきたが、まず、これらの記事を見直し整理しようと思った。

次に、オノマトペが吉本の本でどのように捉えられているか確認しようと思った。そこで『言語にとって美とはなにか』を書庫から持ってきた。半世紀前の本である(吉本隆明全著作集6、昭和47年8月20日第2刷)。

第1章は、こんど買った本と同じ「言語の本質」だった。オノマトペは自己表出と指示表出の2つの側面からとらえられていると思った。

つづく

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