アボルダージュ!!

文芸及び歴史同好会「碧い馬同人会」主宰で歴史作家・エッセイストの萩尾農が日々の思いや出来事を語ります。

「桜、よーい!」& 国際フォーラムホールAの舟木一夫

2024-03-26 | 世情もろもろ
 今年の桜の開花が、気象庁の開花予想より大幅に遅れている。当初、東京地方は3月17日とか言っていたような…。
 この時期になると、もう15年ほども前になる当時小学2~3年生だった(ということは、もうすっかり大人!)ちょっとヤンチャな坊主(!)雄作を思い出す。近くの小学校のバイト先生をした。いろんな子供たちが居た。先生の手を焼かせる雄作クンは始終怒られていた。が、それで、めげないのは、現在(いま)の子供たちよりメンタル面は強かったのか。彼には好きな女の子がいる―と気が付いたのは私だけ(笑)。環(たまき)ちゃん、当時の女優の田中麗奈に似ていた。子供集団で揉める、喧嘩になる、その時、同じことをしていても、「タマはいいんだ」と庇う。見え見えである(笑)。因みに環ちゃんは雄作の気持ちはまったく知らず、彼の片思い…。
 その雄作クンが、毎年、桜の時期に、桜に向けて、
「桜!よーい!」
と、叫んでいた。「よーい!どん」なのか、桜の開花を促しているのか、その時は、もう満開に近かったのだけど、「もっと咲け!頑張れ!」と言っていたのか。真相(?)はずっと不明のまま、もう、とうに彼らは大人になり、こちらは歳をとった、いや、年齢を経た(と、この期に及んでも、まだ、こちらの表現を用いる(笑)
 桜の開花の遅れは、どちらかというと「歓迎」―。暖冬のせいなのか、もう、ずっと、桜は早い時期に開花して、各学校の入学式にはすでに散っている。昔は、桜満開の下を、新しい生活に入っていったように記憶している。やっぱり、その方がよい。
 そして、今年は、桜満開の京都に出会えるかもしれない―という勝手な(?)期待がある。
 京都は若い頃から、取材も含めて、様々な季節、数えきれないほどに訪れているが、思い返すと、〞京の桜満開〞は実際には見たことがない。その頃に行ったことがなかった。
 だから、今年の桜開花の遅れは、自分勝手に、ちょっと嬉しい気持ちでいる。
「桜、よーい!」ではなく、「桜、まだ、待て~」なのだ(笑)

