書籍之海 漂流記

看板に掲げているのは「書籍」だけですが、実際は人間の精神の営みすべての海を航海しています。

中谷宇吉郎 『科学の方法』 

2005年07月14日 | 自然科学
 この書の第1刷は1958年で、かなり内容的には古くなっているのだろうが、自然の綿密正確な観察・推論による仮説の構築・実験による仮説の検証という科学的思考方式の基本に変わりはない。なにより達意の文章で読みやすい。 
 リチャード・ドーキンス 『利己的な遺伝子』 (→昨日欄)と同じで、時に行う、知的リハビリとでも名付くべき作業である。これらを一部または全部欠いた人々のざれ言を絶えず目にし耳にしていると、知らず知らずの間に彼らの馬鹿が染っている可能性がある。

(岩波書店 1969年7月第14刷)

▲今年は雨が集中的で降りかたが激しい。毎年、庭のサンショウの木にアゲハチョウが卵を産みに来るのだが、今年は豪雨のおかげで幼虫が全滅である。しかしつい先日めずらしく黒アゲハが来たと思ったら卵を産み付けていったらしい。今日、まだほんの小さな幼虫を発見した。今度は無事に育ってほしいものだ。もっともいればいるで、三歳になったばかりの息子が揺さぶって振り落としてしまうのだが・・・・・・。

橋本以蔵作 たなか亜希夫画 『軍鶏』 20・21 

2005年07月14日 | コミック
 主人公は“地獄巡り”を経て“ゼロ地点”へと回帰し、作品はこれまでの展開を捨ててリセットした(→2003年6月23日欄「『軍鶏』19」)。
 19巻と20巻の断層は秋田書店版石森章太郎『サイボーグ009』第4巻と第5巻の間にあるそれの如し。 
 これは、息抜き。
 
(講談社 2005年6月)

▲ところで井上雄彦『バガボンド』第21巻はまだか。