太陽光発電シニア

太陽光発電一筋、40年をはるかに過ぎたが何時までも興味のつきない厄介なものに関わってしまった。

老けこむ齢でもないだろうに

2018-01-12 08:31:33 | 日記

このところブログがどうも老けこんでいる。そこに飛び込んだのが小泉、細川両元首相の原発ゼロ推進の記者会見である。まだ諦めてないというか執念深いというか年寄りの夢物語で片づけてしまうのか。官房長官は相変わらず厳しい規制委員会の安全審査をパスしたものは稼働・・・と繰り返している。原発については何度かブログに書いたが、本当に技術の継承が必要なら地震やテロ対策が最も厳重な数基を残して廃炉にすべきである。安いと言われるその電力はタダで系統に供給すれば良い。世界一安全と言われても自然やテロはそんなことお構いなしだ。安全基準を世界で比べる意味など全く無い。民間では安い電源とか、不安定で高い再エネとか、原発が無ければ電力不足になるという風説が見ごとに浸透している。福島以降原発の無い時代を経験し、それが慢性的電力不足を引き起こさなかったことなど忘れているかのようである。明日もし想定外の地震が起こり、アメリカに向かうミサイルを新迎撃システムで打ち落として破片が直撃しても誰も責任を取らないことだけは確かである。

マスコミのほんの一部が原発ゼロへの工程表を示すべきだと言っている。もっとも大きな理由は核廃棄物の最終処分場の問題であろう。工程表には何時何日までに最終処分方法と処分場が決まらなければ時間切れですというクリティカルポイントが必ずあるはずである。両元首相の記者会見はエネルギー基本計画見直しの真っただ中にあって、全野党が独自色を出そうと少しだけ表現を変えて原発ゼロを言いだしたことを見計らってのことである。

エネルギー基本計画を審議する人達は個々人が全電源を所有し、全責任を負う社長と思うべきである。電源同士を比較するのは所有が別の場合である。勿論経営の為には銀行から融資も受けなければならない、リスクヘッジの為の保険料も必要だ。当然限界コストゼロの再エネを普及させない手はない。FITの負担など直ぐ回収できる。何をどれくらい動かすかは全てを所有していれば決まる筈である。夜の報道番組でヨーロッパでは緊急事態に備えてEV(の蓄電地)の利用を考えているとコメントがあった。業界では2012年8月に策定したビジョンでPHEV,EVの蓄電池の利用を定量的に示し、それ以降のビジョンでも精度を上げながら言及してきた。100%再エネは物理的に可能であると書いたこともある。ネット記事では2050年原発ゼロの両氏の考えを荒唐無稽と一蹴している。これは技術的に言っているのか2050年が無理といっているのか、意味不明の断定である。安定化は夢物語ではない。原発は出力調整のできない不器用な電源であることも理解しなければならない。再エネは個々を細かく入り切りすれば全体として調整可能である。コネクト&マネージ。

小泉、細川氏の主張を待つまでも無く安全を第一とするなら原発は廃止すべきであるという論理は正しい。明日事故が起こるかも知れない原発に安全は無い。安全であるという証明は永遠にできない。惜しむらくは両氏の記者会見の壇上に若い人が居なかったことである。老いの一徹と思われてしまう。それでも老いてなお盛んな両氏を誹謗する理由はどこにも無い。原子力村に居る人達も退職後は両氏の運動に参加すれば良い。たとえ生きている間に事故が起こらなくても誰も褒めてはくれない。運動に参加していれば不幸にも事故があった場合、村でのキャリアも吹っ飛ぶ。こちらも老けこむ年ではないと思った。



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