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北海道美術ネット別館

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■北川陽稔展「巫 -kannagi-」 (2014年10月17~19日、札幌) ※字句を修正し、写真を追加

2014年11月23日 01時23分23秒 | 展覧会の紹介-写真

 すっかりアップが遅くなってしまったが、ことし初めて行われたイベント「鴨々川ノスタルジア」の期間中に、ギャラリー鴨々堂で北川陽稔さんが開いた個展である。(このセンテンス直しました。創成川→鴨々川。
 1階では、疑似ドラマ仕立ての写真群の展示。2階では、シンプルな映像インスタレーションを流していた。

 以下、この個展のための、作家から提示されていたテキスト。
 
北海道開拓期、現在の札幌市の中心を流れる川の畔に、深手を負ったひとりの女性が辿り着いた。
そこで祈りを捧げると日毎に傷が癒え、やがて女性は龍神の巫(かんなぎ)として目覚め、
天災を予知するなどの奇跡を幾度も起こして、地域の人々を導いたのだという。
未知の風土の中で生活をはじめた祖先の寄る辺なさを象徴するかのような神仏混淆の場を、
自分自身が遭遇した奇異な自然現象の体験を元に、演出写真のシークェンスを交えて描く。

本作で描かれている小さな神社は「難得大龍王」と呼ばれる豊平川の水神で、
鴨々堂と地理的に縁が深い場所にあります。そこで、3日間限定で開催される本展示では、
上記の写真プリント30点の展示に加え、2階スペースに映像インスタレーションを設置。
作中で描かれている洞穴の臨場感・独特の音場や視野を、プロジェクター3台による映像と
多チャンネルのサウンドによって擬似的に表現します。


 フィクション仕立てではあるが、とりたててレタッチソフトをかませて不思議な映像に変換するようなことはしていない。「自分の作品としてはストレートフォトに近い」と北川さんも言う。

 向かって左側はおもに、豊平区水車町にある小さな神社の中と周辺で撮られ、右側は恵庭のラルマナイ川上流で、大水で岸辺にできた大きな穴の周囲で、モデルを用いて撮影されている。

 その神社は、現在は暗渠になっている水車川が、豊平川から分流するあたりにある。
 水車川は、かつて実際に水車が回っていたためにその名がついた。もともとは豊平川の一部で、水車川と豊平川の間も、かつては豊平川の中州であった。これは、鴨々川が豊平川の一部であり、鴨々川と豊平川に挟まれた地域(中島公園など)が昔は豊平川の中州であったのと、同じである。
 したがって、ロケーション的に、この会場と縁があるということができる。ちょうど、豊平川をはさんで、鴨々堂と反対側にあるのが、この神社なのだ。

 私事にわたるが、筆者は小学生のころ、この神社にわりと近いところに住んでいた。
 友人はだれも、この神社を、正式な名で呼ばず、「ヘビ神社」と呼んで、恐ろしがっていた。
 もっとも、すぐ近くを堤防沿いの豊平川通りが走っていて車の騒音が激しく、住宅地の中にあって、あまり神秘的な感じでもなかった。

 だから、この神社の内部が写されているのを見て、ちょっと拍子抜けしたのがほんとうのところだ。
 ヘビの絵などが奉納されている。北川さんによると、いくつかの神様がまつられていて、中には、他の神社から移ってきたものもあるそうだ。神社なのに仏様もいるようだが、これは日本の神仏混交らしいありさま。





 中央付近には、円山の八十八カ所で撮ったものも。
 円山は、地下鉄で行って登山できる山だが、登山口に神社があったりして、たしかにパワースポット的たたずまいを感じさせる。


 額に入れていないかわりに、プリントが美しい。



 ラルマナイ川は、筆者は行ったことがないが、写真からは、なにか異界の雰囲気がつたわってくる。


 ところで、北川さんは、23日まで茶廊法邑で個展を開いているほか、JR札幌駅コンコースでも映像インスタレーションを発表中。さらに、北海道文化財団アートスペース(中央区大通西5 大五ビル)でも写真を展示しており、大車輪の活躍中である。


2014年10月17日(金)~19日(日)午前11時~午後7時
古民家ギャラリー鴨々堂 (札幌市中央区南7西2)


http://www.akiyoshikitagawa.com/

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