
展覧会タイトルを見たとき
「いつまでも若々しい森迫さんも、ついにオヤジギャグかよ」
と思ってしまった。
しかし、会場に貼ってあった作家の言葉を読み、森迫さんにとって、コケというのは大事な存在なんだなあと、しみじみ感服した。
以下引用。
世界のすべては小さなモノたちのうめつくしで出来ている。 と、考えています。
それらはうめつくされてくり返してゆく。
目に見えるモノ、目に見えないモノも全部。
コケが好きです。
単純に小さくてかわいらしい、その様子が好きというのもありますが、
その生き方が好きです。
あらゆるまわりの植物は太陽をもとめてぐんぐん伸び、
子孫を残す為色々な工夫をする中、コケは争いをやめて隅っこでじっと生きる事を選んでいったそうです。(以下略)
出だしは、いかにも森迫さんらしくて、思わず笑ってしまう。
ただ、読んでいくと、実は森迫さんの中にも、しんの強さのようなものがびしっと通っていることがわかる。
彼の作品世界が、単なるかわいらしさにとどまっていないことが、あらためてわかったように、筆者は思った。
「美術」は、決して、「政治」や「経済」のように、世の中のメーンストリームを占めていない。
しかし、どんな世の中でも、片隅に、でもしっかりと存在しているものなのだ。そう思う。

今回、おもな作品は、過去の展覧会で出品されていたものだと思う。
トオンカフェの個展で展示されていた、日用品に着彩したものもある。
ただ、それぞれの平面の足元から、色とりどりの紙が、まるで弁当のバランのようにはみ出ているのが不思議だった。

これは初めて見たような…。
びっしりと小さなモティーフが空間を埋め尽くすのは、森迫さんらしい。
手前の空間を、鳥がつるされている。
おもな出品作は次の通り。
モリノコ
ミドリノリコの窓
ピンクの種
雲雲のつの
変辺動植物彩宇宙図
コバコノコノコノハコ
光のつぶたち
2014年6月6日(金)~8月1日(金)9am~5pm、土日祝休み
北海道文化財団アートスペース(中央区大通西5 大五ビル3階)
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