ほそかわ・かずひこの BLOG

<オピニオン・サイト>を主催している、細川一彦です。
この日本をどのように立て直すか、ともに考えて参りましょう。

自民党議員が鬱陵島視察を計画

2011-08-01 08:52:00 | 時事
 自民党の国会議員4名が、8月2日、韓国の鬱陵島(うつりょうとう、ウルルンド)の訪問を計画している。このことが、日韓間で外交問題となっている。
 視察するのは自民党「領土問題に関する特命委員会」のメンバー。委員長代理の新藤義孝氏と平沢勝栄、稲田朋美両衆院議員、佐藤正久参院議員の4名である。同委員会は、石破茂政調会長が委員長を務めている。
 鬱陵島は竹島から約90キロ西にある直径10キロメートルほどの島。1万人ほどの人口がある。竹島は日本固有の領土だが、鬱陵島は韓国領である。
 訪問を計画している議員たちは、鬱陵島の「独島博物館」を視察し、博物館の展示内容を調べ、韓国側の竹島“領有”のアピールの仕方などを知ることを目的としている。博物館の入り口には竹島ではなく「対馬は元はわが国の地」という石碑が建っているという。その石碑の確認もされるだろう。



 わが国では、鬱陵島は江戸時代、「竹島」と呼ばれ、現在の竹島(韓国名・独島)は「松島」と呼ばれていた。当時、鳥取藩の漁民が「松島(現在の竹島)」を幕府から拝領し、「竹島(現在の鬱陵島)」へ渡る中継基地などに利用していたことが多くの文献に記録されている。
 一方、韓国の鬱陵島からは、竹島を肉眼で見ることはできない。遥か彼方の「独島」は当時、韓国側の視野にはなかった。鬱陵島の沖には「竹島」という別の島があって、韓国の古地図に描かれた島はこれなのである。
 わが国は敗戦後、サンフランシスコ講和条約で、それまで日本領だった朝鮮・台湾等の領土を放棄した。その際、朝鮮については、「済州島、巨文島及び鬱陵島を含む朝鮮」と規定された。竹島は、入っていない。講和条約の調印前、韓国側が規定に竹島を含めるよう求めたが、受け入れられなかった。
 韓国では、自民党国会議員の鬱陵島視察計画に対し、李明博大統領が入国禁止措置をとるよう指示した。韓国政府は出入国管理法の規定に基づき、入国禁止措置は可能という見解を示している。安全確保が難しいことや、日韓関係に否定的な影響を与えるというのが、理由である。強行した場合は、韓国への到着時に入国禁止措置を取るという。
 これに対し、高橋千秋外務副大臣は28日の記者会見で、自民党の国会議員の安全確保を、外務省として韓国政府に要請したことを明らかにした。高橋氏は「不測の事態が起こらないようにと申し入れている。外国人の安全について対応することは国として当たり前のことで、(韓国政府が)しっかり対応するものと考えている」と述べた。
 日韓の間では、互いの国会議員が訪問する場合、議員の安全を害されることがないよう警備するのが政府当局の務めである。韓国政府は日本の国会議員の入国を空港で拒否することのないようにし、また韓国民による入国反対行動を厳重警備すべきであり、わが国の政府は入国許可と厳重警備を強く要請すべきである。
 以下は関連する報道記事。

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●産経新聞 平成23年7月29日

http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110729/plc11072903080001-n1.htm
【主張】鬱陵島視察 現場に行かねば分からぬ
2011.7.29 03:07

