太陽光発電シニア

太陽光発電一筋、40年をはるかに過ぎたが何時までも興味のつきない厄介なものに関わってしまった。

覚悟無き戦い

2017-09-05 08:35:38 | 社会観察

連日北朝鮮の核実験のニュースが報じられている。軍事的オプション全てが机上にあるとか、安保理での石油禁輸制裁の検討とか、圧力か対話かで何か二者択一の議論がなされているかに見える。そして趨勢は圧力側に傾いているかの報道である。圧力は軍事と経済面のどちらかであるが必ずしも経済制裁を経て軍事オプションに移るという保証は無い。軍事が先行してしまうという例は中東で見て来た。

怖ろしいのは多くの専門家が対話の時ではなく、圧力をかけることに同調している。誰一人日本にとっての最悪シナリオを解説しないことである。業を煮やしてアメリカが軍事行動に出た場合、強固な日米同盟の下我々はアメリカとともにある、といって日本の米軍基地から爆撃機が出撃するのを支援するのだろうか。支援であろうと容認であろうと北朝鮮にとっては同じである。一撃で壊滅できなければ必ず報復爆撃を受ける。勿論ターゲットは米軍基地や原発となろう。まだ攻撃を受けていない基地周辺も大パニックになる。

逆に北朝鮮が先制攻撃をする場合はどんな場合だろうか。確実に米本土を叩くことが出来なければ、誤射以外可能性は低いだろう。もし、先制攻撃で米軍基地を攻撃したら日本やアメリカから本当に壊滅的報復を受けることは百も承知だろう。ただ、ニュースのインタビューなど視る限り一般市民は戦争となれば勝てると信じているのが恐ろしい。

軍事行動という言葉を使う限り、最悪シナリオではこうなりますと解説を加えるべきである。そうでなければ国民に覚悟などできない。圧力という言葉を使う限り、圧力の結果こうなるというシミュレーションを加えるべきである。そうでなければ圧力の支持すらできない。対話という言葉を使う限り、対話によってこのような状態を実現するという希望も添えるべきである。そうでなければ単なる人の良い隣人で終わってしまう。

今ある危機は誰がどのような得をして、誰がどうのような損をするから起こっているのか本当に良く分からない。北朝鮮の市民のように戦う覚悟はまだ出来ていない。ミサイルの性能解説よりも、どのような心構えで居るべきか是非解説して欲しい。先日ブログでカウントダウンのタイマーの赤い線を切る人や国が現れないかと希望を書いたが、スイスが紛争解決の仲介役を果たしたいと名乗り出たという小さな記事があった。希望は膨らませなければならない。