中小企業の「うつ病」対策ー人、資金、時間、情報に余裕がない

企業の労働安全衛生、特にメンタルヘルス問題に取り組んでいます。
拙著「中小企業のうつ病対策」をお読みください。

「職場を襲う“新型うつ”」とは(続編)

2012年05月11日 | 情報
最近の定性情報では、うつ病の半分以上は、「新型うつ」と云われています。
各企業の努力で、従来型のうつは、低減傾向にあるそうですが、
それに代わって、「新型うつ」が増えているそうです。

困ったことは、各企業がこの「新型うつ」への対応に苦慮していることです。
「うつ病」ではないので、うつ病の治療薬では効果がないということも聞きますが、
治療のことは精神科専門医にお任せし、ここでは職場での人事労務対応について記述します。

各企業が、「新型うつ」への対応に苦慮しているそうなのですが、
まるで「ハレモノ」にさわるような状況にあるのが問題と考えています。

20代を中心とする最近の若者は、生まれた時から競争にさらされていません。
一人っ子か二人兄弟で、生まれた時から競争はありませんし、
小学校、中学校も、悪しき平等教育やゆとり教育で、競争はありません。
大学も全入の時代です。
いわゆる「いじめっ子」の恐怖さえ、克服すれば、
トラブルを避けることだけには、長けていますので、ほとんど無菌状態で就職です。

それが、何度も同じフレーズを繰り返しますが、「不条理で暴力的な」企業社会に
いきなり放り込まれるのですから、「こわれる」のは火を見るより明らかでしょう。

ですから、新入社員教育が大切になります。
基本は、新入社員を「一人前の大人」として扱わないことです。
すべて「いろは」から手取り足取りで教育(教え育てる)しなければなりません。
「解っているだろう、このくらいはできるだろう」という先入観を排除することです。
手間ひまは掛かりますが、将来を見通せば致し方がない先行投資として割りきりましょう。

一方、最近の若者は、「他罰的な思考」ですから、教えないのが悪いと反発します。
20,30代の人たちの意見も理解できます。
確かに教わっていないのですから、致し方ない部分もあるでしょう。
成長期に学ぶチャンスがなかったのです。

「新型うつ」を理解していない経営層、管理職は、「なまけ病」だと短絡的に判断してしまいがちですが、
どうでしょう、ここまで目線を下げれば、怒りも少しは収まることでしょう。
コメント
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