Go straight till the end!!

世界一周の旅の思い出を綴っています。
ブログタイトルは、出発前に旅日記の表紙に書いた言葉です。

(30)アクス(中国)

2009-05-14 22:13:00 | プロローグ・タイ・中国
 庫尓勒(コルラ)から阿克蘇( A Ke Su )(アーカースー)(アクス)までは列車で所要10時間半。南疆(なんきょう)鉄道の当時の終着駅だった(現在の終着駅は喀什(カシュガル))。



 途中庫車(クチャ)の街を通ったが、先を急いでいたので下車しなかった。

 クチャは、その昔亀茲(きじ)が栄えた場所だ。
 亀茲国は前漢時代(紀元前206年~8年)に現れ、10世紀頃まで繁栄したらしい。
 仏教が盛んだった国らしく、数多くの仏教遺跡が存在する。

 また、般若心経の訳者(漢訳)とも言われる鳩摩羅什(くまらじゅう)(クマラジーバ)(350年(344年)~409年(413年)は、亀茲国の王族だったらしい。
 鳩摩羅什は玄奘(三蔵法師)(602年~664年)と共に二大訳聖と呼ばれている。

※鳩摩羅什以前の訳経を【古訳】、鳩摩羅什から玄奘以前の訳経を【旧訳(くやく)、玄奘の訳経を【新訳】と呼ぶ。

 と、クチャの街について調べて書いてみたが、当時は仏教遺跡がある位しか知らなかった。

 ちなみに自分は四国遍路をしたことがある。
 その当時、唱えていた般若心経が弘法大師空海によって中国(唐)からもたらされたのは知っていたが、鳩摩羅什のことは知らなかった(鳩摩羅什について知ったのはおよそ2年前)。

 今はクチャに行っておけばよかったと思うし、機会があれば行ってみたいと思う。



 アクスはウイグル語で【白い水】という意味のオアシス都市だ。
 後漢時代(25年~220年)には姑墨(こぼく)が栄えたが、その後亀茲国の支配下に置かれた。
 新疆(しんきょう)ウイグル自治区アクス地区全体ではウイグル族が7割を超えるが、アクス地区の首府アクス市は逆に漢族の方が多いらしい。ビジネスになるのだろう。

 この街に見どころは特に無い。
 列車の移動が2泊続いていたので、宿でゆっくり休みたかった。
 早めに就寝して、翌日の移動に備えることにした。



 翌朝8時に宿を出たが、まだ夜が明けておらず星が出ていた。中国全土に強引に北京時間を採用するのには無理があると感じた。

 仕方なく朝を待ち、早朝10時発のバスでカシュガルへと向かった。

※地図はこちら