時遊人~La liberte de l'esprit~

自由翼 心はいつも自由でありたい by 椋柊

包帯クラブ

2008-08-31 | 映画


関東近県の
青空が突き抜ける
それでいて
ちょっとたそがれた中都市

イマドキの女子高生‘ワラ’こと笑美子(石原さとみ)は
一見普通に学園生活を送りながらも
心の底に闇を抱えている
ふと出来心で
病院の屋上のフェンスを乗り越えた時
妙な関西弁を操る
入院患者の少年‘ディノ’こと井出埜辰耶(柳楽優弥)に出会う

手首の切り傷を
「料理している時に失敗して切っただけ」と言い張る
ワラの心の闇を直感的に見抜いたディノは
ワラの乗り越えたフェンスに
ワラの手首に巻かれていた包帯を結び付ける



それは
青空になびく白い旗のよう
そうしたら気持ちがなぜか
スゥーッと楽になったワラ
包帯って
心にも効くの!?
それが「包帯クラブ」の始まりだった…

関東近県の町を舞台に
傷付いた場所や風景に包帯を巻いて癒すという
「包帯クラブ」を結成した
高校生たちを主人公に描く青春映画
原作は「永遠の仔」の天童荒太の同名小説

                    「Cinemacafé.net」より引用



「包帯クラブ」のメンバーの
傷ついた場所や風景に
包帯を巻く行為は

凍りついた心に
ほのかな光をもたらす

縮こまってしまった心に
少しだけど
パワーを与えれくれる

思いの残った場所や風景と
「包帯クラブ」のメンバーを通して
再び対峙することにより
自ら再生の一歩を踏み出す

彼らから送られてくる画像には
「大丈夫だよ」
「貴方は独りじゃないよ」
と語りかけてくれる

ただの「偽善」や「自己満足」と
言い切れないモノを
ひしひしと感じてしまった



クライマックス

ディノの
荒唐無稽な行動に隠された
重く苦しい現実と
ディノ自身が対峙するとき
その傍らにはワラが…

そして二人を影から見守る
タンシオ・ギモ・リスキ・テンポの姿が…

う~何だかいいぞぉ~



人は
知らず知らずのうちに
他人を傷つけるモノ
そう考えると
何も出来なくなる
何もいえなくなる

自分の存在自体が
意味のないモノに思えてくる

でも
それと同じくらいに
知らず知らずのうちに
他人を救っているかもしれない
存在自体が
誰かの支えになってかもしれない

そんな風に
思えたら
なんかいいです

心に闇を抱えながら
耐えに耐える孤高のディノ

その難しい役柄を
柳楽優弥くん
見事に演じていたと思います

見ごたえのある
作品だと思います



ディノの自虐的行為を
真似するヤカラはいないと思うが
危険なので止めましょう
コメント

フライ ダディ フライ

2008-08-30 | 映画


おっさん 空を飛んでみたくはないか?

       はい とりあえずやってみます…



47歳
平凡なサラリーマンの鈴木一
彼が体験したひと夏の出来事とは―



夏休みの前日の終業式
高校生朴舜臣(パクスンシン)は
おっさんと出会った

自分の娘を傷つけた相手がいる高校に
包丁を持って乗り込んだのだ

しかし
その熱意もむなしく
おっさんは舜臣(スンシン)に一発で倒され気絶してしまう
さらに
おっさんの乗り込むはずの高校は
実は
隣の高校だった…

舜臣(スンシン)たちも気に入らない存在の
隣の高校の石原に一泡ふかせるために
舜臣(スンシン)たちは考えた
ひと夏
おっさんを特訓して
石原と対決させるのだ!
こうして
高校生達とおっさんの奇妙な夏休みが始まった…

 「CINEMA TOPICS ONLINE」より引用



ケガを負わされ
心を閉ざしてしまった娘のため
気は優しいが頼りがいのない
へタレ中年サラリーマン鈴木一が
奮起して
ボクシングチャンピオンの暴力高校生に
復讐を誓う

