中小企業の「うつ病」対策ー人、資金、時間、情報に余裕がない

企業の労働安全衛生、特にメンタルヘルス問題に取り組んでいます。
拙著「中小企業のうつ病対策」をお読みください。

最近の報道より

2014年11月06日 | 情報
何れの裁判も、会社側に争うだけの理由が見つかりません。
パワハラと長時間労働が訴訟理由になる場合、殆ど会社側に有利になることは見込めません。
裁判で争うのではなく、調停から和解に持ち込むのが、賢い選択と考えます。
裁判に持ち込めば、会社名がマスコミで報道されますので、会社のイメージの著しい毀損に繋がりますし、
裁判の長期化は会社の体力を蝕むことにもなります。
それよりも裁判になるような原因の除去に精力を注ぐべきでしょう。
その他の従業員のこころ、即ちサイレントマジョリティの気持ちを慮ることに、経営層は努力してほしいものです。

店長自殺、パワハラ原因=ステーキ店側に賠償命令―東京地裁
時事通信 11月4日

首都圏を中心に展開する飲食店「ステーキのくいしんぼ」の店長だった男性=当時(24)=が自殺したのは、
長時間労働と上司のパワーハラスメントが原因として、
埼玉県に住む両親が経営会社のサン・チャレンジ(東京)と社長、元上司に計約7300万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が4日、東京地裁であった。
山田明裁判長は自殺とパワハラなどとの因果関係を認め、同社側に計約5800万円の支払いを命じた。
山田裁判長は、男性は遅くとも自殺の約2年9カ月前から恒常的に1日12時間半以上働き、
上司から暴言や暴行、嫌がらせなどを受けて精神障害になり自殺したと認定。
同社については、「業績向上を目指すあまり、適切な労務管理ができる体制を何ら取っていなかった」と指摘した。
判決によると、男性は高校卒業後、別会社を経て2007年5月からサン・チャレンジで勤務。09年7月、店長に昇格したが、
渋谷センター街店の店長だった10年11月、勤務終了後に店舗近くで首をつって自殺した。
判決後に記者会見した父親(60)は「自殺の原因が証明されて、息子の名誉回復になったのではないか」と話した。
サン・チャレンジの話 判決の詳細を把握していないのでコメントできない。 

「長時間労働とパワハラで自殺」 賠償命じる
11月4日 NHK

東京都内の飲食チェーンの店舗で店長として勤務していた男性が4年前に自殺したことについて、
東京地方裁判所は1日12時間半を超える長時間労働や上司のパワーハラスメントが自殺につながったと判断して
会社側におよそ5800万円の賠償を命じました。
4年前、東京・渋谷区に本社がある「サン・チャレンジ」が経営する飲食チェーンの店舗で店長として働いていた当時24歳の男性が自殺し、
男性の両親が会社や上司などを訴えていました。
判決で東京地方裁判所の山田明裁判長は「男性は自殺までの2年9か月、1日当たり12時間半以上の長時間労働をしていたうえ、
上司からの暴言や殴られるなどの暴行を受け、いわゆるパワハラがあった。
会社側は業績アップを目指すあまり適切な労務管理ができる体制を取っておらず、長時間労働やパワハラが自殺につながったもので、
ほかの原因は認められない」と判断し、会社側におよそ5800万円の賠償を命じました。
男性の父親は会見で「息子に自殺の原因がほかにないことが証明され名誉が回復された」と述べたほか、
弁護士は「判決は自殺した男性に落ち度がなかったと判断しており画期的だ」と述べました。
一方、会社は「現段階では判決の詳細を把握していないのでコメントできない」としています。

40歳銀行員の自殺原因は過労うつ 肥後銀に賠償命令
2014年10月17日 朝日

 肥後銀行(本店・熊本市)の元行員の男性(当時40)が一昨年に自殺したのは、長時間労働によるうつ病が原因だったとして、
遺族が銀行に計約1億7千万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が17日、熊本地裁であった。
中村心裁判長は、長時間労働と自殺の因果関係を認め、銀行に計約1億2890万円の支払いを命じた。
 銀行側は当初、過重労働を認めずに自殺との因果関係も否定していたが、今年4月に主張を撤回し、
「長時間の過重な労働によりうつ病を発症し、自殺した」と認めた。
 判決によると、男性は一昨年7月以降、社内のシステム更改業務の責任者として、月に100時間を超える時間外労働を強いられた。
同年10月18日、本店7階から飛び降りて自殺。直前1カ月間の時間外労働は209時間を超えており、
熊本労働基準監督署は10月上旬、男性はうつ病を発症していたと認定した。
 また、熊本簡裁は昨年12月、銀行側が男性に対し、96~142時間の時間外労働をさせたとして、
労働基準法違反の罪で罰金20万円の略式命令を出している。(籏智広太)

