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■藤谷康晴個展 CONCRETE FICTION 、きょう(3月9日)まで

2007年03月09日 06時58分12秒 | 展覧会の紹介-絵画、版画、イラスト
 昨年から怒涛の勢いでペン画の制作と発表をつづけている石狩の若手、藤谷康晴さんですが、エスキスでの個展につづき、TEMPORARY SPACE(北区北16西5)でも「CONCRETE FICTION」という個展を開催しました。
 その個展の最終日(2月23日)に、朝11時から夜7時までという長時間のライブドローイングを敢行。その痕跡が、きょう3月9日まで、展示されています(エントリ、告知が遅れて、申し訳ありません!)。

          

 前回の個展から1カ月たっていないのにもかかわらず、新作もありました。
 2階の天井からは、布にドローイングした大きな作品もつりさがっています。
 また、2階の壁にも、まるで空間恐怖症みたいに線が密集したドローイングの小作品が、重なり合うように貼られているのが、2枚目の写真でわかると思います。

 札幌の繁華街、南1条通の建物の正面図を細密に(ただし看板の文字などは捨象して)描写した「無言のパレード」は、南側(パルコ側)につづき、北側(三越、丸井今井側)も完成。おそるべき集中力です。
 もっとも、
「この調子で円山公園までやってみては?」
と冗談まじりに言ったら
「もういやだ」
と苦笑していましたが。

 ライブドローイングは、エスキスの隅の壁に展示されていたマンホールの作品の上に、ホワイトで線を重ねるかたちで行われました。
 びっしりと緻密な線がひかれていた元の作品を知る身にとっては
「なんと、せっかく描いたのに、もったいない!」
という思いがします。
 なんと、途中、お手洗いに2回立ち、パンをかじったほかは、8時間びっしりと手を動かしていたそうです。
 几帳面な元の作品の線にくらべると、あらたにくわえられた白い線は、自由奔放に躍っているという印象を受けました。
 完成してほどない作品を塗りつぶしても前に進みたいいまの彼の意欲がつたわってきます。

 さて、先日もちらっと書きましたが、藤谷さんは3月20日-25日にまたまた個展「呼吸する部屋」をひらきます。
 会場は札幌市資料館(中央区大通西13 地図C)。
 初日の朝から会場でライブドローイングを始めるので、20日の朝に行っても、まだ白い紙しかない、ということでした。
 1日中ドローイングを行ったあとも、アルバイトの合間に会場に行っては加筆するということのようです。
 完成形ではない、常にダイナミックに変化し続ける彼の世界が見られそうです。

CONCRETE FICTIONのお知らせ1-2月の個展「路上でお茶を」


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