アボルダージュ!!

文芸及び歴史同好会「碧い馬同人会」主宰で歴史作家・エッセイストの萩尾農が日々の思いや出来事を語ります。

『恋人形』に想い、のせて…舟木一夫 in 川越

2023-08-08 | 世情もろもろ
 8月7日―埼玉県川越市、ウエスタ川越大ホール―。
 ここから新たにスタートか、浅草公演で見えたずっと続く道の出発?―緞帳の上がる前まで少しドキドキ―。
 諦めることないこの先への一歩なのか―と、期待と恐れ入り混じり―。
『恋人形』に想いのせて―とタイトルした。
 2023年のconcert tourのステージでは初めて登場した『恋人形』が大きな衝撃を齎した。勿論、よい意味での…。
『恋人形』はこれまでの他のステージで何回か聴いた。
けれど、きっと、いや、絶対に(笑)私は、ボーっと聴いていたのだろう、この歌がこれほどに艶ある歌だとは、思ったことは無かった。
「ここの2曲は、艶歌を」
と、舟木一夫がtalkしたからではなく、いや、それも、あったかな。ここのシーンは、『29小節の挽歌』から『夢幻』へと流れる、大気がギュッと詰まった、そのくせ、透明な〞気〞が遥かな世界まで飛んでいくような場(!)だった。
 その〞場〞に、新たな物語が紡がれるか、舟木一夫の想いを込めた世界が積み上げられるか―等々、私は、思い、
「心を込めて、この場に立ち会うぞ~!」
と、エラそうに、音楽素人(!)が思ったのか、実は、その大切だった場を見つめていたい―これが、本音。
『京の恋唄』『恋人形』―この2曲。
 しっかりと聴いた。歌詞がメロディが、歌声が、胸の底まで届くようだった。
『恋人形』はよりしっかりと歌詞を心にとめた。
 そして、この歌の艶に驚いた。やはり、私は、この歌をこれまでは、ボーっと聴いていたのだ―と、確信した!(威張ってどうする(笑)
 タイトルだけで判断すると、まさか、〞艶歌〞の括り(くくり)になるとは思いもしない。
 詩をもっと前からよく聴いていればよかったか、いや、もっと、前に聴いても、艶には気が付かなかっただろう。現在(いま)の舟木一夫が、この難しい歌を、圧倒的な(本当に圧倒的な)歌唱力(プラス、想い)で歌ったから、艶が分かったのだ(と、自分を庇う??)。
「隠れていた艶歌を見つけた!!」
こんな所に(?)艶歌の伏兵が~などと冗談みたいに呟いてしまった。
 心を傾けて、じっと、聴いていると、『恋人形』の艶がわかる。
 メロディも、歌声も、素晴らしい。そして、この歌の艶と色をもっとも強く伝えてくるのが歌詞。
 舟木一夫本人の作詞である。
 帰宅してから、歌詞を再度、文字で読んだ。会場で詩とメロディと歌声をしっかりと受け止めて聴いていたのとは違う感動が胸内を巡る。使われる詩の言葉と感性に、物を書く者として、やっぱり、ちょっと嫉妬する。

  恋人形

うす墨の
空はつれない 雨もよう
帰るあてさえ ないひとに
いくつ折鶴 恋ごころ
にじむ吐息の もどかしさ

ふるさとの
風はかおりも 秋化粧
落葉しぐれる 白壁に
揺れてとぎれて ほそぼそと
つらい噂も 気にかかる

うす紅の
目もとやつれて 恋人形
あやめ一輪 咲く帯に
かくしきれない あの夜の
命かさねた 夢のあと


 素晴らしい詩!
 この先の、後半の物語がスタートしたと、私は、いつものように(!)勝手に思った。そして、心の内で、またも、勝手に拍手をした。
 舟木一夫が創る世界(ステージ)は続く。途切れはしない。よかった、物語は続いていく。

 それから、もう1曲。
『今日かぎりのワルツ』―4月の高崎公演を綴ったブログに書いたと記憶しているが(と、それを確かめないで、こうして綴る私(笑)、爽やかに、爽やかに、耳に届いたこの歌は、ここ川越のステージでは、爽やかにプラス、優しく、優しく、届いた。温かな優しさで、その空(くう)を包んでいった気がする。これは、歌に対する舟木一夫の優しい想いだ。

 Concert tour 2023は今後の予定を数えてみたら、ちょうど、半分ほど。ここからはその後半か、そこでは、これらの艶歌を聴くことができるか、このスタートに、私は、また、勝手に、拍手を送ろう。楽しみを紡いでいこう。舟木一夫の紡ぐ物語に目を凝らして…。
 
           
                                 (2023/8/8)


【追記】 『恋人形』の詩を掲載させていただいた。著作権の侵害という言葉は少しの間、どこかに行方不明になった(ゴメンナサイ!舟木さん、)。
 
【追記】その2 川越公演は、抒情歌の部分も少し変わって『夕笛』はピアノ伴奏のバージョン。こうして、少しづつ、いろんな歌が進化(?)して、2023年の荒波(本当に世界は荒波になった)の中を、舟木キャプテンの船は進む…と、高らかに宣言(?)して、この後、川口市公演の8月24日から、その1週間後の相模大野市の公演、さらに1週間後の神奈川県公演―と、3公演続けて、(まさに、また3連??)私も、灼熱地獄の中を進むぞ!(と宣言…とは強く言えない、溶ける(笑)
 川口公演はまたまたオペラグラスの世話になるかも…以前はコンタクトを入れたら、20列くらいでも、くっきり、はっきり見えたのに、14~15列で、オペラグラスを頼むようになった。年齢を経ると(歳をとると…とは言わない(笑)、いろいろと支障が出てくる。筋トレをしても、ジョギングをしても、年齢なりの支障は正直に出てくると、悲しく実感。しかし、そんなものに負けてはならん!