 そして、つい最近になって、正確には、この書き込みの前のブログを書いた前日(3/20)、『舟木一夫コンサート2023 2023/11/16 in東京国際フォーラムホールA』のDVDをみた。
 2月下旬には入手していたが、いろいろ有り、心がちょっと沈んでいたのか、見て励まされるといういつものパターンに行きつくか否か、ちょっと自信がなかったーと、エラそうに綴るが、結局、「言い訳だろう、お前の」とか、胸の声が…(笑)。
 2023ファイナルは生で観ている。国際フォーラムホールAというキャパ5000以上の大ホールで、ロビー入り口に『満員御礼』の垂れ幕がかかっている、そこを通り抜けて、広い、広いホールの、後方の座席から…。ナマを観ているのだけど、やっぱり、30列より後ろの座席では、いくらオペラグラスに頼っても、さらにステージ両脇に設けられたスクリーンに目を遣っても、見落としはあった―DVDを見て、これに気が付いた。
 DVDの前半、当日のナマでは、涙こみあげることはなかった『たそがれの人』―何故だか、胸に深く入り込んで(?)きた。泣きそうになった、いや、涙がこぼれた。涙を呼ぶ歌詞ではないのだけれど…。
 見る私の心状態だ。そこに、ひどく優しい舟木一夫の声が、想いが、ぴったりと合ったのだろう―と分析してしまうと、ホントに、「色気も素っ気も無い」表現になるけど、歌(音楽)は、そうやって、聴く者の心に寄り沿ってくる、だから、聴く者は歌や音楽から離れられない。
 そして、ステージの終わり、アンコールー。上田成幸氏(舟木一夫本名)作詞・作曲の『End Love』、さらに『ROCKN ROLL ふるさと』へ―。『ROCKN…』は楽しい曲だ、全員、スタンディングオベーションとなる。だから、オペラグラスを覗いてはいられない(笑)表情がよく見えなかったから気が付かなかった…とは、私の弁解(いいわけ)? この時の、舟木一夫の、とても、とっても、幸福そうな笑顔、表情に、あらためて気が付いた(遅い!)。
「これが、この人の大切なもの、それが、胸の奥底にある大切な想い」―と、思い当たる。
 翻って、このひと月余の間の様々な出来事、わけのわからないままに理不尽に下ろされた友人の一人との長い歳月の果てにあった扉、その瞬間よりも、「なぜ?」が胸に残った。
 自身の胸の底にある大切なもの、それを失わないために、私は、いつも、それが、心を叩きのめすような事実であっても、真実は知りたかった。一方的に与えられる情報が真実(ほんとう)なのか、偽情報(ガセ)なのか、自身の大切なものを失くさないために、「知っていよう」と思っていた。15歳の頃、何も知らずにいて、知った時は取り返すことのできない状況になっていて、7つ上の従兄は七年もの苦悩の果てに逝ってしまっていた。
 勿論、真実などわからなくてもよいーと、自分が楽しくいられそうな方を選ぶのもその人の自由だ。こんなに遠くまできて、そこに気が付いた私も相当に鈍感だったか。
 
 舟木一夫の幸福そうな、とてもいい笑顔で、そのひと月余のモヤモヤと幾らかの腹立たしい気持ちの出口が見えた。
 そう、もう、こんなに遠くまできたのだ、友人たちも私も、そして、舟木一夫も…。幸福な笑顔ができてもよい、いや、その笑みが、とても幸福そうなのは、当然だ。いろんなことがあり、ここまで歩いてきて、現在(いま)も、これからも、まだ、荒波は打ち寄せるかもしれない旅路―そんなことには負けない〞幸福〞が、胸のうちにそっと在るから。
 
                                 (2024/3/26)

【追記】京都の宿はいつもの宿(ホテル)はgetできなかった。季節が春爛漫の美しい季節、春休み、金曜日から日曜日である。静かな立地で、お値段も手ごろ(これが一番か?)だった馴染のホテルは、この3日間の宿泊料は、いつもの倍だった。しかも、それでも、満室。かなり前に予約を入れようとしてその状況。きっと、京の都は混み混みだろうなぁ。
 結局、京都府内の宿泊は諦めて、隣の県で見つけた。景色が素晴らしい。桜満開なら、夜桜もーと、私たちはいくらかウキウキと。湖から京都までの疎水を運行している疎水船(12人乗り)がある。桜の下を進んでいく。「船で京都に入る!」―これは素晴らしい!と思ったが、満員、さらに、乗れる人数が少ないこと、年間の運行時期が少ないことなどからなのか、乗船料金は高い!5000円、日によっては新幹線と同じほど!! 満員よりも、こちらで諦めざるを得ないか(笑)それなら、疎水沿いを電車と徒歩で京入りするぞ!

【追記 その2】「桜、よーい!」の雄作クン、いたずらや喧嘩をしていると、先生たちは、「雄作~」と走って行った、私も、「雄作~、やめろ~」と(笑)最初に名前を知った時、舟木一夫の映画『夕笛』の「島村雄作」を思い出したことは確か。でも、「雄作~、こら~!」と走って行くときは、当然、島村雄作ではない(笑)あの素敵な島村雄作を呼びつけで走って行くことなどできるわけがない(笑)

*本日は、「舟木一夫concert tour 2024」神戸公演、明日は、大阪公演。頑張れ~!

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