アボルダージュ!!

文芸及び歴史同好会「碧い馬同人会」主宰で歴史作家・エッセイストの萩尾農が日々の思いや出来事を語ります。

舟木一夫のliveに吹く〞風〞

2022-09-24 | 世情もろもろ
「何の風だろう」
舟木一夫のlive会場に居る時にふいと思うことがある。Concertをみているときだ。〞風〞を感じる。風はステージから、やがて、会場すべてを包む。
「アゝ、そうか」
 気がつく。
「風は、この人(舟木一夫)の心だ」―と。

 もう六十年ー長い長い時間が過ぎ、それでも、舟木一夫はステージに居る(!)、歌っている。私はそれを目にしている。この目で見つめていられる。そういう未来が待っていたとは、予想するはずもなかった六十年前の日―。
 そして、現在(いま)、〞風〞を感じる。〞風〞を見る(!)。
 六十年もの長い時間が過ぎ、その果ての現在(いま)の力強い二時間余のステージ、以前も書いたが、「もう少し手を抜いてもいいよ」と、ちょっと、その身を心配してしまいそうな熱量あふれるステージーその時間を、あとどのくらい〞持っていける〞のだろうか、それは、〞お互いに〞である。
 どこまで見つめていけるか、どこまで、熱い想いを届けることができるか―そう、互いに…。
 命懸けという言葉はあまり使いたくない。しかし、こんなに遠くまできて、〞余生をのんびりと過ごす〞という選択はしなかった。今、ステージに居る舟木一夫も、そして、私も…。(私の場合は、「余生なんか無いと思えよ、お前!」と、自分にはっぱをかけているのかも(笑)
 だから、それは、あるいは、命懸けといえる類(たぐい)かもしれないが、それをいうなら、〞心懸け(こころがけ)〞―と、勝手に造語して言いたい。
 〞心〞は〞想い〞―その心をその二時間余に全部乗せて、その心懸ける時間が、どれほど残されているのかなどとは考えもせずに、ただ、ただ、心を、想いを、届けて、進む。ものすごく混沌としてしまった現在の世を、そんな事柄に囚われている時間などはないのだ―と、進む。瞳が輝く。とても幸福そうな笑顔を見せて…いや、幸福なのだ、現在(いま)、この人は…と、それも、また、勝手に、私は確信する。
「〞風〞は、この人の心だ」
 ひとり勝手に納得して、いくらか、得をした気持ちで、呟いた。
「〞風〞の正体、掴んだぞ」―と(笑)。

 この熱量ある大気の中へ、舟木一夫は〞心〞という風を届け、とても幸福そうに笑う。その笑顔をみて私は、心安らぎ、何だか、ホッと安心した。
 世情混乱、困難な事象が一日ごとに増えていくような、世界(!)の中で、
「大丈夫だ」
 と、呟く。

                     (2022/9/16)


【追記】もう一週間も前にいつものように(!)書き飛ばしをしておきながら、upが本日、台風のさなか。そして、台風接近の一昨日(9/22)、「舟木一夫 御園座特別コンサート」(愛知県名古屋市 9/22~9/23)に行ってきた。一昨日だったので、何とか、雨は免れたが、昨日は、東海道新幹線も止まり、皆さん、帰京できたのだろうか…。
 地球温暖化によって、災害が増えた。地球の温暖化を招いたのは人類なのだけど…。自然が怒ったら、人間は成す術(すべ)がない―ということを、もういい加減に学んで、世界中の為政者たちは(私たちもだけど)、もっと謙虚にならなくては…と、あらゆる国で、本当のリーダーを失った現代を、ちょっと憂うる。いや、失ったのではなく、真のリーダーたる資質を持った人間は、もう、どこにも居ないということか。
 我が国などは、その中でも、かなりひどい。あれらの人々に国民を守る力量はまったく無いから、自分のことは自分で守らなければならない―という国になった。

 世界に於ける日本の地位は、この数年で、ものすごく低くなった。ここで誰かの(!)国葬などをやって、さらに、低くなるだろう。世界中が非難している国、国として認めていない国も招待している。そう、ロシアも、そして、国軍が占拠して国の運営を乗っ取ったミャンマーも招待した。招待した翌日、ミャンマーの国軍は、民主派の4人を死刑にした。これまでに民主化を求める2000人以上の市民、若者の命を奪った。世界が批判しているミャンマーの国軍に招待状を送ったことは、日本国は、そこを国として認めている―ということになる。そんな簡単な道理が分からない日本国政府だ―と、忘れないようにしようと思った。
 ちなみに、英国女王の国葬は議会に計り、招待国も決めて、ロシアとミャンマー、ベラルーシは外された。
 なんだか、節操のない国になって、なさけないなぁ。

 良い話のあとに、こんな話―申し訳ない!!

                    (2022/9/24)