さすらい人の独り言

山登り、日々の独り言。
「新潟からの山旅」別館
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さすらいの風景 クリスマスマーケット その2

2015年01月14日 | 海外旅行
マリア・テレジア広場からリンク沿いに歩いていくと、国会議事堂前に出ます。1883年に完成したギリシャ神殿風の建物で、正面にアテネ像が立っています。

市庁舎の塔が見えてきて、期待が高まりました。



市庁舎脇の公園の木々も飾りがぶる下げられていました。





公園内に通じる小路の入り口もアーチ型の飾りがとり付けれれていました。





市庁舎広場に到着しました。大層な賑わいです。



クリスマスマーケトの全体の雰囲気をつかむため、道路向かいのブルク劇場側から眺めました。

左に、「Frohe Weihnachten」(クリスマスおめでとう)と書かれています。

また右には、「Wiener Christkindlmarkt」 ウィーン・クリストキントマーケットと書かれています。

このChristkindとは、「幼児キリスト」を現しており、クリスマスのプレゼント主になっています。

クリスマスのプレゼント主というとサンタクロースが思い浮かぶと思いますが、歴史的に複雑な経緯をたどっています。

サンタクロースが、聖ニコラウスに由来することは知られるようになっていると思います。4世紀のミラ「ローマ帝国リュキア属州、現在はトルコ」の司教聖ニコラウスは、特に貧しい人や子供たちの世話をしたと伝えられており、そのため子供の守護聖人として崇められるようになりました。聖ニコラウスの祝日12月6日に子供へのプレゼントが行われるようになって、ヨーロッパにこの風習が広まりました。

ところが、16世紀のマルティン・ルターのプロテスタント改革の結果、ローマ・カトリック教会の聖人崇拝が否定され、聖ニコラウス崇拝も拒絶されるようになりました。その代わりのプレゼント主として登場したのが、聖キリスト(幼児キリスト)で、贈り物をする習慣は12月6日から12月24日に移動しました。このプロテスタントの習慣は、ヨーロッパ内のドイツ語圏のカトリック教徒の間にも流れ込み、聖キリストはそれ以降、金色の巻き髪の天使に似た姿にさらに変わって行きました。今日ではクリストキントがプレゼント主となる習慣は、意外なことにむしろカトリックの伝統が強い西部ドイツと南部ドイツ、オーストリアに広まっています。

一方、聖ニコラウスは、オランダ版のニコラウスである「ジンタ・クラースSinterklaas」を介してアメリカへと渡り、そこで赤いコートと帽子姿のサンタクロースに発展しました。トナカイの引くソリや煙突から家へ入るサンタクロースに関する逸話や北極のサンタクロースの仕事場が考え出され、現在のサンタクロースの姿は、コカ・コーラのコマーシャルで商業的に利用された事で定着しました。

なお、ウィーンの伝統では、聖ニコラウスは12月6日にプレゼントを持ってきますが、従者のクランプス(Krampus)と呼ばれる鬼が一緒にやってきて、悪い子にはお仕置きをするそうです。残念ながら、今回の旅では時期が遅れており、クランプスには出会うことはできませんでした。

日本でクリストキントが全く知られていないのは、クリスマスの習慣がアメリカ経由で伝わったことによるのでしょうね。



市庁舎広場周辺には、一見すると蝶々かと思ってしまう飾りが取り付けられています。



実は、これはクリストキントを現しています。良く見れば、羽を背負った天使が手を広げています。



これもクリストキントの飾りですね。



市庁舎は、1872~1873年にかけて、ネオゴシック様式で建築されました。中央の塔の高さは98m。近くのヴァティーブ教会の高さが89mであることから、皇帝の命でこの高さを超えることは許されませんでしたが、建築家シュミットは塔のてっぺんに騎士像を載せて反抗したといいます。



塔の前には大きなクリスマスツリーが置かれていました。意外に質素な飾り付けです。また、よく見られるてっぺんに付ける星は見られません。



煌びやかなキリスマス飾りが売られています。



ただ、これらの飾りは一個がかなりの値段がするので、クリスマスツリー全体を飾るよりは、気に入った飾りを一つ加えるといった感じで購入するのでしょうか。



色とりどりの飾りを見ると、何を買えば良いのか判らなくなってしまいます。





お馴染みのくるみ割り人形の店を発見。クリスマス関係の飾りとして知られていますが、ドイツのものなので、この店しかみつけられませんでした。

また、蝋燭の火の上昇気流でプロペラを回すクリスマスタワーのミニチュア版もこの店では売られていますが、ドイツのクリスマスマーケットの中心部に飾られるような巨大なクリスマスタワーはウィーンでは見られませんでした。さらにミニチュアの馬小屋にマリアや幼児キリスト、三博士の人形を飾る馬小屋降誕セット(クリッペ)も売られていませんでした。国によって、クリスマスマーケットの内容も変わってくるようです。



マリアテレジア広場で見かけた真っ白人形の店が、市庁舎広場にもありました。複数のクリスマスマーケットに出店している店もあれば、ここだけというものもあるようです。







マペットの店。子供に実演していました。



店の数が多いため、後で気に入ったものを買おうとして同じ店に戻ってくるのはかなり難しいです。





皇妃エリザベート(シシー)のオーナメント。



変わったものとしては、この赤い帽子。裾のところの星が光ります。





お菓子の家も飾られていました。今回のウィーン訪問では、このお菓子の家が登場するオペラ「ヘンゼルとグレーテル」を見る予定になっています。



クリスマスのクッキー、レープクーヘンの店。



お菓子を売る店も多く並んでいました。





小さなバケツに入って売られているのは、綿あめのようです。日本のようにその場で作っている様子は見られませんでした。



モーツァルトチョコをずらりと並べたチョコレート屋。



ドライフルーツの店。



チョコレートフォンジュ屋。



青蛙やハリネズミのお菓子が並んでいました。



お待ちかねのグリューワイン。体があたたまります。



ハムやソーセージを売る店がありました。



グリューワインのつまみにソーセージ。食べやすいように細かく切ってくれました。

クリスマスマーケットでの買い食いは、二人で一皿を分け合って、足りなければ別なものを買うようにするのが良いでしょう。



菓子パンを売る店もあったので、ホテルに戻ってからの夜食用に買いました。





無事にクリスマスマーケットの見学と買い食いを行い、ホテルに戻ることにしました。

正面に見えるのはブルク劇場ですが、その屋上にライブカメラが設置されており、市庁舎やクリスマスマーケットの様子が映し出されてネットにアップされているので、旅の準備の役に立ちました。

雪が積もったりマイナス気温ではクリスマスマーケットの見学も辛いものになると危惧していたのですが、雪は無く、気温も4度ほどで、ユニクロのヒートテックの下着にフリース、ダウンのジャケットで余裕で過ごせました。
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