時遊人~La liberte de l'esprit~

優游涵泳 不羈奔放 by椋柊

豊饒の海

2018-11-22 | 舞台/役者
又、会ふぜ。きつと会ふ

という言葉を残し
20歳で生命を落とした男
松枝清顕
彼を生涯追い求める男
本多繁邦

本多の人生に
松枝清顕の
生まれ変わりとして
登場する
3つの黒子の人々

清顕を
追い求めた本多にとって
彼の存在は
なにを象徴していたのか

そして
なぜそこまで
清顕に執着したのか

存在とは
世界とは
美とは
そして「私」とは




滅びゆく美に対する嫌悪
完全なる美への渇望
美しい言葉がおりなす
耽美な空間に
過去と現実が錯綜する

輪廻転生

本多繁邦が
時空の
合間にであった‘清顕’は
本多の願いも虚しく
美しいままで
自らの時を止める
本多だけが
時に流されていくのです

60年後
自らの命が
ようやく
その流れを止めようとする時
奈良の月修寺へ
清顕が愛した女性
清顕
綾倉聡子こと
月修寺門跡の元を訪れる

しかし
月修寺門跡からは
思わぬ言葉が…

すべては



まぼろし



又、会ふぜ。きつと会ふ

老いた本多繁邦が
舞台奥へと歩いていく
それは
清顕の魂を
探し彷徨う
本多自身の
輪廻転生への旅立ち…

探しに行こう
会いに行こう
美しかった
魂に

その人の名は
松枝清顕

うぅぁぁぁぁ~

もろ

三島由紀夫世界

たまらない

泣きそう

時代が錯綜するので
全神経を集中し
頭フル回転で
ひたすら咀嚼

「豊饒の海」
第一部「春の雪」
第二部「奔馬」
第三部「暁の寺」
第四部「天人五衰」
全四作が
2時間30分弱の舞台として
見事なまでに
構築されていました
いやぁ~
観劇です

ロンドンで
注目されている
マックス・ウェブスター
凄い!


Photo/ENJOY THEATER

~青年時代~
松枝清顕:東出昌大
本多繁邦:大鶴佐助
綾倉聡子:初音映莉子

~中年時代~
清顕の生まれ変わり?飯沼勲:宮沢氷魚
本多繁邦:首藤康之
久松慶子:神野三鈴
清顕の生まれ変わり?ジャントラバー姫:田中美甫


~老年時代~
清顕の生まれ変わり?安永透:上杉柊平
本多繁邦:笈田ヨシ
久松慶子:神野三鈴

物語が進んでいくうちに
清顕が
三島由紀夫と交差し
平岡公威自身になった

松枝清顕 = 平岡公威

「清顕の夢日記」= 「豊饒の海」

現世に
転生してるかもしれない
平岡公威の魂は
今この時代に
何を思う
何を憂う

東出昌大さん演ずる
松枝清顕が
中心人物(主役)と言うより
松枝清顕の魂が主役で
出演者全員が
輪廻転生する
松枝清顕の魂を
作り上げている
と言った印象を受けました
どの役者も
素晴らしかった
しいて言うなら
綾倉聡子役
初音映莉子さんではない

声が違う
立ち居振る舞いが違う
醸し出す雰囲気が違う

ならば
誰?
と言われても
困る

今年の
舞台ベスト1は
これだなぁ~


                  

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