北海道美術ネット別館

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■PHOTOGRAPHY EXHIBITION MOVE 2 (2月21日まで)

2009年02月19日 10時03分55秒 | 展覧会の紹介-写真
 さかんに制作・発表をつづけている札幌のフォトグラファー山岸せいじさんは、個展や2人展のほか、グループ展をいくつもプロデュースしています。「MOVE」もそのひとつで、「たぴお」を会場に昨年始まりました。

 メンバーは、山岸さんのほか、置田貴代美、北川陽稔、小林孝人、高井稜、竹田あやこ、為岡進、藤川弘毅、三橋夏希、山本理恵、米田紘美の各氏。
 昨年出品していた廣島経明さんと足立成亮さんが抜け、飛び入り参加の久保さんと宇津木さんも出品していません。
 新しいメンバーは北川、三橋、山本、米田の4氏。
 山岸さんが誘った人と、「知り合いの知り合い」で加わった人がいるためか、会場は、よく言うとバラエティーに富んだ、悪くいうと、統一性にやや欠ける空間になっていると言えそうです。たとえばやはり山岸さんがひらいた昨秋の「光を編む」展などにくらべると、それぞれの作風には幅があります。

(上の段落、一部表現を手直ししました。2月20日)


 山岸さん「SE・KA・I」は、ここ数年撮っている、身の回りの何気ない風景をコンパクトデジタルカメラでスナップした写真を、4本の角材に貼り付けました。一種のインスタレーションといえそうです。

            

 作家数が多いので、ひとりが立体を出して会場の中央に作品を設置すると、構成上良いということがあるのかもしれません。


 会場でいちばん目立っているのは北川さん「MAYOIGA symphonic edit」でしょう(冒頭画像の右側に一部うつっています)。
 カラー32点の写真を2メートル×3メートルのプリント1枚にまとめました。
 高度2000メートルのところにあった鉱山地帯が被写体とのこと。
 柳田国男「遠野物語」に登場する「マヨイガ」とはいささか雰囲気が異なりますが、かつてそこに産業があったことを示す遺構と、緑や山肌の混交がおもしろく感じられました。1枚だけ、女性が横たわっているコマがあるのも、強い印象を与えます。

 高井さんはあいかわらずうまいです。
 カラーポジを重ねるなどして、静謐な静物写真により心象を浮かび上がらせています。

           

 素焼きの一輪挿しを撮った1枚などは、なんだかモランディの静物画を思わせる、時を超えた存在感をたたえています。

 置田さんはこの2、3年、スナップでありつつも、ブレやボケを生かした心象風景を展開してきましたが、今回の「変わらない風景」(カラー4点組み)はめずらしく、ストレートに冬景色をとらえたもので、一見してわかりやすい風景写真になっています。
 ただし、全体から受ける印象はやはりものさびしいです。

 三橋さんは、2007年の道教大写真部「はるてん」や、昨春の「はたち展」が印象ふかい若手。
 今回は、正方形のモノクロ6点で、無人の風景スナップが多く、これまで見た作品とはやや異質な感じがしました。


2009年2月16日(月)-21日(土)11:00-19:00
ギャラリーたぴお(中央区北2西2 道特会館 地図A

□SKY SCENE(置田さんのサイト) http://home.att.ne.jp/omega/hiyo4/
□北川さんのサイト http://project-bb.cool.ne.jp/creator/kitagawa_movie.html

MOVE 1(2008年)


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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
今回もサイトで満喫 (エゾ三毛猫)
2009-02-21 07:21:14
撮影された写真の中に、
楽器のトンコリが写って
いますね。

これは作品として展示が
されているのでしょうか?

なかなか実物を見る機会が
ないので見たかったなー

さて、吹雪の中を出社だー
返信する
トンコリ (ねむいヤナイ@北海道美術ネット)
2009-02-21 14:57:24
これは、初日のオープニングパーティでのライブ演奏でつかう予定のため、ここにあったのだと思います(筆者が見に行ったのは初日の昼)。

それにしても、きょうはひどい天気ですね。
こんな日にお仕事とは…。

おつかれさまです。
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