そんな彼を
アルジェリアの傭兵部隊にいたらしい
腕っ節の強い在日朝鮮人の高校生が
ちょっとした勘違いから
鍛えることになる

堤真一扮する
へタレ中年サラリーマン鈴木一が
娘に対する愛と意地も手伝って
ハードなトレーニングに耐え
一皮向けていく過程が実にいい

こんな堤真一見たくない!
と思わずにはいられない程
情けないへタレぶりを発揮していて
絶妙な笑いを振りまいているんだけど

頑張る姿に
ついつい声援を送ってしまう



岡田准一扮する
在日朝鮮人の高校生にも
人には言えない
心の傷があるんだけど
へタレ中年サラリーマン鈴木一と
接していくうちに
自から
一歩前に踏み出す勇気をもつ
そして
この二人の間に
擬似親子愛のような感情が芽生えてくる

夕日を背に
二人して並ぶ姿は
実に温かく優しい気持ちにさせてくれる


「おっさん 強くなって俺を守ってくれよ」

高校生舜臣(スンシン)のこの言葉は
彼だけの心の叫びではない
そんな気がした

岡田准一の役が
あまりにカッコ良すぎるんだけど
許せてしまう(笑)

‘喧嘩と暴力は違う 一対一のタイマン 素手が基本 ’
ごくせんのヤンクミの台詞じゃないけれど
確かにそうだわ…

鈴木一をサポートする
高校生達も
勝敗の賭けを企画する
ちゃっかりした今どきのガキンチョ

なんだけど

遥ちゃんのため鈴木家のため
奮闘する
心優しきガキンチョでした




「SP」でも
堤&岡田コンビの
活躍を期待します
息のあったところを見せてください
コメント

人のセックスを笑うな

2008-08-29 | 映画



19歳磯貝みるめ(松山ケンイチ)は
堂本(忍成修吾)の運転するライトバンの助手席から
トンネル中を全力疾走する幽霊を見た

っと思ったら
それは女の人だった

終電で乗り過ごしたうえに
足にマメを作ったらしい

堂本は
「荷台ならいいですよ」
と声をかけた

ジタバタしながら
荷台に乗り込むその人の格好が滑稽で
思わず
「大丈夫ですか~?」
と笑いながら
何故だか僕は
助手席を降りて
荷台に乗り込んだ

その人と別れる時
僕は
僕のビーチサンダルを進呈した

それから暫くして
僕たちは
再び出合うことになる
しかも
僕の通う美術学校の喫煙所で…



その人の名は
ユリ(永作博美)
新任のリトグラフ講師

同級生えんちゃん(蒼井優)が
バイト先している映画館に
ユリがやって来た
映画の話から
生ロバを見に行こうってことになり
二人してファミレスに行った

それから数日後
絵のモデルを頼まれたていた僕は
ユリのアトリエに行き
されるがままに
するすると服を脱がされてしまう
以来
20歳年上のユリにすっかり骨抜きにされ
2人で過ごす濃密な時間にのめり込んだ

そんな僕を
えんちゃんは
複雑な思いで見ていたらしいんだけど
疎い僕には
そんな事
解かるはずもない…



ユリの授業が休講になった
風邪でも引いたのかと思った僕は
学生課でユリの家を調べ
様子を見に行った


家から出てきたのは
おじさん
「サユリの学校の方?どうぞおあがり下さい…」
「サユリ?」

家にあがらせてもらって
おじさんと黄粉の和菓子を食べてたら
ユリが現れた

写真屋を営んでいるらしいおじさんが
お客の接客で席を外した隙に

「(ユリ)一人暮らしだと思ってた
 お父さんと二人暮らしなんだね
 ちょっと緊張しちゃったよ」
「猪熊さん?旦那さん…」
「ん?」
「あたしの夫…」
「えぇ!?」



人妻だし
旦那さんいい人そうだし
不倫だし
別れよう
もう会うのは止めよう
そう思いつつ
自分を抑えられない僕

ユリとの連絡を絶とうと
携帯を溶接するも
携帯の着信音が鳴ると
いてもたってもいられなくなって
寒さに凍えつつ
夜空の下
居るはずのないアトリエの前から
ひたすら
ユリに携帯をかけた



その頃
ユリは
えんちゃんを
バイト先の映画館から連れ出し
学校近くのファミレスにいた

「結婚してるって聞いたんですけど?」
「そうよ」
「みるめくんとは遊びですか」
「遊び?ん…付き合っちゃだめかなぁ~」
「駄目ですぅ」
「だって…触ってみたかったんだもん
「『だもん』って…」
「みるめくんに触ってみたくないの?」
「え~ 触ってみたいけど ん~どうしょうもないし…」
「やってみなきゃいいか悪いか解かんないよ」