 竹島(韓国名・独島)に近い韓国・鬱陵(ウルルン)島への自民党議員らの視察計画に対し、石原伸晃幹事長が中止をいったん要請した。「韓国の状況が厳しく、身の安全が心配」などの理由からだ。法令に従った渡航をなぜ止めようとしたのか。
 鬱陵島は竹島から約90キロ西にある。竹島は日本固有の領土だが、鬱陵島は韓国領だ。8月上旬の訪問を計画しているのは、自民党の「領土に関する特命委員会」のメンバー4人で、鬱陵島の「独島博物館」視察が目的である。
 日本の国会議員がその博物館の展示内容を調べ、韓国側の竹島“領有”のアピールの仕方などを知ることは当然の活動である。「身の安全が心配」なら厳重警備を韓国側に要請するのが筋だ。
 石原氏は国会日程や政局が微妙な時期であることも中止要請の理由に挙げた。しかし、同じ時期にクウェートなどを訪問する小池百合子総務会長らの海外渡航は認めている。最終的に4人の訪韓を認める方向に転じたが、当然だ。
 一方、韓国では、自民党国会議員の鬱陵島視察計画に対し、李明博大統領が入国禁止措置をとるよう指示したと韓国紙が報じた。この対応も問題だ。公共の安全を害する懸念がある場合の入国禁止を定めた韓国の法律に基づく指示とされるが、まず、安全を害されることがないよう警備するのが韓国当局の務めである。
 この問題で、自民党の特命委員会委員長の石破茂政調会長は「お互いにどういう主張をしているのか理解することが必要だ。現場に行かなければ分からない」と言っている。その通りである。
 鬱陵島は江戸時代、「竹島」と呼ばれ、竹島は「松島」と呼ばれていた。韓国側には、これを混同した見方もある。当時、「松島(現在の竹島)」を鳥取藩の漁民が幕府から拝領し、「竹島(現在の鬱陵島)」へ渡る中継基地などに利用していたことが多くの文献に記録されている。
 また、昭和26年に調印されたサンフランシスコ講和条約で、日本が放棄した地域として、「済州島、巨文島及び鬱陵島を含む朝鮮」と規定された。調印前、韓国側がこれに竹島を含めるよう求めたが、受け入れられなかった。
 日本の子供たちは、竹島と鬱陵島の法的地位の違いや歴史的経緯もしっかり学んでほしい。

●産経新聞 平成23年7月30日

http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110730/plc11073000360000-n1.htm
自民4議員の鬱陵島視察 予定通り実施へ 韓国は入国拒否方針を伝達
2011.7.30 00:34

 竹島近くの韓国・鬱陵(ウルルン)島の視察を計画している自民党の新藤義孝衆院議員ら4議員は29日、予定通り8月1~4日に訪韓することを決めた。ただ、韓国側は同日、入国拒否を日本政府に通告した。
 視察するのは自民党「領土問題に関する特命委員会」委員長代理の新藤氏と平沢勝栄、稲田朋美両衆院議員、佐藤正久参院議員。石原伸晃幹事長は27日に新藤氏らと面会し、国会日程などを理由に「許可しない」と通告したが、新藤氏は拒否した。
 党執行部は説得をあきらめたが、会期中の渡航に必要な衆院への請暇願提出は認めない方針。佐藤氏はすでに参院から請暇の許可を得ているが、ほかの3人は衆院規則に反し、懲罰の対象となる可能性がある。
 一方、韓国外交通商省の金在信次官補は29日、武藤正敏駐韓日本大使を呼び、身辺の安全確保が困難なことや「2国間関係に与える否定的な影響」を理由に視察団の入国は認めないと伝えた。武藤大使は「受け入れられない」と抗議し、再考を求めた。韓国政府は出入国管理法の規定に基づき、入国禁止措置は可能との見解を示している。
(酒井充、ソウル 加藤達也)

http://sankei.jp.msn.com/world/news/110730/kor11073003400000-n1.htm
ソウルからヨボセヨ 鬱陵島の秘密
2011.7.30 03:39

 領土問題に関心の自民党議員たちが、竹島(韓国名・独島)に近い韓国の鬱陵(ウルルン)島を見学する話が韓国では「上陸阻止!」とか「入国拒否!」などと官民挙げて大騒ぎになっている。韓国人は自由に島根県を訪問し、県庁前で堂々と「独島は韓国のモノ!」と反日デモをやっているのに…。
 本土から約200キロの鬱陵島の住民は約1万人。夏場は観光客でにぎわうが、岩山ばかりで海水浴には向かない。
 名物はイカとカボチャあめ。本格的なイカ漁は日本統治時代に日本人によってもたらされた。これだけでは観光にならないので近年は「独島」を売りモノにしている。その観光ポイントが「独島博物館」で、展望台には「独島が見える」と大型望遠鏡も備えてある。
 ところが博物館の入り口には竹島ではなく何と「対馬は元はわが国の地」という石碑が建っている。さる古文献に出ているというのだが、こんなの日本人に見られたらまずい?
 竹島は鬱陵島からは肉眼では見えない。実は鬱陵島の沖には「竹島」という島があって、韓国の古地図に描かれた島はこれなのだ。はるかかなたの「独島」は当時、韓国側の視野にはなかった。それにしても「入国拒否」とは、発展と自信の韓国にしては何とも余裕がなくケチくさい。(黒田勝弘)
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■追記

 先ほどのニュースによると、2日に鬱陵島を視察する計画で、本日(1日)午前、ソウルの金浦空港に到着した自民党国会議員3名に対し、韓国政府は入国を拒否した。今後の展開に引き続き注目したい。


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