中小企業の「うつ病」対策ー人、資金、時間、情報に余裕がない

企業の労働安全衛生、特にメンタルヘルス問題に取り組んでいます。
拙著「中小企業のうつ病対策」をお読みください。

ようやく二審で過労死認定

2017年03月22日 | 情報

労災認定もされず、裁判に訴えても一審では敗訴、ようやく二審で過労死認定がされました。
新聞報道によると、地裁と高裁は、時間外労働時間の認定方法で判決が分かれたようですが、
労基署、地裁、高裁それぞれの判断の内容を知りたいものです。

過労死認定の判決が確定 トヨタ系列社員の突然死
3月10日 朝日

トヨタ系列の下請け会社の男性社員(当時37)が2011年に突然死したのは過労が原因と認めた名古屋高裁判決について、
国は期限の9日までに上告せず、判決が確定した。厚生労働省への取材で10日わかった。
男性はトヨタ系列の「テー・エス・シー」(横浜市)の社員だった三輪敏博さん。高裁は判決で、
死亡との因果関係を認めなかった一審・名古屋地裁判決を取り消し、「うつ病などで睡眠時間が減っており、
直近1カ月は100時間超の時間外労働に匹敵する過重な負荷だった」と認定した。

トヨタ系列社員の過労死認めず 地裁「過重労働と言えず」
16年3月17日 朝日

トヨタ系列の下請け会社員だった男性(当時37)の突然死は過労が原因だとして遺族が国を相手取り、
労働基準監督署の労災保険不支給決定の取り消しを求めた訴訟で、名古屋地裁(田辺浩典裁判長)は16日、原告の訴えを棄却した。
訴えたのは、トヨタ系列の下請け会社「テー・エス・シー」(横浜市)の社員として、
愛知県東海市の関連工場で働いていた同県安城市の三輪敏博さんの妻香織さん(39)。
訴状によると、救急車の部品組み立てなどをしていた敏博さんは2011年9月に虚血性心疾患で死去。
遺族は直近1カ月の時間外労働が国の過労死認定基準の約100時間だったと労基署に訴えたが、
85時間と認定され労災保険は不支給とされた。
訴訟では、休憩時間も働き、うつ病も発症していた敏博さんには過重労働だったと主張。
だが判決は、時間外労働を約85時間と認定したうえ、「特に過重な長時間労働に従事していたとは認められない」とした。
記者会見した香織さんは控訴する方針を示し、「仕事に起因したうつ病であった点も考慮してもらえなかった。
裁判官には働く人の立場で現実を見て判断してほしい」と訴えた。

 

 

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