溶接された携帯を見たえんちゃんは
唖然としてた

「携帯鳴ってるよ」
「電話に出たくなっちゃうから」
「出ればいいじゃん」
「出たら会いたくなる」
「ったくこんなことして…ばっかじゃないの」
「ほんと ばっじゃないの! ば~か」

アトリエに行った
我慢するの苦しかった
会いたかった
僕は
思いっきりユリを抱きしめた



でも
それは突然にやって来た
ユリが
学校も辞めて
僕の目の前から忽然と姿を消した

『キスも上手くなった』

そうユリは言ってくれたのに…

年が明けて
家に引篭っている僕を心配して
えんちゃんが来てくれた

「あたし 見たよ ゆりちゃん…」

僕は再び
ユリを探しはじめた



そして
僕は一つの結論に達した



会えなければ終わるなんて

     そんなもんじゃないだろう



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最終兵器彼女

2008-08-28 | 映画
女優の深浦加奈子さんが
がんのため逝去されました
味のある素敵な女優さんでした
謹んで御悔やみ申し上げます



4月13日のblogで紹介した映画
原題:NIM'S ISLAND
日本語タイトル「幸せの1ページ」が
9月6日から日本で公開されます
チャーミングなジョディ・フォスターが
見られます



ドジで不器用な少女・ちせ(前田亜季)と
無愛想だけど気持ちの優しいシュウジ(窪塚俊介)
二人は小樽の同じ高校に通うクラスメート

ちせの突然の告白を受け
交換日記を始める事になった二人は
お互い戸惑いながらも
ぎこちない交際がスタートしていった



ある日
シュウジは
友人のアツシ(木村了)と
アケミ(貫地谷しほり)と一緒に札幌へ買い物に出かける

休日で賑わう札幌で
上空に
突然無数の爆撃機が飛来
街を攻撃し始めた



逃げ惑う人々に
降り注ぐ瓦礫…
足を痛め動けないシュウジの目前に
落ちた爆撃機の翼が迫って来る
危機一髪のところで
「何か」に救われた気がした時
シュウジの前に背中から鋼鉄の翼を生やし
変わり果てたちせの姿があった

「ごめんね、シュウちゃん…あたし…こんな体になっちゃった…」



「最終兵器」となってしまったちせの姿に
衝撃を受け動揺するシュウジ
それでもシュウジの前では
一生懸命<彼女>として明るく振舞おうとするちせ
しかし
兵器としての戦闘本能を止められず
無意識に敵の襲来を感知し攻撃していくちせには
シュウジとの残された時間に
限りがあることも全て解っていた

「ただ、シュウちゃんの傍にいたい…」



戦いで傷ついた心と身体を庇いながらも
シュウジと過ごす時間だけが<生きている>
と実感できる幸せな瞬間だったのだ

そんな中
戦闘は更に激化し
シュウジの前で
アケミが攻撃機の空爆に巻き込まれ負傷し
アツシもアケミを守るため
自衛隊への入隊を決意

彼らの住む街では
戦闘が激化し
家族・友人が
砲撃に巻き込まれ
遂この間までのささやかな日常は
既にどこにも存在していなかった



ただちせを見守ることしか出来ないシュウジは
現実を不器用ながら受け止めつつ
ちせと二人で生きていこうと決心する

それでも
決して現実のものとならない未来を
楽しげに語らうちせとシュウジ

ちせは
シュウジの腕の中で安らぎ
静かに眠りにつく



同時に
ちせの身体がシステムエラーの為
制御不能となることから自衛隊は
<ちせの抹消>を決断
無数のミサイルがちせ目掛けて発射されていく

気づいたシュウジが目にしたものは
全てを知りつつ
敵のミサイル目掛けて舞い上がっていく
最終兵器と化したちせの姿だった

やがて
その姿は
眩い閃光に消えていった

                           「おすすめ映画情報」より引用



高橋しん原作の同名コミックの
完全実写化

普通の高校生でありながら
兵器として戦う宿命を背負わされた少女・ちせと
戸惑いながらも
彼女を守ろうとする青年・シュウジ
ふたりの純愛を
プラトニックな学園ドラマと終末観漂う



