本連載の結びの回。
●充分警戒して、尖閣防衛を整備すべし
中国は平成4年(1992)の領海法で、尖閣諸島を一方的に中国領と定めた。ここで大きな問題であったのは、このとき、わが国の政府が中国政府に対し、明確に抗議をしなかったことである。時の首相は宮沢喜一氏であり、官房長官は加藤紘一氏であった。中国に対する外交では、非常に弱い陣容だった。以後、共産党政府は、中国国民に尖閣諸島は中国領と教育・宣伝し、それを吹き込まれた中国人は、自国領だと思うようになった。
中国は、上記領海法の規定と同じ平成4年(1992)、南シナ海の西沙、南沙、東沙、中沙諸島の全てを自国領だと宣言した。この主張は、米国がフィリピンに保有していた海軍・空軍の両基地を閉鎖して撤退し、軍事的空白が生じたところで行われた。ASEAN諸国は抗議したが、中国は平成7年(1995)初頭までに南沙諸島の実効支配に取り掛かった。現在、南シナ海、特に西沙諸島周辺海域には中国海軍の軍艦が常駐し、力による支配を行っている。
中国外交のパターンは、史実や現実を無視して、自国領だと宣言する。漁民または漁民を装った軍人を、中国領と主張する島々や海に進出させる。本来領有権を保有する国が漁船を拿捕したり漁民を逮捕すると、それを口実に軍事力を背景にして圧力をかけ、相手を屈服させるというものである。
昨年9月7日尖閣諸島沖中国漁船衝突事件が起こった。わが国政府の対応は、ひどいものだった。温家宝首相は、尖閣諸島は「中国の神聖な領土」であると公式に主張した。わが国の弱腰姿勢を見た中国共産党政府は、自信を強めただろう。また尖閣占領という計画を立てている一部中国人も、事件を通じて意気を高めているのではないか。
わが国は、本年6月17日を充分警戒して、尖閣諸島の防衛を整備する必要がある。私は、平成22年(2010)9月24日の日記に次のように書いた。「日本人は尖閣問題をきっかけに、真剣に憲法・国防・外交について考え、日本の立て直しをしなければならない。安全を他者に依存していれば、自由と繁栄が保たれるという錯覚の時代は、終わったのだ。日本人自ら国を守ろうとしなければ、他国の圧力に屈し、富を奪われる。国民所得は半減し、自由を制限され、伝統と文化も破壊されることになる。早急に取り掛からねばならない」と。
6月17日中国人が尖閣諸島に多数の船で押し寄せて上陸し、占拠しようとすると仮定しよう。その時は、必ず日本国内に住む中国人が行動する。長野オリンピックのとき、多数の中国人が集結して街頭行動をしたが、その何倍もの規模で行動する。10万人規模と想定したほうがよい。同時に、アメリカ・ヨーロッパ・東南アジア等に居る華僑や中国人が宣伝活動をし、反日的な国際世論を形成しようとする。これらの全体が、中国共産党指導部の計画・指示のもと、在外華僑団体、中国人組織を通じて、大量動員で実行されるだろう。
●尖閣問題を機に、日本精神を取り戻そう
櫻井よしこ氏が理事長を務める国家基本問題研究所は、昨年9月、尖閣防衛のため、下記の緊急提言を行っている。
1.政治家は今回の事件をもって戦後の国防体制を根本的に再考する機会にせよ
加えて、以下の当面の措置を取るよう求める。
2.政府は中国船による意図的衝突の証拠となるビデオ映像を公表せよ
3.政府は尖閣諸島に自衛隊を配置せよ
4.政府は「白樺」など東シナ海のわが国排他的経済水域内の天然ガス田の試掘を開始せよ
5.国会は外国船の違法活動を罰する法律を制定せよ
http://blog.goo.ne.jp/khosogoo_2005/d/20100929
また、全国各地で、政府に適切な政策を求める署名活動が行われている。主催は、日本会議である。この署名は、尖閣諸島への現地調査、周辺での船舶の安全航行・漁民の安全操業を確保できる対策、外国漁船の違法操業への警備強化、領海侵犯罪の制定、自衛隊の領域警備等の危機管理等を、政府に請願するものである。詳しくは下記のサイトをご参照のこと。
http://www.nipponkaigi.org/activity/archives/1929
これらに加えて、必要なことがある。尖閣防衛は、尖閣諸島周辺だけを意識しているのではだめである。単に地理的・局所的な防衛だけでなく、日本全体で国民が日本を守るという意識を持って対応する必要がある。また国家として、国際世論を日本への理解・支持に向ける働きかけも必要である。首相を中心に、防衛省・外務省・国家公安委員会等が、国家安全保障体制を整備することが急務である。民主党・菅政権は、この問題においてもまったく期待できないから、早急に政権交代をし、政府としてまともな対応のできる政権を立てることが、日本を守る道である。
日本人が日本人としての精神、日本精神を取り戻さなければ、日本は衰滅する。尖閣問題を機に、真の日本精神を学び、日本の元気を奮い起こそう。(了)
関連掲示
・拙稿「尖閣~領域警備の法整備を急げ」
http://blog.goo.ne.jp/khosogoo_2005/d/20101110
●充分警戒して、尖閣防衛を整備すべし
