アボルダージュ!!

文芸及び歴史同好会「碧い馬同人会」主宰で歴史作家・エッセイストの萩尾農が日々の思いや出来事を語ります。

「1400億年安泰」って?!

2018-10-03 | 世情もろもろ
9月26日、東京大と国立天文台の研究チームが、宇宙はあと1400億年続く―と発表した。
「エ~! 本当に~?!」
と、にわかには信じがたい。
宇宙は膨張し続けている。
ずっとずっと膨張していって、ある時、膨張が止まった時、次は縮小に転じる。膨張した分、それは、加速度的な速さで縮小する。それで、ある時、無になる―などと、恐ろしい想像を巡らせた事がある。「無」って、「無」なんだよね―と。
「無」を考えると、かなり、恐ろしい。その無の空間(空間といえるのか、無…なのに)を魂魄だけが漂うのか、いや、魂魄すらも無になるのか―なんて、想像するとぞっとする。
…と、綴りつつ、そういう物語を昔、書いたことがあったなぁ―と、ちょっと思い出す。

…で、その1400億年続くという話。
『宇宙がこのまま膨張し続けたとしても、物資を構成する原子がばらばらになって世界が終わりを迎えるのは、少なくとも1400億年先』という分析結果が、前述の研究チームから発表された。
138億年前にビッグバンで始まった宇宙の終焉はどのように来るのか―。
再び、一点に収縮する―これは、「ビッグランチ」というそうだ。
無限大に膨張して物理法則が成り立たなくなる―こちらは「ビッグリップ」というとの事。
当分は(宇宙的規模の「当分は」である)宇宙の質量は膨張を止めるほど大きくないと、チームは、ハワイ島のあるスバル望遠鏡の観測から、結論を導いた。
「無限大になるまで長い時間がかかり、宇宙はしばらく安泰だ」
という。
チームは、宇宙全体の質量の4分の1を占める「暗黒物質」に着目して、再収縮を起こすほどの暗黒物質は存在しないという結論に達した。
膨張は止まらず、1400億年以降に無限大になる―という結果を出した。

誕生から138億年しか(!)経っていないこの宇宙。1400億年となると、まだ、10倍以上の時間があるということか。
「しばらく安泰」って、それは、宇宙が、しばらく安泰ということで、そこに、人類は確実にいない。
あと100年すら危ういのに…。
でも、とりあえず、宇宙があれば、「無」ではないから、あるいは、魂魄となって、広大な宇宙を漂うことはできそうかな―などと、秋空を見上げて、ちょっと、思ってみた。

それにしても、宇宙の「暗黒物質」って、人類の事ではないか―と、時々思う。この星(地球)を壊していっているのは、人類だから…。
その人類の中の、各国の為政者たちが、真黒な真黒な「暗黒物質」だ。


碧い馬同人会