SFアクションという対極のジャンルを
ミックスして描く異色のラブストーリー
ヒロインが兵器になった理由や
戦争が展開される背景の説明を廃し
唐突にシチュエーションだけを提示するという
スタイルも原作が支持された要因で
その点でも忠実な映画化となっている

                           「goo映画」より引用



この手の作品の実写化は
とかく
失望することが多いので
全然期待しないで見たんだけど
意外…
なかなかどうして
見入ってしまいました

戦争が展開される背景やら
ちせが「最終兵器彼女」に選ばれた経緯
その辺りをあえて説明しない
それが
この作品の良い点なんでしょうね



なので

何故
最終兵器にされたのか
何故
ちせなのか
何故
日本が人間兵器を作ったのか
何故
戦争が始まったのかetc.

ディティールが気になる人には
面白くない作品かも



原作コミックや
アニメで
「最終兵器彼女」見てる人も
どうかなぁ~

ちなみに
小生は両方みてません

姉の前田愛さんは
木曜の怪談 怪奇倶楽部-小学生編の頃から
知ってたけど
前田亜季さんは
妹さんってことくらいしか知らないし
映画も「水に棲む花 」くらいしか見ていないけど
今どきのアイドルタレントとは
カラーが違う感じがします
期待してます






映画「僕の彼女はサイボーグ」借りるなら
こっち借りたほうが…

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クライマーズ・ハイ

2008-08-27 | 映画


「ジャンボが消えた?」
1985年8月12日
日航機墜落事故発生

乗客乗員524名
うち生存者4名
死亡者数520名…

未曾有の悲劇を前に
全権デスクを命じられた悠木と
地元新聞記者たちの
壮絶なる1週間が幕を開ける

                  東映「クライマーズ・ハイ」イントロダクションより抜粋



1985年8月12日
北関東新聞社の遊軍記者で
販売部の人間が多く所属する
「登ろう会」メンバーの悠木和雅(堤真一 )は
同じく登ろう会の安西耿一郎(高嶋政宏)と一緒に
県内最大の難関である谷川岳の衝立岩に登山へ向かう予定だった



帰宅しようとしたその時
社会部記者の佐山達哉(堺雅人)から
「ジャンボが消えた」と連絡が入る
翌朝
悠木和雅は粕谷編集局長から日航全権デスクを命ぜられる
同新聞社にとって
「大久保・連赤」以来の大事件を抱えることになる

                   フリー百科事典『ウィキペディア』より抜粋



横山秀夫氏著者が
上毛新聞記者時代に遭遇した
日本航空123便墜落事故をもとに
事故時の群馬県の
架空の地元新聞社を舞台にした
小説の映画化



事故の何を取材し
何を伝えるべきなのか
情報が錯綜し
社内も現場も混乱する中
紙面作りの重責がのしかかる



極限状態に追い詰められた北関編集局では
ゆがんだ人間関係も露呈されていく
悠木和雅は
上司との対立
同僚の嫉妬
部下の信頼喪失…
事故発生の日に倒れた
販売局の親友・安西耿一郎の容態や
離れて暮らす妻子の問題も頭から離れない



堤真一扮する悠木和雅と
遠藤憲一扮する等々力庸平の
男の報道記者としての理想と現実とのギャップだけでなく
男の意地・妬み・嫉妬など
醜い感情が衝突する場面は
迫力があった



悲惨な現状を目の当たりにし
精神が崩壊した記者は
現状を見た自分達こそが
真の記事を
真実を伝えることが出来ると豪語する

しかし
リアルに
総てを伝えることが
本当に正しいのか…



中央紙と地方紙との対立もさることながら
北関編集局のフロア内で
繰り広げられる
策略・工作と言った攻防も
緊迫感があった

人間のドロドロとした
エゴが凝縮され
溢れていく



なんだけど…



最期の落ちは…



なに??



悠木和雅と
その息子の間に
長年確執があったことは
想像つくけど
それと
時折出てくる
安西耿一郎の息子(小澤征悦)の
シーンは
どう言った意図があるのか…



原作を読めば
そのあたり
理解できるのだろうか



山崎努扮する社長白河頼三の
悠木和雅に対する
異様なまでの執着とか…



東映「クライマーズ・ハイ」
http://www.toei.co.jp/movie/details/1174249_951.html

読むといいよ

堤真一頑張りました



映画「クライマーズ・ハイ」公式サイト
http://climbershigh.gyao.jp/

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