中国は平成4年(1992)の領海法で、尖閣諸島を一方的に中国領と定めた。ここで大きな問題であったのは、このとき、わが国の政府が中国政府に対し、明確に抗議をしなかったことである。時の首相は宮沢喜一氏であり、官房長官は加藤紘一氏であった。中国に対する外交では、非常に弱い陣容だった。以後、共産党政府は、中国国民に尖閣諸島は中国領と教育・宣伝し、それを吹き込まれた中国人は、自国領だと思うようになった。
中国は、上記領海法の規定と同じ平成4年(1992)、南シナ海の西沙、南沙、東沙、中沙諸島の全てを自国領だと宣言した。この主張は、米国がフィリピンに保有していた海軍・空軍の両基地を閉鎖して撤退し、軍事的空白が生じたところで行われた。ASEAN諸国は抗議したが、中国は平成7年(1995)初頭までに南沙諸島の実効支配に取り掛かった。現在、南シナ海、特に西沙諸島周辺海域には中国海軍の軍艦が常駐し、力による支配を行っている。
中国外交のパターンは、史実や現実を無視して、自国領だと宣言する。漁民または漁民を装った軍人を、中国領と主張する島々や海に進出させる。本来領有権を保有する国が漁船を拿捕したり漁民を逮捕すると、それを口実に軍事力を背景にして圧力をかけ、相手を屈服させるというものである。
昨年9月7日尖閣諸島沖中国漁船衝突事件が起こった。わが国政府の対応は、ひどいものだった。温家宝首相は、尖閣諸島は「中国の神聖な領土」であると公式に主張した。わが国の弱腰姿勢を見た中国共産党政府は、自信を強めただろう。また尖閣占領という計画を立てている一部中国人も、事件を通じて意気を高めているのではないか。
わが国は、本年6月17日を充分警戒して、尖閣諸島の防衛を整備する必要がある。私は、平成22年(2010)9月24日の日記に次のように書いた。「日本人は尖閣問題をきっかけに、真剣に憲法・国防・外交について考え、日本の立て直しをしなければならない。安全を他者に依存していれば、自由と繁栄が保たれるという錯覚の時代は、終わったのだ。日本人自ら国を守ろうとしなければ、他国の圧力に屈し、富を奪われる。国民所得は半減し、自由を制限され、伝統と文化も破壊されることになる。早急に取り掛からねばならない」と。
6月17日中国人が尖閣諸島に多数の船で押し寄せて上陸し、占拠しようとすると仮定しよう。その時は、必ず日本国内に住む中国人が行動する。長野オリンピックのとき、多数の中国人が集結して街頭行動をしたが、その何倍もの規模で行動する。10万人規模と想定したほうがよい。同時に、アメリカ・ヨーロッパ・東南アジア等に居る華僑や中国人が宣伝活動をし、反日的な国際世論を形成しようとする。これらの全体が、中国共産党指導部の計画・指示のもと、在外華僑団体、中国人組織を通じて、大量動員で実行されるだろう。
●尖閣問題を機に、日本精神を取り戻そう
櫻井よしこ氏が理事長を務める国家基本問題研究所は、昨年9月、尖閣防衛のため、下記の緊急提言を行っている。
1.政治家は今回の事件をもって戦後の国防体制を根本的に再考する機会にせよ
加えて、以下の当面の措置を取るよう求める。
2.政府は中国船による意図的衝突の証拠となるビデオ映像を公表せよ
3.政府は尖閣諸島に自衛隊を配置せよ
4.政府は「白樺」など東シナ海のわが国排他的経済水域内の天然ガス田の試掘を開始せよ
5.国会は外国船の違法活動を罰する法律を制定せよ
http://blog.goo.ne.jp/khosogoo_2005/d/20100929
また、全国各地で、政府に適切な政策を求める署名活動が行われている。主催は、日本会議である。この署名は、尖閣諸島への現地調査、周辺での船舶の安全航行・漁民の安全操業を確保できる対策、外国漁船の違法操業への警備強化、領海侵犯罪の制定、自衛隊の領域警備等の危機管理等を、政府に請願するものである。詳しくは下記のサイトをご参照のこと。
http://www.nipponkaigi.org/activity/archives/1929
これらに加えて、必要なことがある。尖閣防衛は、尖閣諸島周辺だけを意識しているのではだめである。単に地理的・局所的な防衛だけでなく、日本全体で国民が日本を守るという意識を持って対応する必要がある。また国家として、国際世論を日本への理解・支持に向ける働きかけも必要である。首相を中心に、防衛省・外務省・国家公安委員会等が、国家安全保障体制を整備することが急務である。民主党・菅政権は、この問題においてもまったく期待できないから、早急に政権交代をし、政府としてまともな対応のできる政権を立てることが、日本を守る道である。
日本人が日本人としての精神、日本精神を取り戻さなければ、日本は衰滅する。尖閣問題を機に、真の日本精神を学び、日本の元気を奮い起こそう。(了)
関連掲示
・拙稿「尖閣~領域警備の法整備を急げ」
http://blog.goo.ne.jp/khosogoo_2005/d/20101110
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