アボルダージュ!!

文芸及び歴史同好会「碧い馬同人会」主宰で歴史作家・エッセイストの萩尾農が日々の思いや出来事を語ります。

Go to と with

2020-07-17 | 世情もろもろ
 コロナ禍が止まらない…どころか、日々、拡大している状況下で、当初、来月からを予定していた「Go to キャンペーン」は、予定を前倒し(?!)して、7月22日から始めるそうだ。
 アンケートでは、答えた人の90%が、「早すぎる」との結果。それを無視しての政府の強行突破。
 もっとも、このことに限らず、民主主義は多数決だーとばかりに、「少数意見の尊重」をも謳っていることは、蹴り飛ばして(本当に、これ。蹴り飛ばしているなぁ。いや、その前に、少数意見の尊重をするということすら知らないのかもしれない、冗談ではなく本当に…)、何でもかんでも強行突破、強行採決の現政権だ。
 それで、その「Go to キャンペーン」の「Go to トラベル」は、22日から、東京都を除外して、始めると決めたようだ。(22日まではまだ、時間があるから、変わるかもしれないけれど)。
 私は都民だから、除外される側になるけれど、それは、一向にかまわないけれど、旅行に行く人々は、それなりの感染防止対策を講じて、気を付けて出かけるはずだから、実施は問題ない―と、会見で話していた菅官房長官。そこまで、国民のすべてを信じてはいないくせに、こういうときだけは、「信じ切っている」風をする(?)。
 出かける人のすべてが、そうする―とは、私でも思ってはいない。
「宿泊代の援助が出るぞ~! それゆけ!!」
 と、コロナは忘れて、あるいは、自分は罹らない―自信をもって(?)出かける輩も、絶対にいる。あるいは、「罹ってもいいか~、どうせ軽症ですむ」と、思い込み、その軽症や無症状が、知らずに感染を広げていくという、なんとも、厄介なウイルスであることを自覚もしない、そんな人々もいるのだ―ということを、為政者たちはわかっていない??
 いや、わかっていないのではなく、このキャンペーン、やらざるを得ない。
 確かに、観光業の状態は逼迫している。例年の9割以上の減収ともいう。
 減収は観光業だけにとどまらない。
 経済は、ストップした。
 「金持ち」のはずの東京都も、貯金は底をつく。あんなにあった余剰金は、ここまでの補償やら給付やらで激減した。
 それなら、ただただ経費のかかっていく五輪の中止を早く決定すればよいのに―というより、世界の状況を見渡せば、開催は無理だと、一目でわかるのだけれど、いろんなことが絡んで、その決定もできない。IOCも、いろいろいってくるし、オリンピックは、もはや、昔々のそれのように、神聖なスポーツの祭典ではなく、利権が絡みに絡みまくっている「祭典」になったから、おいそれと「中止」というわけにはいかないのだろうけど。
 五輪の東京招致を言い出したのは、時の都知事の石原慎太郎氏。
「オリンピックは儲かるんですよ」
 と、彼は、言った。そこから、間違ったのだと思う。

 話が山ほどそれたが、前述のGo to トラベル。現況を為政者たちはわかっていないと書いた、それも、あるけれど、全国旅行業協会の会長は、ずっと昔から、自民党の二階俊博幹事長だということを、初めて知った。
「へぇ~」
 としか、言えなかった。言わなくても、
「そうか~」とうなずく人は多いはず。
 客相手のすべての業界で、悲惨な状況は変わらない。
『ここで特に、観光振興策に一・三五兆円もの予算をつぎ込むのはやはり、全国旅行業協会の会長がずうっと昔から自民党の二階俊博幹事長だからなんでしょうかね』
 と、今朝の新聞コラムの一説にあった。
「ふ~ん」と「やっぱり」という言葉しか、もうでなかった。

 Go to も「with コロナ」も、なんだかねぇ~という気持ちだ。
 今後は、コロナと共生していくしかない、いやでも、そうしていくしかない、とにかく、ワクチンと治療薬ができるまでは…なのだけど、この数か月、無理に英語を使わずに、日本語で―と、なぜだか何度も思った。
 Social distance も、本来の意味とは違う風に使われて、ついに(!)外来語の日本語になったみたいだし…。
 それでも、とにかく、私は、コロナとはwith したくないのが、本音。誰も同じだろうけど。
 ついでに、権力者や為政者たちとも、with したくないけど、世界は、この星の上に在るのだから、仕方ない。