アボルダージュ!!

文芸及び歴史同好会「碧い馬同人会」主宰で歴史作家・エッセイストの萩尾農が日々の思いや出来事を語ります。

爽やかに、船、進む~舟木一夫 in 長野

2024-02-25 | 世情もろもろ
 2024年2月2日、大宮(埼玉県)から〞静かな出航〞をした船が次に立ち寄った港は長野県長野市ホクト文化ホールー。
 前日までは、「夕方から明日午前中まで雪」…云々の予報、最高気温2℃などという「暖冬は?」と思ってしまうような天気予報だった。途中、軽井沢あたりは積雪があり、雪景色。が、長野駅に到着すると積雪なし、ピカピカに晴れているのではなかったが、どんより重い曇りでもない、雪に弱い東京から辿り着いた我々にはひと安心の空模様。
 しかし、オープニングの音楽が流れ、緞帳が上がり、最初の曲を歌い終わった舟木一夫のtalkは、「東京が温かかったので、コートを忘れてきた、朝、ホテルの窓から見たら雪!寒い!」―。「コートを忘れてきた?!寒い~!風邪を引くな~おーい」と、こちらの心が叫んだ気がする(笑)

 歌う曲や構成は大宮公演と同じ。concert tour 2024は、その構成で進む。
けれど、前回のステージとは全く違うような気がするのは、あまりに、爽やかだったからか。ステージはイキモノだから、毎回、違うのは当然。そして、今年の構成は、とても、心優しい、優しさがずっと漂っている―そんな優しい風が、さわさわと吹き抜けるような、そういう雰囲気に包まれている。その心優しい風が、優しすぎて、前回は、少し元気が無さそうに見える部分もあった。けれど、今回、そのひどく優しい風に私は、〞希望(のぞみ)〞を見つけた。舟木一夫の希みへの想いを感じた。
 船の外は、温かな光どころか、我らを飲み込もうとする悪意の荒波も打ち寄せているというのに、この空間には、希望が、そっと座している―他人(ひと)はこのステージをどのように感じ、受け止めたか、それは知らない。私はそう確信した。それが嬉しくて、じっと、ステージに目を凝らした、二時間弱の至福の時間(とき)。コンタクトの目が乾いて痛くなったけど(笑)。
 爽やかなステージと、爽やかな声―。再び、キィを上げた?かのような…。
「声が綺麗だった~」―と帰路、私は、友人に語った。
 その声で、『日本の名曲たち』のコーナー(というのか)に置いた3曲、盟友西郷輝彦さんの曲。『君だけを』『初恋によろしく』『星のフラメンコ』―西郷さんの若い頃のヒット曲、爽やかに歌いあげる。前回もそうだったけれど、このコーナー(?)、今年の3曲は、聴いていて(歌っていて…実は私もつい一緒に口ずさんでしまって)、胸がいっぱいになってしまうのは、なぜなのだろう。舟木一夫が爽やかに歌いあげるから、尚、胸に何かがこみあげてくる。こみあげる熱いものは、すでに遠く、遠く去った自身の青春への想い? その頃、いつも一緒だった友人Nは西郷さんが大好きだったから、その青春前期の沢山の思い出に心が立ち返るからかー考えを巡らせて、答えはどれなのか不明のまま。しかし、このコーナーが素晴らしいということは揺るがない事実だから、concert tour 2024の心優しいステージの中で、まだ、何回か(何回も?)、ここに立ち会うことが出来る。
 抒情歌という名のメドレーで繋げたコーナー、これが、ものすごく心優しいから、この2時間弱が、優しい時間になっているのかもしれない―とつい思ってしまうほど、素晴らしい。

 そんな時間が過ぎて、ふっと、呟く。
「頑張れ!舟木号」―と。「希望の船であれ」―と。
 そう、希望の船にするのは、キャプテン舟木と、この船に乗船する者たちの、希みを持ち続ける強い心と温かな想いだけなのだ。その乗員の一人でいようと勝手に(?)決めた私も、まだ、あと少し、これまでのような時間はもう無いだろうけれど、この旅の残り時間、希みは棄てない、心も棄てないでいよう。
 いくらかの哀しみのこして、胸にいくばくかの惜別の涙を隠して、そして、いくつかの気がかりを港に残したままで、それでも、船はまた、出ていく。世情(世界)はこれまでにない荒波である。
 希望の船であれーとひたすらに祈り、その光射す航路の幾許かでも穏やかであることを、心より願う。

                                  (2024/2/25)


【追記】あと少しで2月終わり。矢のように時間は逝く。船も進む。次は神奈川県川崎のステージ。しかし、私のこの先は、4月南座―。例年より早くに春や夏が来る気候変動の地球。冬には葉を落とす躑躅(つつじ)は、この冬は緑の葉を青々とつけたまま、春を迎える。温暖化の影響は目の前にーそんな季節巡りになったこの地球(ほし)の、私の3月、やる事は山積。頑張るぞ!いろいろ終わらせるぞ、片付けるぞ!そして、4/5には、スッキリと、京都への新幹線に乗り込むぞ(笑)。
…と自身に気合を駆けるも、パワーの量は?…と、ちょっと、自信が揺らぐ(笑) 
 気持ちが沈む時、ふっと、悩みに囚われるとき、気がかりに捕まって、心が下を向いてしまう時、それらをいくらかでも払いのける方法の有効な手段の一つに、掃除があるらしい。自身の居住空間が清潔にスッキリとしたとき、心の中の悩みや気がかりの根本が完全に消え去りはしないけれど、美味しい空気を吸ったようにスッキリとするらしい。
 それにしても、南座公演、4/5(金)~4/7(日)、爆発的に混む桜の季節、春休みの終わり、金曜日から日曜日…。訪日客もものすごく多いだろう。頑張って、行く力をためておかないとならないから、3月のやる事はほどほどに?(あれ?3月は頑張るのではなかったのか、私?(笑) 
                                    (2024//2/25)



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