過労自殺訴訟が和解 横浜の石油プラント会社
2014.10.6 共同

石油プラント会社「新興プランテック」(横浜市)に勤め、平成20年に過労自殺した男性社員=当時(24)=の遺族が、
同社などに損害賠償を求めた訴訟は6日、東京高裁(小林昭彦裁判長)で和解が成立した。和解内容は明らかになっていない。
一審東京地裁判決は、会社の安全配慮義務違反を認め、約2300万円の支払いを命じていた。
一審判決によると、男性は19年に入社。最長で月200時間を超える長時間労働のストレスから強迫性障害と診断され、20年11月に自殺した。

残業月200時間超 自殺した建設会社の男性に労災認定 千葉労基署
2010.12.14 産経

 東証一部上場の建設会社「新興プランテック」の千葉事業所に勤務する男性=当時(24)=が、
平成20年11月に自殺し、今年9月21日に千葉労働基準監督署から労災認定を受けていたことが14日、分かった。
労働基準法では1カ月の残業時間の上限を45時間としているが、建設業は同法の適用除外となっており、
男性が所属する労働組合は事業所と月200時間まで残業を可能とする協定を結んでいた。
 男性の弁護士は同日、厚生労働省に対し、長時間労働を放置している現状を改善するよう求める要請書を提出した。
 男性の弁護士などによると、男性は同社で勤務していた20年11月11日朝、自宅トイレで練炭に火をつけ、一酸化炭素中毒で死亡した。
男性は同年1月に新しい現場に異動してから月100時間以上の残業が常態化、7月には218時間の残業を行っており、
8月には精神疾患の強迫性障害と診断を受けていた。
 厚労省によると、労基法では残業時間の上限を月45時間、年間360時間と規定。
しかし、建設業は業務が天候に左右され、時期によって繁忙期が異なることなどから同法の適用から外されている。

「過労死かも」の相談で労基法違反発覚 時間外労働、1日に最長10時間半 運送会社と社長を書類送検 彦根労基署
2014.10.2 産経

 労働条件に関する協定を締結せずに従業員を時間外労働させたとして、
彦根労働基準監督署は1日、労基法違反容疑で滋賀県愛荘町のトラック運送会社「友真商事」と同社の男性社長(63)を書類送検した。
容疑を認めている。
 送検容疑は、同社が労基法に基づく「時間外労働・休日に関する協定」を労使間で締結していないのに、
従業員の男性(61)に法定限度を超えて時間外労働や休日出勤をさせたとしている。
 同労基署によると、男性は今年1月19日~3月24日の間に、1日に最長10時間半、
1週間で同31時間の時間外労働を強いられるなどした。
男性は3月下旬、就業中に心臓疾患で死亡したため妻が「過労死ではないか」と労基署に相談し、違法行為が発覚した。

時間外労働131時間、過労死認める 名古屋地裁支部
2014年10月1日 朝日

 愛知県安城市の建設関連会社で働いていた男性(当時59)が不整脈で亡くなったのは、長時間労働が原因だったとして、
遺族が会社に約7800万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が30日、名古屋地裁岡崎支部であった。
小島法夫裁判官は「亡くなる前の1カ月に131時間の時間外労働があった」と認め、約4500万円の支払いを命じた。
 男性は同県西尾市の榊原悟さん。判決などによると、2011年12月、仕事で車を運転中、不整脈で亡くなり、
労働基準監督署に労災と認定された。
 妻で原告の清子さん(61)らは13年2月、榊原さんの不整脈は長時間労働やストレスが原因として提訴。
会社側は「過大な精神的、肉体的負担はなかった」などと反論していた。

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