さすらい人の独り言

山登り、日々の独り言。
「新潟からの山旅」別館
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さすらいの風景 アンコール・ワット その4

2010年04月19日 | 海外旅行
ンコール・ワットの中央詞堂は、現在立ち入り禁止になっているため、一旦外に出て、第一回廊の他のレリーフを見物することになりました。



塔も近くなっていますが、小さな仏像が一面に飾られているようです。



第一回廊の南面東側には、「天国と地獄」のレリーフが飾られています。

上中下の三段に分かれており、極楽界、裁定を待つ者の世界、地獄がそれぞれ描かれています。



王様が輿に乗って整然と行進していきます。



その下の地獄では、獄卒に亡者が打ちのめされています。



閻魔大王が、剣を突き付けて裁きを行っているところ。



地獄への転落



亡者は、石の重りで押しつぶされています。



ここでは、亡者がばらばらに刻まれています。



これは、はりつけ。



一方、天国では、やすらかな生活を行っています。

地獄図の方が、想像力たくましく生き生きと描かれていますね。



デバター像は、ここにもありました。薄物をまとった姿が美しいですね。

脇のアラベスク模様も制裁で見事です。



第一回廊の北側には、アンコール・ワットでも最も有名な「乳海撹拌」のレリーフが飾られています。長さは50mありますが、修復工事のため、半分だけが公開されていました。

「乳海撹拌」は、ヒンドゥー教における天地創造神話です。昔、神々の主インドラが、シヴァ神の化身の聖者を侮辱したため呪いを受けて、活力を失ってしまい、その隙をついて阿修羅が地獄から侵攻してきます。
神々は、困り果て、知恵の神ブラフマーから、神薬の作り方を聞き出す。乳海に薬草を投じ、マンダラ山を撹拌の棒とし、大蛇ナーガを引き綱とし引き会えばよい。神々だけでは手が足りないので、阿修羅と和睦して撹拌を行いなさい。阿修羅には、ただ働きをさせ、神薬ができても分け与える必要はない。
両者が左右に分かれての綱引きが始まりました。阿修羅はナーガの頭の方を掴んだため、ナーガの吐き出す炎に焼かれての作業になりました。
千年の撹拌の後に、希望を与える雄牛スラビブ、酒の女神ヴァルニー、楽園の樹バリジャ、さらに愛くるしいアプサラも生まれて天を舞い始めました。月や猛毒も生まれ、これらはシヴァ神のものになりました。女神が、待望の命の露を捧げて飛び出してきました。ヴィシュヌ神の妃ラクシュミーも出現しました。
結局、神々は命の露を飲んで活力を取り戻し、阿修羅には何も与えずに地獄に追い返しました。

この「乳海撹拌」のモチーフは、他の遺跡やホテルの飾りなど、いたるところで見ることになりました。



阿修羅側の末端には、ナーガの頭も描かれています。



列になって綱引きをする阿修羅



途中には、阿修羅の親玉も描かれています。



踊るアプサラたち。



海の中では魚たちがバラバラになっています。





「乳海撹拌」の見学を終えて、アンコール・ワットを後にしました。
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